2/12 3日連続面会
ジェンギンスのためなら3連休が潰れたって病院に通います。
わたしは、午前に仕事の受け渡しがあったので、現場から病院に一人で行きました。
途中でおにぎりとチーズ蒸しパンを買い、家から持参したミルクコーヒーを食べさせます。
骸骨になったジェンギンスを何とかして元に戻してあげたいけれど、1日1個のおにぎりと500CCの牛乳で少しは役に立つのでしょうか。
でも明日からはまた面会に行けませんから、病院に預けてあるデカイプリンなどを食べさせてくれることに期待しないといけません。
病棟に入ると、またジェンギンスが居ません。
今日はトイレ誘導してもらっていました。
声を掛けましたが、恐縮して、申し訳ないと言っています。それに
どうしたらいいのか分からないと言って
泣いています。
昔の暴言は影も形もありません。
良いおじいさんになりました。
ソファに一緒に座って、ジェンに話しかけながらしばらくみんなを眺めていました。
ここは認知症の比較的重症の人が集まっている施設ですが、どの人もそれぞれ大変な症状で、まったく家での介護は無理だという人ばかりです。
このように書くと、まるで頭のおかしくなった人ばかりが集まっているように思う人がいるかも知れませんが、認知症のひとは、それぞれ人格を持っています。
プライドもあって、話しもできます。
言葉遣いもみんな敬語です。
いい人ばかりです。
でも、脳みその一部が壊れて
うまく回転しなくなってしまったのです。
暴言も喧嘩も徘徊もなにもかも、脳みそが壊れたせいです。
だから、怒ってはだめです。
怒ってしまうなら、施設に入れてあげたらいいです。
私なんか、あっちこっちで怒られてるから、もう施設に入りたいです。
しばらくして、ジェンギンスにおにぎりを一つ持たせたら、ぺろりと食べました。
コーヒーも美味しいって飲んでくれました。 蒸しパンも、うまいうまいって食べます。
わたしは、そのひと口で豚になれ と
心で願って食べさせます。
でも、うちの家族はいくら一生懸命食べても、ガリガリ君ばかりです。
体質です。
午後3時までに、おにぎり一つ、チーズ蒸しパン一つ、ミルクコーヒー500CCを完食しました。
以前みたいに、私のバッグの中をさがして食べ物を食べたいという動物的な動作が消えました。
おやつをあげるようになって、本当に良かった。
誕生日を聞いたら、言えました。
住所を聞いたら、言えました。住所は私が生まれるまえの古い住所表示で言っていました。
家族はどうも忘れたらしい。
どこに住んでいるか聞いたら、「ここ」だって。
ジェンギンスより軽症のお年よりは、どの人も心配ばかりしています。
家族の心配や家に帰れない心配、御飯を作らなきゃいけないという心配、
みんな、暇そうなわたしに今日も相談に来ました。
みんな、真剣に悩んでいます。
『 警察は何処ですか?わたしはわかんなくナッちゃったので警察に寄って挨拶をしてから帰りたいんです。
さっき、怒鳴っていたのはわたしの弟ですよね? 弟は何の仕事をしてるんですか?』
『怒鳴っていたのは、よそのおじさんですよ、弟さんはチャンと立派にお仕事しています 』
何時間も前に、短気なおじさんが大声で怒鳴ったので、このかたは相当ショックを長い時間受けていました。
家の心配ばかりしているひと、
申し込みをしたいひと
カーディガンを探しているひと
会社の誰かを捜しているひと
おかあさんを探しているひと。。。その人が今日言ってました『お母さんは亡くなりました』って。
来てくれてありがとうと言っているひと
・・・
まいにち同じことを心配しているのです。
そう言えばジェンギンスも
田舎のお父さんの話ばかりしている時期があったし、駅に雑誌を取りに行こうとする時期も相当続いた。
それぞれの症状があるけれど
しかし、同じ様に進行するんだと思った。
ジェンギンスはお腹いっぱい食べて、
トイレもちゃんと行きたいと言って無事済ませ、素直に椅子に座っている。
体にかゆみ止めを塗って、耳掃除は自分で綿棒でしてもらって、靴下を長めのものに取り替えて、
ジェンがウトウト眠くなってきたところで、わたしは今日は早めに帰宅した。
内科的にも安定し、徘徊もなく、激怒もなく、攻撃もなく、落ち着いていました。
無理やり何かをしようとしたら、きっと拒否がつよく、攻撃されるでしょうが、ジェンにとっては、あるていど放任される方が幸せみたいです。
トイレに行きたい時、すぐに気付いて連れていってくれる人がいると安心ですが、それはうまくいきません。
今日も行って良かった。
生きているジェンギンスの為になったと思う。
私が留守しているために、旅行の荷物とかずっとそのまま部屋にあるし・・・
きっと次の旅行までこのままです。
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