炎天下のお散歩
今日は土曜日でゆっくり起床しました。
家族に支配されない生活がどんなに楽か測りしれます。
まず午前11時に近所の特養施設から電話がありました。
ナント!
ジェンギンスの入所が順番が近づいてきていると言うのです。
従って、現在の病院施設にて、病院スタッフとジェンギンスとで面接を行い、それを会議に掛けて検討し入所が決定されるというのです。
特養・・・つまり、永遠に入所できる最後の施設であり、地元の地域限定で有ることから、私の住んでいる渋谷区のひとしか入所できない施設です。
昨年の7月に申請し、300人以上の待機者がいましたが、ジェンギンスは介護認定4で、老老介護であることなどから、入所順位が10番でありました。
でも、男性の空きはなかなか訪れず、
申請順位取消のぎりぎり一月前になり、面接許可が出たのです。
これが幸せかどうかは分かりませんが
家族にとっては
遠かった面会が近くなり、とても好都合です。
拘束に拘束を重ねられた病院で、落ち着いた生活だったけれど、
拘束を外されて、うまくやっていけるんだろうかと思うし、
認知症専門施設でないと、どうなるんだろう?
渋谷区には認知専門施設はありません。
特養が良い施設だといいと、神にお祈りするしかありません。
さて、そんな電話であわただしく、
まずは午前にメリージョンソンの面会です。
母とゆっくり歩いていける病院です。
メリーは、私たちの声を聞いて
興奮します。
私がメリーの部屋に入って落ち着かせました。
水を飲ませて、食べていない餌を手であげました。
見ているうちに、下痢をしました。
いけない症状です。
いろいろ、いろいろ、考えて
数日したら家に戻して幸せにしてあげる決心をしました。
点滴をしているせいで、顔に変なデカイ邪魔な物をつけられているので、喉が渇いてもメリーは水を飲めません。
餌だって、その変なラッパみたいなのが邪魔で餌に顔が届きません。
1時間おきの注射数日が終わったら
家に帰ってきて、幸せにしてあげます。
周りの犬は、重病でぐったりしています。
そして、家族は泣いています。
それなのに、母は
「 おとなしいわね 」って今日も声を掛けてしまいました。
死にそうなんだから、もう困ります。
同じ質問を何度もして、
明らかに、母の脳に変化が現れています。
わたしの思うに、
お喋りなひとは
認知症状が分かりやすい。
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そして、午後は
ジェンギンスの面会に私が一人で行きました。
お部屋で冷たいミルクコーヒーと冷たい巨砲をあげたので、寒くなったと思います。
だから、炎天下ではありましたが、車椅子で外に出ました。
ジェンはとってもよろこんでくれました。
外に出て、すぐに門の外へ散歩に出ました。ジェンは、いろいろ喋っていました。
セミが沢山鳴いています。
トンボも飛んでいましたが、ジェンには見えなかったでしょう。
門の外に出たら
「 ああ~! 」ってなんか感激してくれました。
20分くらい歩いて、暑くなったので
病院の待合室でしばらく過ごしました。
ヨーグルト、チーズ蒸しパン3分の一、
どら焼き3分の一、レモンティ、
もっと、食べたそうで、
私がジェンの体にクリームを塗ったり、
足の裏の堅いところを削ったりしている間、自分の靴でなにか飲む動作をしたり、
靴の中の物を食べようとしていました。
そのうち、トイレに行きたいと立ち上がったので、大急ぎでトイレへ連れて行ったら、知らんぷり。
お部屋に帰ろうとしてエレベーターを待っていたら、トイレだって言うから、急いで連れていったら、知らんぷり。
諦めて、3階のお部屋に戻りました。
久しぶりにテレビの前に座って
詩吟などを聴きました。
ジェンは手拍子しています。
命令するおばちゃんが
「 全員で手拍子をしなさい!!」と怒鳴っていました。
「 聞こえない!!もっと大きくしなさい!! 早く!!」 私に命令するので
結構テレビをデカイ音にしました。
デカイ音にしたら、遠くにいた患者さんもこちらを向いて反応しています。
音はあった方が良いと思います。
ボリュームをいじっていたりしたら、
とおくで、いつも怒っているおじさんが
「 いじってばかりいるんじゃない!!」と怒鳴って私を怒りました。
怒る認知だとは思っても
怒られるのは、良い気持ちじゃありません。
この病院には、あらゆる症状の認知患者さんが居ます。
以前わたしは、父の症状しか知らなかったので、よそのかたはどういう症状なのだろうと、思ったこともありました。
でも、今はベテランの気持ちです。
この限られたスペースには書ききれないほど、毎回いろいろな症状とでくわします。
私が一年間見てきたところ、施設に居て、幸せな人は誰もいません。
この病院は、介護士さんも看護婦さんもボランティアさんもスタッフも、とても多くのかたが介護してくださって、良い施設ですが、
でも、みんな孤独でかわいそう。
この一年間で
あのひともこのひとも
すごい進行だ。
施設のせいじゃなく、こうやって進行していく病気なんだと思った。
でも、進行していない人も居る。
ジェンギンスは
喋れなくなった。
歩けなくなった。
痩せた。
でも、健康な一年だった。
動物病院の面会は
家族で必死でみんな来ている。
毎日きて、泣きながら声を掛けている。
でも、老人病院には、みんな来ない。
動物を必死で可愛がって、面会に毎日訪れた皆さま!
親が施設に入った時もそうやって
毎日必死で面会してあげてください
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