酒に酔った状態で風呂場で溺れた「事故死」という検視結果が今月発表された、
今年1月に急逝したThe Cranberriesの「Dolores O'Riordan」ですが、
「BAD WOLVES」がThe Cranberriesの「Zombie」のカバーを発表した事で、
最近また大きく注目されてるようですし、
個人的に「The Cranberries」に思い入れがあるので、
ちょっと「The Cranberries」と「Dolores O'Riordan」について書いてみようかと。
元々「The Cranberries」は、
聖歌隊出身のDolores O'Riordanの、
天使のような綺麗で美しい声と、
Bjorkに通じる様なエキセントリックさを併せ持つ、
表現力豊かな歌声が乗る、
若者の日常的な事や夢や愛ついての歌詞の、
アイリッシュ要素と牧歌的な雰囲気がある
ポップ/ロックソングバンドで、
初めのヒットソングは↓の「Dreams」という曲です。
Oh, my life is changing everyday
(ああ、私の人生は日々変わり続ける)
In every possible way.
(いくつもの道が開けてる)
And oh, my dreams, it's never quite as it seems
(ああだから、私の夢はぼんやりして見えるのね)
最初と終盤に出てくるの↑歌詞の意味合いが、
途中の歌詞によって意味合いが変わるという曲で、
凄く簡単に言うと
「初めはぼんやりとしか見えてなかった夢が、
あなたに出会って影響を受けて、私の夢はあなたになった」
というで凄くピュアな青春ラブソングで、
1stアルバムも基本的にこういう系統なのもあり
UKの若者中心に多くの支持を得ます。
そして次作でも多くのファンが似たような作風を望む中、
レコード会社の指示でバンドを際立たせる目的で、
当時一大ブームなっていたグランジブームに乗っかって作った、
後に大きく運命を変えるバンドにとって「異質」な曲である、
「Zombie」が発表されます。
Another head hangs lowly
(また違う頭が垂れ下がる)
Child is slowly taken
(ゆっくりと子供が連れられていく)
And the violence caused such silence
(そして暴力が原因の沈黙が生まれる)
Who are we mistaken
(私達を誰と間違えたのだろう)
But you see
(でも分かってる)
it's not me
(それは私じゃない)
It's not my family
(私の家族でもない)
In your head,
(あなたの頭の中で)
in your head they are fighting
(あなたの頭の中で彼等は戦っている)
With their tanks and their bombs
(戦車を使って,爆弾を使って)
And their bombs and their guns
(爆弾を使って,銃を使って)
In your head,
(あなたの頭の中で)
In your head they are cryin'
(あなたの頭の中で彼等は泣き叫んでる)
In your head, in your head
(あなたの頭の中に,あなたの頭の中には)
Zombie, zombie, zombie
(ゾンビ,ゾンビ,ゾンビ)
What's in your head, in your head
(あなたの頭の中に居るのは,頭の中には)
Zombie, zombie, zombie
(ゾンビ,ゾンビ,ゾンビ)
Another mother's breakin'
(また違う母親が傷つき)
Heart is taking over
(心が打ち砕かれていく)
When the violence causes silence
(暴力が沈黙を引き起こす時)
We must be mistaken
(私達は間違っていたに違いない)
It's the same old theme since nineteen-sixteen
(それは1916年(※イースター蜂起)のテーマから同じ)
In your head,
(あなたの頭の中で)
In your head they're still fightin'
(あなたの頭の中で彼等はずっと戦っている)
With their tanks and their bombs
(戦車を使って,爆弾を使って)
And their bombs and their guns
(爆弾を使って,銃を使って)
In your head,In your head,
(あなたの頭の中で,頭の中で)
in your head they are dyin'
(あなたの頭の中で彼等は死んでいく)
北アイルランドの独立問題を取り上げた「反戦曲」で、
無関心を装って戦争や紛争について何も考えない思考停止状態の人を、
「生ける死体」の「ゾンビ」に準えて皮肉ると同時に、
IRAの爆弾で死んだ母娘を嘆いたメッセージ性の強い歌詞に、
ヘヴィでダークながら荘厳で抒情的な曲。
そして1stよりエキセントリックでエモ―ショナルになった、
美しくて奇妙でけたたましい、
神秘性とエキセントリックさが共存している、
個性と存在感溢れるDolores O'Riordanの歌唱。
一度聞いたら耳に残るであろう、
サビの「Zombie, zombie, zombie」の部分は実に印象的ですし、
グランジの本場である北米中心にアメリカでも、
この曲と収録アルバム(2ndアルバム)は大ヒットして
多くのメディアで高評価を受け、
多くの新規ファンを獲得して、
この年の音楽賞ではこの曲や2ndアルバムが多くの賞を獲りました。
元々Dolores O'Riordanは、
子供の時に父親が事故に遭い働けなくなっていたり、
姉の不注意で家が全焼していたりと、
不幸の連鎖が続いており、
生活は厳しかったようですし、
後に地元の年上の人に、
性的な悪戯をされたと告白しているように、
子供時代の思い出を苦々しく思ってるようで、
不幸な出来事や理不尽な出来事に対して、
過去の自分に照らし合わせて、
人一倍感情的になる節が見えますし、
教会の聖歌隊に入ってたのもあるのか、
倫理観や道徳観という物に確固たる信念があり、
かなり勝気というか負けん気も強いです。
「Zombie」ではそういうDoloresの内面と、
IRAの爆弾で死んだ母娘のニュースと、
グランジ全盛でダークな時代背景など、
全てが奇跡的に巧く嵌った訳です。
ただこの曲収録のアルバム聞けば分かりますが、
前述のように「Zombie」は明らかに「異質」な曲であり、
「Zombie」を聞いてファンになった人の中には、
似たような曲が少なくて不満を持った人も多かったようですし、
初期からのファンの中には裏切られた気持ちになった人も居たみたいです。
バンド自体も急にこういう社会的な歌詞の異質な曲が評価された事で、
プレッシャーと戸惑いがあったようで、
Doloresはそれ以降はメディアに煽られては期待に応えようと、
政治的や社会的な発言を繰り返したりと無理を始めます。
そんな中で全てのファンの期待に応えようと、
1st路線の曲を入れたりしつつ、
「Zombie」以上にキツい言い方で、
「強者からの正論」といった感じに
ドラッグの愚かさを歌った「Salvation」に
「ロシアやサラエボでは戦争が続いてるのに、
あなたが考えてる事は下らない事ばかり」という歌詞もある、
私は絶対自殺なんかはしないと歌う、
「Free to decide」などなど、
3枚目のアルバムも社会的な歌詞を多く書いたり、
ヘヴィで冷たい感じのオルタナロック風の曲を増やしたりしたものの、
メディアからは批判をされて、
ファンにも高い評価はを得られないという、
微妙な結果になり、
ハードスケジュールによる過労で、
Doloresは痛めていた膝が悪くなって活動出来なくなり
バンドは休止に追い込まれ、
皮肉にもバンドが一番「救済(Salvation)」が必要になるという…
ただここでゾンビのように思考停止状態になって、
ズルズル解散する事無く、
心機一転して初心に戻ったりもして、
2nd時代を越える評価は得られなかったものの、
ダークな中にも優しさが感じられるような、
牧歌的なポップでロックな曲メインの作品を作り続け、
1stのファンが帰ってきたり、
新規のファンも増やして、
バンドとしては大成功してましたし、
長い休止期間を挟みつつも活動していただけに、
この訃報には凄く驚いたし残念でした。
Dolores O'Riordaの死後に、
追悼の意味を込めて生前から交流があった「BAD WOLVES」が「Zombie」をカバーした事で
「The Cranberries」も再注目されてるようですが、
前記したように「Zombie」は異質な曲なので、
BAD WOLVESきっかけでhe Cranberriesに興味を持って、
似たような曲を求めてアルバム買った聞いたら、
約20年前と同じように「がっかりした」などと言ってる人が居るという、
何とも皮肉であると同時に面白くもある状況なのですが、
これを機に「Zombie」収録の2nd以外…1stは当然として、
当時は批判も多かった3rdや4th以降も注目されるといいな~
特に4枚目の「Bury The Hatchet」はもっと評価されて良いと思う。
最後に改めて、
R.I.P
Dolores O'Riorda
今年1月に急逝したThe Cranberriesの「Dolores O'Riordan」ですが、
「BAD WOLVES」がThe Cranberriesの「Zombie」のカバーを発表した事で、
最近また大きく注目されてるようですし、
個人的に「The Cranberries」に思い入れがあるので、
ちょっと「The Cranberries」と「Dolores O'Riordan」について書いてみようかと。
元々「The Cranberries」は、
聖歌隊出身のDolores O'Riordanの、
天使のような綺麗で美しい声と、
Bjorkに通じる様なエキセントリックさを併せ持つ、
表現力豊かな歌声が乗る、
若者の日常的な事や夢や愛ついての歌詞の、
アイリッシュ要素と牧歌的な雰囲気がある
ポップ/ロックソングバンドで、
初めのヒットソングは↓の「Dreams」という曲です。
Oh, my life is changing everyday
(ああ、私の人生は日々変わり続ける)
In every possible way.
(いくつもの道が開けてる)
And oh, my dreams, it's never quite as it seems
(ああだから、私の夢はぼんやりして見えるのね)
最初と終盤に出てくるの↑歌詞の意味合いが、
途中の歌詞によって意味合いが変わるという曲で、
凄く簡単に言うと
「初めはぼんやりとしか見えてなかった夢が、
あなたに出会って影響を受けて、私の夢はあなたになった」
というで凄くピュアな青春ラブソングで、
1stアルバムも基本的にこういう系統なのもあり
UKの若者中心に多くの支持を得ます。
そして次作でも多くのファンが似たような作風を望む中、
レコード会社の指示でバンドを際立たせる目的で、
当時一大ブームなっていたグランジブームに乗っかって作った、
後に大きく運命を変えるバンドにとって「異質」な曲である、
「Zombie」が発表されます。
Another head hangs lowly
(また違う頭が垂れ下がる)
Child is slowly taken
(ゆっくりと子供が連れられていく)
And the violence caused such silence
(そして暴力が原因の沈黙が生まれる)
Who are we mistaken
(私達を誰と間違えたのだろう)
But you see
(でも分かってる)
it's not me
(それは私じゃない)
It's not my family
(私の家族でもない)
In your head,
(あなたの頭の中で)
in your head they are fighting
(あなたの頭の中で彼等は戦っている)
With their tanks and their bombs
(戦車を使って,爆弾を使って)
And their bombs and their guns
(爆弾を使って,銃を使って)
In your head,
(あなたの頭の中で)
In your head they are cryin'
(あなたの頭の中で彼等は泣き叫んでる)
In your head, in your head
(あなたの頭の中に,あなたの頭の中には)
Zombie, zombie, zombie
(ゾンビ,ゾンビ,ゾンビ)
What's in your head, in your head
(あなたの頭の中に居るのは,頭の中には)
Zombie, zombie, zombie
(ゾンビ,ゾンビ,ゾンビ)
Another mother's breakin'
(また違う母親が傷つき)
Heart is taking over
(心が打ち砕かれていく)
When the violence causes silence
(暴力が沈黙を引き起こす時)
We must be mistaken
(私達は間違っていたに違いない)
It's the same old theme since nineteen-sixteen
(それは1916年(※イースター蜂起)のテーマから同じ)
In your head,
(あなたの頭の中で)
In your head they're still fightin'
(あなたの頭の中で彼等はずっと戦っている)
With their tanks and their bombs
(戦車を使って,爆弾を使って)
And their bombs and their guns
(爆弾を使って,銃を使って)
In your head,In your head,
(あなたの頭の中で,頭の中で)
in your head they are dyin'
(あなたの頭の中で彼等は死んでいく)
北アイルランドの独立問題を取り上げた「反戦曲」で、
無関心を装って戦争や紛争について何も考えない思考停止状態の人を、
「生ける死体」の「ゾンビ」に準えて皮肉ると同時に、
IRAの爆弾で死んだ母娘を嘆いたメッセージ性の強い歌詞に、
ヘヴィでダークながら荘厳で抒情的な曲。
そして1stよりエキセントリックでエモ―ショナルになった、
美しくて奇妙でけたたましい、
神秘性とエキセントリックさが共存している、
個性と存在感溢れるDolores O'Riordanの歌唱。
一度聞いたら耳に残るであろう、
サビの「Zombie, zombie, zombie」の部分は実に印象的ですし、
グランジの本場である北米中心にアメリカでも、
この曲と収録アルバム(2ndアルバム)は大ヒットして
多くのメディアで高評価を受け、
多くの新規ファンを獲得して、
この年の音楽賞ではこの曲や2ndアルバムが多くの賞を獲りました。
元々Dolores O'Riordanは、
子供の時に父親が事故に遭い働けなくなっていたり、
姉の不注意で家が全焼していたりと、
不幸の連鎖が続いており、
生活は厳しかったようですし、
後に地元の年上の人に、
性的な悪戯をされたと告白しているように、
子供時代の思い出を苦々しく思ってるようで、
不幸な出来事や理不尽な出来事に対して、
過去の自分に照らし合わせて、
人一倍感情的になる節が見えますし、
教会の聖歌隊に入ってたのもあるのか、
倫理観や道徳観という物に確固たる信念があり、
かなり勝気というか負けん気も強いです。
「Zombie」ではそういうDoloresの内面と、
IRAの爆弾で死んだ母娘のニュースと、
グランジ全盛でダークな時代背景など、
全てが奇跡的に巧く嵌った訳です。
ただこの曲収録のアルバム聞けば分かりますが、
前述のように「Zombie」は明らかに「異質」な曲であり、
「Zombie」を聞いてファンになった人の中には、
似たような曲が少なくて不満を持った人も多かったようですし、
初期からのファンの中には裏切られた気持ちになった人も居たみたいです。
バンド自体も急にこういう社会的な歌詞の異質な曲が評価された事で、
プレッシャーと戸惑いがあったようで、
Doloresはそれ以降はメディアに煽られては期待に応えようと、
政治的や社会的な発言を繰り返したりと無理を始めます。
そんな中で全てのファンの期待に応えようと、
1st路線の曲を入れたりしつつ、
「Zombie」以上にキツい言い方で、
「強者からの正論」といった感じに
ドラッグの愚かさを歌った「Salvation」に
「ロシアやサラエボでは戦争が続いてるのに、
あなたが考えてる事は下らない事ばかり」という歌詞もある、
私は絶対自殺なんかはしないと歌う、
「Free to decide」などなど、
3枚目のアルバムも社会的な歌詞を多く書いたり、
ヘヴィで冷たい感じのオルタナロック風の曲を増やしたりしたものの、
メディアからは批判をされて、
ファンにも高い評価はを得られないという、
微妙な結果になり、
ハードスケジュールによる過労で、
Doloresは痛めていた膝が悪くなって活動出来なくなり
バンドは休止に追い込まれ、
皮肉にもバンドが一番「救済(Salvation)」が必要になるという…
ただここでゾンビのように思考停止状態になって、
ズルズル解散する事無く、
心機一転して初心に戻ったりもして、
2nd時代を越える評価は得られなかったものの、
ダークな中にも優しさが感じられるような、
牧歌的なポップでロックな曲メインの作品を作り続け、
1stのファンが帰ってきたり、
新規のファンも増やして、
バンドとしては大成功してましたし、
長い休止期間を挟みつつも活動していただけに、
この訃報には凄く驚いたし残念でした。
Dolores O'Riordaの死後に、
追悼の意味を込めて生前から交流があった「BAD WOLVES」が「Zombie」をカバーした事で
「The Cranberries」も再注目されてるようですが、
前記したように「Zombie」は異質な曲なので、
BAD WOLVESきっかけでhe Cranberriesに興味を持って、
似たような曲を求めてアルバム買った聞いたら、
約20年前と同じように「がっかりした」などと言ってる人が居るという、
何とも皮肉であると同時に面白くもある状況なのですが、
これを機に「Zombie」収録の2nd以外…1stは当然として、
当時は批判も多かった3rdや4th以降も注目されるといいな~
特に4枚目の「Bury The Hatchet」はもっと評価されて良いと思う。
最後に改めて、
R.I.P
Dolores O'Riorda