1/3 点滴2日目
とんでもない正月休みとなりました。
点滴があるから早く病院へ行かなきゃと思っていましたが、
遅い帰宅に備えて夕飯準備や、洗濯あれやこれや、駅伝を見ていたので
偶然昨日同様の電車に乗って、3時に病院へ到着しました。
他の建物のトイレを借りて、手を良く洗って病棟へ行くと、看護婦さんからすぐに大声で名前を呼ばれました。
ジェンギンスが点滴を抜いてしまって
血だらけになるから、手を紐で結んであるそうで、私が付き添うので外してくれました。
家でのんびりしすぎました。
ジェンは、熱もなく、元気もなく、しょくじもせず、寝返りも打てず、飲み物も与えられず、脳みそが薄くなっていました。
何時死んでもいいという顔つきです。
私も、ジェンギンスの老衰状態には慣れてしまいました。
今日は話しかけても、反応が薄いです。
ベッドに縛り付けられてすっかり衰弱してしまいました。
歌も歌いません。孫の名前も呼びません
話しをしません。 のども渇きません。
持参した暖めたアミノサプリを少し飲ませました。
美味しいと言ってくれましたが、昨日みたいにもっと飲みたいとは言いません。
点滴は昨日と同じアミグランドをしていました。
きっともう一本のはもう終わってしまったのでしょう。
手にはミトンをはめて、腰には安全ベルトでベッドに強く固定されて、服は拘束着でした。 こんなに拘束したら、介護は楽です。
まもなく入院3ヶ月だから、拘束が始まったのかなぁ~
寝たきりの人の介護は楽だって看護婦さんが言ってました。
午後5時半に点滴が終わりそうだったので看護婦さんの所へ行ったら、引き継ぎの時間でした。
夕飯準備で忙しい介護士さんに声を掛けて私は部屋に戻りました。
点滴の間は、ジェンギンスとテレビを見ていました。
今日は携帯の充電コードを持参したので電池切れにはなりません。
演歌をかけていたら、ジェンが
「 この人は歌がうまいね 」と言っています。
爪切りも持参したので、足の爪と足の裏の魚の目を切り取ってあげましたが、調子の良い音楽がかかると、ジェンの足先はリズムを取っていました。
呆けていると思っても、記憶能力が破壊されただけのお年よりなんだから、どんどん話しかけて、音楽を聴かせてあげないといけないです。
私が部屋にいると、たくさんの患者さんがはいってきて話しかけられます。
車椅子の固定器具を外してくれとか、リーダーがいないとか、ずっと座っていて痛くなっちゃったとか。
一度は、看護婦さんが居なくなっちゃったおじさんを探しに来ました。
夕飯の時間に、病室をウロウロしてみたら、みんなロビーに出て御食事中です。
いつもは寝たきりなのに、御食事の時は出て行けることを知りました。
1週間前に入所したおばさんと話しをしました。
何歳ですか?って聞いたら
83才。ああちがうわ、93才よ。」
明らかに93じゃないので、
「絶対93じゃないですよ」って言ったら
大正12年だって教えてくれました。
だったら、83才です。
自分の年齢が言えるんだから、まだまだ脳みそが衰えていない証拠です。
83才には見えないほど若若しいです。
意地悪なおばあさんに、この間
「 ドキなさいよ、私の席なんだから」っていわれたとき、
「 おーこわこわ! 言うこと聞いておけば治まるわ」
ってすごく性格がいい人でした。
呆けても、性格は現れます。ずけずけ言う人。おとなしい人。
平和主義の人。
ジェンギンスはいい人だったな~
今日私は面会時間の許される7時までジェンギンスと一緒に居ました。
平和な時間でした。
落ち着く時間でした。
いつもは、母から「 早く早く早く早く早く早く」って指図されているので、
ジェンギンスとこうやって時間を気にしないでのんびりできるのは
私にとっても幸せです。
ジェンギンスの脳みそもいま、やっと母から解放されて
平和になったことでしょう。
静かな世界がやってきたことでしょう。
明日は、早く行ってあげようと思います。
あすも一人で行きます。
ベッドの隣に私がいつも付き添っていると、ジェンがすごく安心した顔で過ごしてくれるのが良くわかります。
自分の居る場所がわからないので、
何処かで見た安心出来る人がそばにいてくれたら、きっと心休まると思う。
いつも、一緒に居てあげたいものだ。
私が正月休みで良かった
ジェンが今まで通り、立って歩いて御飯を食べてくれることを祈るばかりです。
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