ミルクレゥプのカルボナーラの逆襲2112 その時、納豆にネギも付いてほくほく

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続ランス・アームストロング

2013-01-24 00:12:26 | サイクルロードレース
※サイクルロードレースネタです。

同僚や関係者の証言でドーピング問題に確証が出て、
ツール7連覇が剥奪されてから沈黙を守っていたランス・アームストロングが、
一般のニュースサイトでも騒がれてるように、
アメリカの番組で自らドーピングをしていた事を認め、
他にも様々な事に付いて語りました。


正直、書くのは気が進まないですが、
こればかりはサイクルロードレースファン的に触れないといけませんし、
いろいろ著名な人の発言も含めてまとめてみようかと。



番組自体は、
「あなたはドーピングをしてましたか?ツール7連覇の時も?」とのストレートな問いに、
「イエス。それは間違いない。1990年代半ばから行なっていた」と
淡々とした感じで答える形で始まったのですが、
とりあえず個人的に重要と思う質問とランスの発言を書いていきます。
(※質問は番組の順番通りではないですし、違う質問に対する答えもまとめたりしてますので、
ちゃんと知りたい方はインタビューの映像を見てください)


Q:ドーピング無しで7回もツール・ド・フランスに勝つことは出来ましたか?
「ノー。自分が思うに」

Q:何故ドーピングというリスクを犯したのか&何故長年否定し続けてきたことを何故今認めるのか?
「ただ勝ちたかっただけだ。
病気の治療の時に使ったことで、その味をしめてしまい、後はもう流れだった。
癖になり離れることが出来なくなってしまった。ほとんど中毒状態だった。
ドーピングと勝利はワンセットになっていたんだ。」
「当時は違反をしているという自覚はなく、間違ったことをしているという感覚もなかった。
ドーピングするのは、ボトルに水を入れること、ポンプでタイヤに空気を入れることと同じように、
レースをするための仕事の一部のように思っていた」
「勢いで続けて、7回の優勝という栄光と、
結婚、完璧な子どもたちに恵まれるという完璧なストーリーが長く続いたために、
手遅れになっていって言えなくなってしまった。」

Q:どれだけの人間がドーピングをしてたか?
「実際どのくらいの人間がしていたかは分からない。
ただドーピングをしていなかった人間を挙げろと言われれば挙げることは出来るよ」
当時は彼らは評価されなかったが、今なら彼らこそが本当のヒーローであったと言えるよ」

Q:UCIのドーピング検査について&どうしてドーピングがばれなかったのか?
「USポスタルのみならず、どのチームも当たり前のようにドーピングを行なってきた裏にはあるのは
UCIのテストがザルだったからだよ」
「UCIのテスト項目は少なく、
きっちりとスケジュール管理さえすれば誰にでもテストを掻い潜る事は出来た。
このスケジュール管理もチームの仕事の一環となっていた。
ドーピングをしてもレース時には引っかからないように設定することが'健康管理'となっていた」
「当時の基準で言えばテストは通ったわけだし、陽性になったことはないよ」

Q:チームメイトへのドーピングの強要や、それを拒否した人間への解雇などをしたことがあるか?
「それはない」
「”シナリオ”に同調しなかった人々に対して非難するような態度を取ったが、
自分自身がチームメイトにドーピングを強要したことはない。
しかし直接の指示はなくてもチームリーダの自分がドーピングしたら、
それに従わなければならないと感じただろうという`暗黙の圧力`があったことは否定しない」

Q:ドーピングしていた当時の心境を、間違ったり、悪いとは感じなかったか?
「(悪いというより)ただ怖かった」
「今は、人々の怒りを通して理解してきている。
今まで自分を信じ、支えてくれた人たちや、
リブストロングの何千・何億という支援者たちに対して裏切ってしまったことについては、
残りの人生をかけて謝罪し、信頼を取り戻したい」
「馬鹿というやつが馬鹿だとよく言うが、僕はそんな大馬鹿者になった。
今まで否定してきたことで他人を馬鹿呼ばわりしてきたが、結局自分に返ってきた。
自分自身が語り続けた言葉の一つ一つが、今僕の首を絞めている。
全ては自分自身の責任で、当然の報いだと思っている。」

Q:UCIに対して行った10万ドルの寄付について
「ドーピング撲滅のための寄付としたのは嘘で
UCIに「寄付してほしい」と依頼されて行った」
「皆が推測してるような秘密の会合はなかったし、
ツール・ド・スイスの際に出た陽性反応をもみ消すためでもない」

Q:自身のドーピングを認めアームストロングのドーピングについて暴露したフロイド・ランディスについては?
「証言されたことが意外だったよ」
「ランディスを公私共に支援し、裁判費用も全て世話をしてきた。
それがまさか僕に牙をむくとは思わなかった。」
Q:支援は口止めだったのか?
「それは違う」
「ランディスが証言した時にすべてが終わったかもしれないと思った」
「ジョージ・ヒンカピーの証言は最後の切り札だった」

Q:現役復帰したことについて
「現役復帰をしなければ、ドーピング問題で追求されることはなかったと思う。
そういった意味では現役復帰したことを後悔している」


他には、
自転車界から永久追放処分を受けているミケーレ・フェラーリ医師が首謀者だったのかとの質問には、
言葉を濁して「他人のことだから語りたくない」と言っただけで終わったので、
誰が主導して自転車界でドーピングが行われてきたかに関しては未だ分からないままでした。
一度引退してからレースに復帰した2009年と2011年の間において、
2009年と2010年のツール・ド・フランスにおいてはドーピングしていないと話しました。
あと、ナイキを筆頭に、ジロ、トレック、オークレーと、
次々とスポンサーが契約解除を申し出たことに関しては、
恥ずかしさと言うよりは屈辱感のほうが強かったようです。


「ズルをしているとも思わなかったし、禁止薬物を使うことにも抵抗もなかった。
とにかく悪い事をしていたという認識は当時は微塵もなかった。今考えるとその事が一番恐ろしい」


誰も居なくても赤信号では止まるのがルールです。
でもばれなければ捕まりませんし、
ある程度上手くやれば基本的にばれません。
そして取り締まるほうも明らかに緩かった。
そんな中で誰がちゃんとルールを守るのか。
そういう状況で素直に自分だけ待ってたら、
「正直者は馬鹿を見る」という言葉のように自分だけが馬鹿を見ますし
「赤信号みんなで渡れば怖くない」って言葉もありますからね。

ランスの話を全て鵜呑みにするなら、
当時は正にそんな感じだったのかもね。
勿論一番悪いのはルールを守らない方であり、
ばれた時のリスクも考えるのが普通なんで自業自得と言えばそれまでですが、
もう少し取り締まる方であるUCIがしっかりしていたら、
これほどの大事にはならなかったのかもとも思えますし、
知ってて隠していた関係者やマスコミにも責任はあると思う。


とか考えてると、
ちょっとランスが気の毒とも思えなくも無いですが、
彼が嘘を付いて周りを罵倒して傷つけた事実は変わりませんし、
反省してるように見せかけながら、
言葉の節々で現状への不満が見えるのも気になります。

そこでアメリカ人で唯一のツール・ド・フランス優勝者となったグレッグ・レモンと、
WADA(世界アンチ・ドーピング機構)のコメントを見てみましょう。

◆グレッグ・レモン
「ドーピングがなければツール・ド・フランスに勝てないなどという言い方をするのは、
過去の偉大なチャンピオンたちに対する冒涜だ」
「さもあの時代の優勝者が皆ドーピングをしていたかのような口ぶりは失礼甚だしい。
自分がドーピングをしなければ勝てなかったというだけで他の選手を同軸で語るな!
あいつの発言には心底ムカつく!」
「今回のインタビューはシナリオが出来ているとしか思えないような内容で一般大衆向けの娯楽だね。
彼の取り巻きによる操り人形のパフォーマンスといった所だろう。
彼はずっとそうやって人を小馬鹿にしてるんだよ。
彼が反省していないことは一般にも十分に伝わったんじゃないかな。」

グレッグ・レモンはランスのツールの優勝が剥奪されたため、
今や唯一のアメリカ人のツール・ド・フランス優勝者であり、
UCIに対向するために新たに組織された
CCN(チェンジ・サイクリング・ナウ)のメンバーでもあります。
アメリカ国内でのアンチ・ドーピングのために、
ランスのドーピング問題を10年以上提議し続けてきただけに、
今回のランスの告白は彼の活動がようやく実を結んだとも言える訳ですが、
「みんなやってたから仕方なかった」的な反省の色が見えない態度はむかつくでしょうし、
「お前もやってたんだろう」的な目で見られるのは腸煮えくり返る思いでしょうね
怒って当然ですね。はい。


◆WADA(世界アンチ・ドーピング機構)の現会長ジョン・ファヒー
「(ランスの出演した番組は)単なる娯楽番組だ」
「目新しい情報は何もなければ、核心の人物たちの名前を出すことも無かった。
ただ彼が行なってきた悪行の数々、ドーピングに加え、無実の人間を嘘つき呼ばわりし、
公共の場で罵倒してきたなどの暴挙が羅列されただけの下らない内容だった。
いかに彼が人間的に、人格に問題があるかを皆が知るところとなったんじゃないかな。」
「本当に反省していると言うのであれば洗いざらい話すべきだ。
自分に都合のいい部分だけを話して終わりなどではなく、
きちんとした宣誓書をとった上で、裁判や公聴会の場で話すべきだ。
それでこそ反省していると言えるだろう。」
「ドーピングテストがザルだったからと言って、
禁止薬物を使って良い理由にはならない。
当時の風潮と語るが、それが当たり前だったからなどと言い訳する前に自らのモラルを恥じるべきだ。
彼の'陽性になったことはない'という言い方には怒りを覚える。
それはドーピングをしていないという意味ではないんだ。
それをこのような言い方、言葉遊びをしている事自体に反省の色が伺えない。」
「結局自分の全てを否定しないで正当化する部分を残すあたり彼の心の中が読めない。
カムバックしなければこんな事にはならなかったという言い方をすること自体が、
彼に反省の色がなく、当時は誰もがやっていたのに何故自分だけがという思いが見え隠れしている。
今回の告白で得た彼の印象は、結局今でも”嘘つき”であり、
お山の大将でいたいという願望だけだ。」

他にも大御所のエディー・メルクスなんかが、
「他の選手への疑惑の目を向けるような物言いには憤りを覚える。」
と言ってますし、
元選手の人や海外のマスコミはこういう感じでかなり辛辣で、
彼を庇うような人は、ほぼ居ません。


個人的には、
癌撲滅運動で多くの人に希望を与えるなど、
人道的な活動への評価は変わらないですし、
スケープゴートにされた感があるのは事実ですし
自分がロードレースに興味を持つきっかけになった選手なだけに、
彼の走りがドーピングによるものだけとは思いたく無いですが、
ドーピングがあるから勝てたと認めてしまいましたし、
前述したように、
平然と嘘を付いて周りを傷つけたという事実があり、
今回のインタビューに関しても、
自分のミスを反省して認めたうえで釈明をするならまだしも、
「なんで俺だけが…」っていう不満が節々で見られる態度でしたし、
一番聞きたかったUCIとの話や、
ドーピングが蔓延する元凶の話なども聞けずじまいですから、
現状では議論の余地無しですね。
本人が言う通り「因果応報」ってやつです。
ただもう一度競技にカムバック出来るのならしたいと答えてましたし、
「今回のことから学んだことは?」との問いに、
「今まで威張り、騙し、嘘をついたりと、人にやるなと教わってきた事ばかりをやってきた。
そういった人が嫌がることをしないということを学んだ。」
「反省しているし、今回の告白が新しい人生の第一歩であり、
今回が自身にとって癌を宣告された時についで2度めの人生のターニングポイントだ」
「今までのように羽ばたけるかは分からない。でも今まで以上に良い人間にはなれたと思う。」
というようなことも語ったので、
いつか良いニュースで彼の名前を見れるといいな。

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2 コメント

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まぐろどんさんへ (ミルクレゥプ)
2013-01-25 07:30:58
コメントありがとうございます。

オリンピックでもドーピングが多いように、
ガチの競争だから、結果が全てとも言える世界で、
しかも周りが何の抵抗もなく普通にやっている状況だったら、
普段なら耳も貸さないような甘い誘いに勝てる意思を持つことは難しいんでしょうけど
あれほど紳士協定があって、
多くのファンがそこに美しさを見出してるサイクルロードレースにおいて、
「ばれないドーピング」が常套手段になってたとか最大の皮肉ですからねw
言われるとおり、悲しいし寂しくなります…

これを機にドーピングを一掃出来るといいのですが、
根はかなり深そうなんで、このまま有耶無耶になるんでしょうね…
返信する
仁義なきなんとかって感じですね (まぐろどん)
2013-01-24 21:16:20
ルールは守る前提で作られますがこれがガチの競争になると話は別ですよね。基本、守ってるつもりでグレーな部分で拡大解釈して、常識的に考えたらそりゃマズイでしょ?ってところでズルする…かつての自動車レースの世界では常套手段になってましたが、アスリートの肉体がパワーソースの世界ではそれが「ばれないドーピング」なのかな~って思うとちょっと悲しいですね。
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