面会謝絶だって

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１月２日にゲリをしたというジェンギンスは点滴治療中です。

今日は絶食点滴３日目で、とにかく入院治療の不可能な認知症患者ですから、少しでもジェンギンスの付き添いをしてあげないといけません。

今日は１時半の点滴開始に合わせて私は家を出る予定でした。

すると、孫のチョコパンが大好きなおじいちゃんを心配して一緒に病院へ行くと言いました。

昨日、死に顔の写メールを送ったので家族はびっくりしたようです。


病院の駅に着きました。

駅のモールにはドトールやパン屋さんやドーナツやさんがいっぱいあって、誘惑が多く、「　ドトールでココアでも飲もうか」などと言いかけたチョコパンを無視して、病院へ急ぎました。

でも、このゆとりが私は好きです

ナースステーションで病棟の中へ入れてもらおうと声を掛けたらば、きょう出勤してきた婦長さんが　「　面会謝絶です。随分悪いので面会はお断りしています　」　って言うからびっくりしました。

「　昨日まで私はずっと付き添っていたのです。　父は点滴を抜いてしまうので付き添っていたんです　、　一目だけでも、会わせてください　」
と、たのんで、少しだけ病室に入れてもらうことにしました。



「　おじい～チャン！！」

と声を掛けて、その後度肝を抜かし！
私は大声でチョコパンに指図して看護婦さんの所へ走りました。

わたしは、そこでナント言ったのかは記憶にないのですが、
点滴の針を探せ！と言ったそうです。

的確で迅速な判断力はまだ使えると思います。

チョコパンは、錯綜した点滴チューブを探って針を見つけ出し、血液と点滴液があふれ出る針をおそるおそる上の方に引っかけたと思われます。


点滴をジェンギンスは引っこ抜いて半身起こして頭がおかしくなっていました。

看護婦さんもたいそうに忙しく当分点滴に来なかったのですがその間、ジェンギンスは行動がたいそうにおかしかったです。

掛け布団をいじくって、カバーを剥いでしまうし、安定剤を飲んだ時の異常行動が明らかに出ていました。

でも、安定剤は与えていないそうです。
落ち着きが無く、挙動が変です。

久しぶりに脳みそが正常じゃありませんでした。


布団カバーは、もう私が剥がしました。布団もよそにどかしました。
いろいろな物をいじくらないように、手を握ったりあれこれ頑張りました。

看護婦さんが３人来て点滴をしてくれました
布団がメチャクチャなので
あらあら、仕事好きね　」と笑ってくれました。
このゆとりが介護には大事です。

と言うわけで、面会謝絶とか言われましたが
私が点滴の最後まで付き添います」と立候補してこの場を押し切りました。
今日の看護婦さんは、家族が居る時は
拘束を外してくれると言って
胴体のベルトと、ミトンを外してくれました。
しかし、挙動がおかしいジェンギンスなので、点滴をいじくって危険です。
だから、ミトンをはめました。
ミトンをしていても、点滴のチューブをいじれるので気が気ではありません。

禁食とはいうものの、アミノサプリの暖めたのを少し呑ませました。
美味しそうに飲んでくれます。
時間をおいて、少しずつ飲ませました。
あめ玉も一つあげたら、すごく喜びました。


すこし口に入れたことによって、
ジェンギンスは落ち着いて正常になりました。
昨日は、死人でしたが、今日はベッドから体を起こすことができてベッドに座りました。

５時間の点滴が続き、チョコパンを途中で帰宅させたため、たいそうに私一人で困ったりしながら夜の６時半に点滴から解放されました。

点滴が終わった途端に、ぐったりして力が抜けたジェンギンスです。

なんででしょうか？


わたしも帰宅時間なので、胴体の固定具を装着してもらったのですが、ジェンは抵抗して、看護婦さんに足蹴りです。

まだまだ、体力の衰えない彼でした。



しかし、まる３日以上飲食していないジェンギンスはお腹が空いて、わたしの携帯電話を食べようとしたり、布団をたべようとしたり、点滴に手をのばして食べようとします。

「　一つください。　パンを一つください。コレはパンですか？　おなかが空きました。　少しでいいからなにか食べさせてくれないかな～　」

わたしは、水筒のイオン飲料を全部あげました。　飴も一つ舐めさせました。
すごく美味しいと言って、浮浪者のように舐めていました。
小さくなった飴を、飲んでしまったらしく
「　ああ、のんじゃったよ、無くなっちゃたよ、　ああ、のんじゃったんだよ　」と
口から無くなったことが、たいそうに悔しそうでした。

ジェンは熱はありません。

ゲリは止まったのか再発したのか解りません。吐き気は合ったのか無いのか解りません。

病棟が混乱しているから解りません。

ゲリも、吐き気もなければ、明日の昼から食事をとれるそうです。
でも、丸３日以上飲まずくわずなら、ゲリも吐き気も止まりそうなもんです。

ゲリが止まるどころか、餓死する勢いです。