しをり戸

ささやかな庭の山野草と
散歩・旅で出会った草木。 
季語・拙い俳句、
折々の写真などの記録です。

リンドウ ( 竜胆 )

2010-10-31 |  10月 の花たち

                              ↑ 2010/10/25 撮影

2010/11/02 撮影

[ リンドウ科リンドウ属の多年草 ]
 広義には、リンドウ属・ツルリンドウなどの総称です。

本州~九州にかけて、
丘や山地の日当たりの良い草地に自生します。
草丈は、20~100cm。
葉は、柄が無く、披針形で基部がやや丸く、
縁に細かい突起があつてざらつき、対生します。
花期は、9~11月。
茎頂や上部の葉腋に、青紫色、稀に白色の花を1個から数個、
上向きに付けます
釣鐘状で花筒が長く、
先が5裂して裂片の間に副裂片があり、外側に反り返ります。
日が当たると開き、日が翳ると閉じます。
園芸品種の改良が盛んで、
庭植え・鉢物または切花用としての栽培もされます。
根茎を乾燥し、生薬の竜胆(りゅうたん)として、
健胃薬に用います。
葉の形が笹に似ているので笹竜胆(ささりんどう)とも呼ばれ、
源氏の家紋の一つとして知られています。
名は、苦味の強い根を竜の胆(きも)にたとえ、
漢名の竜胆を「りうたむ」と発音し、転化して「りんどう」になったそうです。
別名 ; エヤミグサ(疫病草・瘧草)・ くたに・ササリンドウ(笹竜胆)

* 多くの歳時記に、笹竜胆は竜胆の白花種と記されていますが、
 図鑑などには、竜胆の名称の1つと記されています。

先日、笹竜胆という名札を、園芸店で初めて見たので求めました。
蕾のうちから楽しみにしていた花が咲きました。
やや明るい青紫色でした。
さっそく小さな虫のお客さまが来ました。


2010/10/19 撮影…つぼみ
2010/10/25 撮影
2010/10/25 撮影…アリが来ています

2010/10/27 撮影…新しい蕾が
2010/11/06 撮影


 笹竜胆を求めた時の名札に書かれていた解説文

北海道~九州、東アジアに分布する
チョウセンリンドウの変種。
日当たりの良い草原などに自生している。
草丈15~25cm位で、
9月~11月頃に青紫色の花を咲かせる。
切花や茶花などにも利用できる。多年草。

・風通し、日当たりの良い所で管理する。
・春と秋に遅効性の肥料を与える。
・排水性の良い用土で植えると良い。
・夏期は風通しの良い、半日陰で管理する。
・夏期の直射日光は葉やけの原因になるので注意。



< 日本のリンドウ属 >
リンドウ属はリンドウ科の中の属の一つで、
アフリカを除く全世界に500種ほどあり、
日本には13種ほどが分布しています。
茎は直立し、葉は対生または輪生し、
花は一般に紫色で稀に白色、茎頂や葉腋に付きます。
花冠はふつう5裂し、裂片の間に副片があります。


ー 日本のリンドウ属の主な種 ー

< 一年草と越年草(二年草) >
・フデリンドウ(筆竜胆):越年草
 北海道~九州にかけて、
 山野の日当たりの良いところに自生します。
 高さは6~9cm。
 根生葉は小さく、ロゼット状にならません。
 茎葉は広卵形でやや厚く、
 花期は4月〜5月。 

・コケリンドウ(苔竜胆);越年草
 本州~九州にかけて、
 日当たりの良い草地に自生します。
 草丈は3~10cm。
 茎はよく枝分かれし、
 根生葉はロゼット状になる。
 花期は3~5月。
 萼裂片は平開し、反り返る。
 
・リュウキュウコケリンドウ(琉球苔竜胆);越年草
コケリンドウの変種。
九州(鹿児島県島嶼)海岸の
隆起サンゴ礁の砂れき地に自生する。
 草丈は3~5cm。
 全株無毛。茎は基部で分枝し、
 葉は長楕円形または卵形、長さ5~13㎜、無柄。
 花期は3~4月。
 花は枝端に束生し、花冠は萼筒よりもわずかに長い。
 ・絶滅危惧種・

・ハルリンドウ(春竜胆);越年草
 本州~九州にかけて、
 日当たりの良いやや湿った山野の湿地に群生することが多い。
 根生葉はロゼット状になる。
 花に細長い柄があり、花冠の長さは2.5cm以上で小柄。
 草丈は5~15cm。花期は3~5月。

・タテヤマリンドウ(立山竜胆);越年草
 ハルリンドウの高山型変種。
 北海道、本州中部以北の日本海側に分布し、
 高山や亜高山の湿原や湿り気のある場所に自生する。
 草丈は7~20cm。花期は5~7月。

・ヒナリンドウ(雛竜胆);一年草または越年草
 八ヶ岳の限られた地域だけに自生する。
 花冠は淡青色で、裂片は平開する。
 草丈は3~7cm前後。花期は7~9月。
 ・絶滅危惧種・

・コヒナリンドウ(小雛竜胆);一年草または越年草
 ヒナリンドウの変種。
 本州の日光・南アルプス・白山高地区の
 草地に自生する。
 形はヒナリンドに似ているが、
 丈が低く、根生葉は大型で、茎葉より大きい。
 草丈は5cm前後。花期は6~9月。
 ・絶滅危惧種・

< 多年草 >
・ミヤマリンドウ(深山竜胆)
 北海道~本州の中部以北に分布し、
 小型で高山帯の湿原や湿り気のある場所に自生する。
 草丈は5~10cm。花期は7~9月。

・イイデリンドウ(飯豊竜胆)
 ミヤマリンドウを基本種とする変種。
 福島県・新潟県・山形県にまたがる飯豊山地に特産し、
 やや乾いた岩礫地の小低木群落の中に生育する高山植物。
 花冠がやや大型で、開花時に花冠副片が直立する。
 草丈は5~12cm。花期は7~8月。

・リシリリンドウ(利尻竜胆)
 北海道の利尻山・大雪山系・夕張岳の
 湿った草地や砂礫地に自生する。
 花冠は5裂して裂片は平開、花冠の副片が内側に曲がり、
 花筒を塞ぐ形になる。
 草丈は5~15cm。花期は7~8月。
 
・トウヤクリンドウ(当薬竜胆)
 北海道~本州中部以北の高山帯の砂礫地や草地に自生する。
 花は淡い黄色で花弁には緑色の斑点がある。
 草丈は10~25cm。花期は8~9月上旬。

・ヨコヤマリンドウ(横山竜胆)
 北海道大雪山高山帯の
 乾いた草地に自生する。
 花冠はほとんど開かない。
 草丈は5~10cm。•花期は7~8月。

・アサマリンドウ(浅間竜胆)
 本州南部~九州にかけて、
 山地の林内に自生する。
 リンドウより小型で、葉は柄がなく対生する。
 花の内面に緑色の斑点があり、
 花冠と卵形の萼片も平開する。
 草丈は10~25cm。花期は10~11月。
 
・リンドウ(竜胆)
 リンドウ科リンドウ属の多年生植物の1変種。
上記参照

・エゾリンドウ(蝦夷竜胆)
 ホソバエゾリンドウの変種。
 北海道~本州近畿以北にかけて、
 山地の湿地帯に自生する。
 花冠裂片は開出する。
 比較的大型で花付きがよいため園芸品種として改良され、
切花用に生産されている。
 草丈は30~100cm。花期は9~10月。

・エゾオヤマリンドウ(蝦夷御山竜胆)
 エゾリンドウの変種。
 北海道~東北地方の山地や高山の草原に自生する。
 小型で、花は茎の先端のみにつき、花冠はあまり開かない。
 草丈は10~40cm。開花は7~9月。

・ホロムイリンドウ(幌向竜胆)
 北海道~本州の低地~亜高山帯の湿原に自生する。
 エゾリンドウに似ているが、
 葉の幅が細い線状披針形で、対生する。、
 茎頂と上部の葉腋に青紫色の花を数個ずつ付ける。
 草丈は30~80cm。花期は9~10月。  

・オヤマリンドウ(御山竜胆)
中部地方以北の亜高山帯の湿地や草地に自生する。
 エゾリンドウにやや似ているが花が小さく、
 花弁はわずかに開くのみ。
 草丈は60cm位。花期は8~9月。

・ヤクシマリンドウ(屋久島竜胆)
 屋久島の高所の岩場に自生する。
 細い葉が密に輪生し、
花茎の先端に、
 筒状で鐘形をした青紫色の花を一輪付ける。
 草丈は7~20cm。花期は8月。

・ホソバリンドウ(細葉竜胆)
 本州~九州にかけて、
 山地の草原などの湿原に自生する。
 リンドウに似ているが葉が細い。
 草丈は20~80cm。花期は9~11月。

・ツクシリンドウ(筑紫竜胆)
 葉はふつう線状披針形。

・キリシマリンドウ(霧島竜胆)
 霧島で発見された固有種。
 草丈がやや低く、葉が比較的に細く披針形。
園芸品種の交雑親とすることが多い。
 草丈は10~30cm。花期は8~10月。

・クマガワリンドウ(隈川竜胆)
 葉がやや細く、花の色がやや濃く丸みがある。
 草丈は10~20cm。花期は8~10月。


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