minga日記

minga、東京ミュージックシーンで活動する女サックス吹きの日記

Escualoと腱鞘炎の関係

2013年01月22日 | 音楽&CD
昨年末、ブエノスアイレスですっかりお世話になった高野さんが来東されたのでぺーぱーむーんで飲んだ。そして高野さんは私たちの大好きなアルゼンチンのサラミとグミと・・・CDをお土産に持って来て下さった。

一枚はPipi Piazzolla(ピアソラの孫でアルゼンチンを代表するドラマー)の最新作「Piazzolla plays Piazzolla Escalandrum」でこれはぺーぱーむーんのいっきさんへ。
そしてもう一枚は「Aca Seca Trio / Tipas y Tipos」でこちらはライブ盤だ。

ブエノスアイレスでも高野さんたちの音楽情報を頼りに沢山ライブにも連れて行ってもらったのだけれど、タンゴに魅せられて移住された彼らはもちろんタンゴのライブやショーに沢山私たちを連れて行きたかったそう。なかなか自分たちのライブが多くなってしまって、本場のタンゴを最後の3日間くらいでしか堪能できなかったのが大変悔やまれるのだが、このいただいたCDのAca Seca Trioも次回ブエノスアイレスに行ったときはぜひ聴いてみたい、素晴らしいグループだ。



それにしても、この2枚とも本当にジャケットが素晴らしい。あちらでCDを買おうとすると、800円~1500円くらいなので、どうやって元とってるんだろ???って心配になるくらい凝っているものが多い。可愛いボタンがジャケットについていて、それがひとつづつ色が違うそうな。中に入っているブックレットもお洒落。こういうCDなら、絶対持っていたい!と思う。どうせ私はネットで音源買う気にはなれない古い人間です。何か?

飲みながら、高野さんが「さっちゃんたちのBANDに凄くあいそうなPiazzollaの曲があるんだ。ぜひ演奏してほしいな。」と言われた曲が「Escualo」。それ以来、ずっと気になっていたのだけれど、年末から音取りをし、アレンジをなんとか完成させた。よく見れば、Pipiのバンドでもこの曲を演奏している。さっそくぺーぱーむーんからお借りして聴いたら、これがもの凄い演奏。彼らのバンドってmingaととても似ているところがあるので、どのPiazzollaの曲もやってみたくなってしまった。本当にPiazzollaは奥が深いなあ。

Escualoのアレンジはできたが・・・それからが大変。譜面作って練習の日々。それでもこの大曲を暗譜するのは一苦労。お正月もずっとスタジオにこもって練習し、ようやく暗譜できたぞ!と思ったのが一昨日。

その翌日、左指の薬指が腫れてきて異常なまでの激痛が夜からどんどんひどくなってきた。左手が何かにあたっても痛い。ベッドに横になっても激痛で眠るどころではない。そんなこんなで朝まで眠れない状態でようやく痛みが和らいで来たのが朝。

一本だけ腫れ上がるという症状は1年に1度くらい起こる。原因は極端にクラシックのエチュードを練習した時にでるのだが、今回は間違いなく、Escualoのせいだ!覚えるのにぶっとおしでこの曲ばかり練習していたらこうなった。



前回は2011年の11月に大騒ぎしてステロイド注射打ってもらってライブに行った/というブログを書いた、池袋名物整骨院の小坂先生のところへ行くと、小坂さんは私の顔を見て「あ、ミンガだ。」
さち「どうしてそれを?」
小坂「だって、HP見たから。」
さち「ああ、どうもありがとうございます。」というと小坂さんはカルテに「ミンガ」と書いていた・・・汗。
さっそく指を見せると・・・
小坂「えええ?なんでこんな事になるの?腱鞘炎じゃないなあ。」
さち「え?じゃ、なんなんですか?」
小坂「さあ・・・。こんなにパンパンに腫れちゃって・・・見た事ないなあ!めずらしいよ。うん。本当に不思議だ!」
さち「先生、じゃあ学会で発表してくださいよ。」
小坂「う~~ん、ただ、めずらしいってだけじゃだめだ。」


結局、原因は不明という事で(自分ではあれしかないと思っているけど)、薬指をなでなでされたり(昨日のあの激痛の時にやられたら失神していただろう)、背中さすったり、鎖骨をぎゅうううっと押されたり、「君は若いのに猫背だなあ!!!」と叱られつつ、驚きの治療を施してくれた。でも本当の目的は鍼なんですが・・・。

「先生、いつもの置き鍼を!」と懇願してやっと鍼を3カ所やってもらって帰って来た。ふう。これで明日から練習再開できそうだ。

という事で、あさって25日は「池袋あうるすぽっと」でminga5が出演いたします。もちろん、Escualoをやります!!

ほかにも南米ツアーをヤヒロ、ウーゴと行った松田美緒ちゃんも出演するので超楽しみ。3つのバンドがきけて1000円は格安すぎますね。この機会にぜひお越し下さい。

カンドンベ/ウルグアイの音楽

2012年07月31日 | 音楽&CD
昨日は夜から熱がでてヘロヘロになった。あれ?暑いのに汗が出ないっておかしいな~と思っていたのだが・・・。
ほとんど家ではクーラーなしで裸族のような格好で過ごしているため、そのままスーパーへ買い物に行くと生鮮食品売り場のあまりの寒さにゾクゾクっとし、5分もいられないのだ。ここで夏風邪をひいてしまったようだ・・・とほほ。

そんな中、偶然見つけたウーゴ・ファトルーソpの音楽ビデオ。ブエノスでも彼のコンサートがあったので聴きに行く事ができたが、ウルグアイ出身の天才ピアニストはこんなグループもやっていたのだ!

カンドンベというリズムはもともとウルグアイのもの。それが隣国アルゼンチンにも伝わって、タンゴになって行った歴史がある。

アルゼンチンで有名な「ラ・クンパルシータ」という曲も実はウルグアイ人が作曲したものが大ヒットにつながったそうな。小さな国なのでアルゼンチンとブラジルに挟まれてほとんど知られていない国だが、実は音楽の原点ともいうべき興味深い国だった。

ブラジル,アルゼンチンに大きな影響を与えていたウルグアイの音楽。ぜひ堪能してください。きっと元気がもらえます!




そして、明日から永田利樹はフェローン・アクラフdrとツアーです。猛暑に台風ドラマーがやってくる!!!という事で各地のみなさま、宜しくお願いいたしま~す。詳細は永田利樹HPで。

春はそこまで!CDもあと少し!

2012年04月04日 | 音楽&CD
昨夜は東京ももの凄い嵐でしたが、風の音に負けないくらいでかい音でサックス吹きまくっていたのであんまり怖く無かったな。家にいても一番怖いのはガタガタと揺れる風の音なのだ・・・。

さて、そんな嵐の中、ようやくジャケットが完成しましたああああ!!KLEPTMANIACの渾身の作品。いつも素晴らしい絵を書いてくれて本当に感謝。Kちゃんのシリーズはこれで3枚目ですが、どれも素敵ですね。(興味ある方はStir Up!のHP/NBAGI Recordで)

今回は「元気がでるような楽しい作品にしてね。」ってなんとも抽象的で困らせてしまいましたが、ちょうど「La Maravilla」を録音しているときにスタジオ見学に来てくれていたので・・・いやはや、これぞ、Maravilla!!

5/12に全国発売ですが、それまで待てない、というあなた!ぜひ4/29(日)下北沢 音倉 へお越し下さいませ!このメンバーでのライブが聴けるのはこの一回のみですぞ。超お薦め!!

前売チケットの予約も受け付けております(お店&スターラップクラブ事務局)。直接こちらにお申し込み下さった方には「La Maravilla」の譜面を進呈いたします。(226でCDの先行予約して下さった方ももちろん、譜面を差し上げますのでご心配なく。) 

受付メール は minga226@gmail.com です。ご予約メールお待ちしておりま~す!人数、お名前、連絡先と「譜面希望」とお書きくださいませ。折り返し連絡させていただきます。もちろん、ご予約のみも受け付けてます。

さあ、29日に下北沢でいち早く、このCDをゲットしてください。お待ちしておりま~~~す。

4/29(日)下北沢 Com.Cafe音倉

東京都世田谷区北沢2丁目26-23 EL・NIU B1F
03-6751-1311
前売 3000円(電話予約受付あり)
当日3500円 開場18:30 開演19:00
出演:minga 早坂紗知sax、高橋香織vln、Rio bs、吉田桂一p
永田利樹b、コスマス・カピッツァper、大儀見元per











お待たせしました!「La Maravilla」

2012年03月11日 | 音楽&CD


今日は忘れもしない、大震災から1年目ということで沢山の方々が様々な場所で黙祷を捧げていた。テレビをつけてもTwitterでも・・・。あの日以来、世界が変わった・・・。振り返るだけではなく、これからどうやってこの後始末をつけていけばよいのか。深く深く考えさせられる一日だった。

Pit innでも沢田譲治さん率いるNo Nukes Jazz Orch。どんな事になるのか・・・素晴らしいメンバーだったのでRioと出かけて行った。竹内直さんの摩訶不思議変態サックス(これは超褒め言葉)も目の当たりにしたRioは感動していたようだ。

1セット目はストリングスカルテットを交えて現代音楽風の曲ばかり。丁々発止と渡り合うようなジャズのプレイは見られなかった。Pit innで演奏するよりもどちらかと言えば草月ホールとかで聴きたい感じだったけど、ほぼ満員のお客様が真剣に聴いていた。原発反対を音楽で表現するという意気込みのよう。とにかく懐かしい人たちと会えたし、こちらもやる気がでてきた。沢山のエネルギーを頂いた。感謝。

ということで、今日は特別な日でもあるのでがんばって新譜「La Maravilla」からちょっとだけお披露目です。このCDも「生きててよかった~!」って元気になるような作品です。ぜひぜひ発売(5/12)をお楽しみに!!

このCDを聴いて座っていられるのは大仏だけだ!!!!!by田中啓文

La Maravilla (N011) 3000円 (税抜き価格)
配給元 Bomba Record
4/29 (日)CD発売記念Live @ 下北沢 Com.Cafe.音倉
出演:minga/早坂紗知、高橋香織vln、Rio bsax、永田利樹b、コスマス・カピッツァper、大儀見元per




ホルストとエンヤレコードデビューの話

2012年03月03日 | 音楽&CD
226の朝、ホルスト・ウェーバーの訃報が入った。昨年末より体調不良で調べたところ、肝臓がんが大きくなりすぎていて医者の手の施し様がなかったらしい・・・。私はDUGの中平さんからの留守番電話で知ったのだった。

ホルストと言えば、エンヤレコードの社長。山下洋輔さんを世界に知らしめた凄腕プロデューサーでもある。昨日頂いた洋輔氏の本にも出て来て初めてわかったけれど、もともと中平さんの紹介だったようだ。日本に来ていた彼は洋服のデザイナー。洋輔氏のライブを見て気に入って意気投合したそうな。そのあたりは洋輔さんの本をお読み下さい。

私が初めてドイツのギターリスト/ハンス・ライヒエルに喚ばれてヨーロッパツアーを行う事になったとき、真っ先に相談したのが山下洋輔さん。「さっちゃん、ドイツに行くならぜひホルストに会いなさい。」とその場でささっと英文でホルスト宛の手紙をしたためて下さった。今のようにメールなんてラクチンなものがない時代。

日本でお会いしたのが初めてだったのかドイツでお会いしたのが初めてだったか、今となってはそのあたり、記憶が定かではないのだが、一つだけ鮮明に記憶している事がある。

高瀬アキトリオの打ち上げを新宿のちりんぼうで行い、師匠の土岐英史とホルストを囲んでワイワイ飲んだ。外は雪がちらほら・・・。さあ、帰ろうと私は車に乗ろうとした瞬間、エンジンがかからない・・・汗。

その頃乗っていたのは「スバル360cc」というちっこい軽自動車で、これがよくバッテリーがあがる車だった。「押しがけのさっちゃん」と言われるほど、いつも誰かに助けてもらってやっとこ走る車だった。雪の日、雨の日は特にエンジンがかかりにくく、坂道を利用して自分でドアを押しながら転がり出すと飛び乗って・・・なんて一人坂道発進という芸当までできるくらいになっていた。

その時は師匠を送る、というので師匠、ホルストが別れの挨拶をしつつ,,,,あ、またバッテリーあがってる、と言うとしぶしぶ、体の大きなホルストが後ろから押してくれて、なんとかエンジンがかかったのだった。ホルスト、ありがと~!そんな懐かしい思い出。

西ドイツツアーの際「Ost West Jazz Festival」という街ぐるみのお祭りがあり、世界中のミュージシャンたちが集まるイベントに喚んで頂いた。その1年前にバンド偵察にやってきたホルストとオーガナイザーのドイツ人2人。とにかく大きな体で、一緒にぺーぱーむーんへ連れて行ったら、店にある全てのビールを空にしてしまった、という逸話も残している。どんだけ飲むねん!!

「Ost West Jazz Festival」は4年に1度の大きなJazz祭で、この時ホテルにはマクラフリン、ナナバスコンセロス,,,,etc....蒼々たるメンバーが介し、興奮したのを覚えている。私はその中でもニュールンベルグのマイスタージンガーホールのメイン会場で演奏する機会をいただいた。マイスタージンガーホールの中には会場が3つあって、同時に3カ所でコンサートが行われる。会場にいるお客様はどこに行ってもいいので、1,2曲聴いて面白くなければ、他の会場にささっと移動する事ができる。ミュージシャンにとってはこわ~~~いシステム。

幸い私たちStir Up!には1000人ほどのお客様が超満員。となりの小ホールで行われていた「ナナ&ティリロック」のパーカッションDUOのほうに行かずに留まって聴いてくださり、ホルストが日本から私が持って来たCDを100枚会場で販売してくれていたのだが、演奏直後に100枚はあっという間に完売。これによってホルストは「お前のCDをエンヤから出すぞ!」と約束してくれたのだった。

翌年、約束通り、山下さんと私の226のライブ音源をCDにしてエンヤから世界発売となった。このときジャケットは「フジヤマとゲイシャはどうか?」と冗談なのか本気なのかわからないが言われて慌ててお断りしたのを思い出す。とりあえず私の顔写真でいこう、とホルストが言ってくれたのでほっとした。裏面は中平さんがOstWestの時、楽屋で撮った写真も入っている。



このCD、私の手元にいつのまにかなくなっていたので、何年か前に中古をネットで見つけて買い戻した。すると、こともあろうに私のサインが・・・・汗。おいおい、サイン入りを売り飛ばすなよ~~~(怒)!!

このあともミュンヘンでホルスト主催のコンサートがあって、用意してくれた宿がタコ部屋状態。我がバンドメンバーのYとKが相部屋になって・・・険悪なムードになりそうになった事があった。しかもCDを持ってくるのを忘れて、ドイツ人に「CD欲しいけどないの?」と言われホルストを見ると・・・横を向いてしらんぷり。お前、それでもCD会社の社長なのか~~~!と突っ込んだり。(もう当時はエンヤレコードを娘に任せてしまい、自分は大好きな釣りをするだけの好々爺のようになっていた)

一度だけ、ホルストのお宅に泊まらせてもらった事がある。ツアーも終わって、私たちはNYへ移動する、その前に3日オフがあったのでイタリア、ベニスに遊びに行く計画の途中で立ち寄らせていただいた。上の写真はそのときのもの。ホルストも私も若かった・・・。

ホルストは夜中にもかかわらず私たちを迎え入れ、白米を炊いてくれ、大根サラダを作ってくれた。「中平さんから教えてもらったんだよ。」って・・・。ベッドも畳でできている日本風のベッドに私たちを寝かせてくれたっけ。本当に優しい人だった・・・。

天国からどうか見守っていてくださいね・・・合掌。

アナログ万歳!

2012年02月08日 | 音楽&CD
やっぱり、このスタジオの音は素晴らしい!!!エンジニア近藤さんの腕の見せ所、トラックダウンの日がやってきた。

取り残していた息子と私の2サックスイントロバージョンをまずは録音。2回とって、はい、OK...ってあっという間に終了。はやっ。

いよいよトラックダウン。一曲ごとにいろいろと編成も違うのでエンジニアにとっては大変なのでしょう、最初の曲は「La Maravilla」だったが、3時間くらい下処理にかかった。パーカッションがバリバリのラテン。何度も何度も繰り返し聴こえてくる演奏で、普通は嫌になってしまうのだが、あまりにご機嫌でノリノリ。ずっとスタジオの横で踊っていた私。

でも本物のラテン音楽を録音したのは初めてなので、パーカッションの配置など私たちには全く解らないまま、コンガがもう少しほしい、とかシンバルは少し下げよう、元ちゃんのティンバレスをもっと聴きたいとか好き勝手に注文。完成したあとでコスマスがやってきたので、恐る恐る聴いてもらったら・・・

「素晴らしいんじゃない。完璧だよ!こんなに良い音、日本のCDではなかなかないんだよね。バランスもばっちり。昔の本物のサルサバンドの音みたいだな。」

大満足だったのでよかった~~。と言ってもバリバリラテンの曲はこの曲のみ。あとはかなりジャージーな演奏が殆ど。3曲しあがった。そして今日は残りの4曲だ。




自画自賛で申し訳ないですが、どの曲も良い出来なので、CDに並べる順番に苦労しそう。いやはや、完成まであとわずか。楽しみで仕方ない。

発売は5/12に決定!226コンサートで先行予約いたします。先行予約の方限定で「La Maravilla」譜面を進呈。

4/29(日)minga「La Maravilla」CD発売記念@下北沢音倉




オランダサックス界のパガニーニ来日!(長文注意)

2011年10月28日 | 音楽&CD
オランダの天才サックス奏者が来日。みんな、オランダ人だと「キャンディ●ルファー」だと思っているけど、ブブブ~~~。残念でした、Raaf Hekkemaで~す。私にとってはオーネットコールマンにお会いした時くらいの興奮度なんですが。とりあえず、お聴きください。サックス界のパガニーニです。





このCDを南アフリカの生徒のAnthonyから貰った時には本当に驚愕した。こんな事ができるのか?サックスで????何この音は?何だこのテクニックは???しかも彼が作ったパガニーニFor Saxの譜面もあるらしい???恐るべし Raaf Hekkema。

すぐにAnthonyはオランダに住む彼の元にメールを送り、まだ手動で作成していたパガニーニの楽譜集も私の誕生日にプレゼントしてくれたのだった。なんて良い生徒に恵まれているんだろう。

しかし楽譜集を見て愕然。だって、サックスの譜面なのに無限に高い音が書いてあるし、3度のハモリが書いてある・・・。もう一度CDと聴き較べると、譜面通りに吹いているのだ。ひええええ。これはもう人間業ではない。

それからRaaf Hekkemaの譜面とにらめっこして何ヶ月か格闘したが・・・やはり私にゃ、到底無理。1ページ目でギブアップ・・・(汗)。Mr. Hekkemaはサックスの神様か?とひたすら尊敬。以前、興奮してこのブログでも紹介したのでご存知の方もいるかも。そんな彼が自分の木管5重奏団のツアーで来日するという情報をAnthonyが南アフリカからメールで教えてくれたのだった。

おおお、それはぜひコンサートに行きたいな~、とスケジュールを調べていたらなんとFace Bookにいるではないの。さっそくメールを出したところ「僕もあなたの音楽を聴きました。ぜひ日本に行ったら私たちのコンサートにいらしてくださいね。招待しますから。」と紳士っぷり満載のお返事を頂き有頂天になった。だって、あのMr.パガニーニだぜ!神様に近いサックス奏者だ。ところが、予定を聞いてみるとなんと私のPit inn 2daysのある日ではないか!!あああああああ(涙)。またyoutube観て我慢するしかないのか。

そんなこんなで「今回は自分のギグと重なっていて行かれないのですが、もし何か東京で困った事があれば連絡ください。」と返信して、すっかり忘れていたのだ。すると昨日、銀座の仕事に行く途中で一通のメールが・・・。

「明日日本に到着したらランチでも一緒にどうですか?」

うぉ~~~、あのHekkemaからじゃん?!あまりに突然すぎるよ~と思いながらもスケジュールをチェックしてみると、一応仕事はない。これは神様が「サックスの神様に会いに行くべし」と言ってるのだな、と確信し『私、英語超下手ですけど・・・』と今更のように言い訳しつつ、品川駅で待ち合わせする事になった。

朝7時に起床。息子の朝食とお弁当を作って、そのまま彼の譜面を取り出して朝からもう一度彼のパガニーニ作品集を全曲聴きながら、会ったらあれを聞いてみよう、あそこも教えてもらいたい、などと山のように質問が溢れて来てドキドキウキウキソワソワ・・・・。

しかし、慣れない(というか殆ど行った事のない)品川駅。ランチってどこに行けばいいんだろ?好き嫌いはあるのだろうか?Twitterで聞いてみたり、ネットで探したりして、結局駅から近い「お好み焼き屋」に連れて行く事にした。

港南口で待ち合わせをしたのだが、Raafのほかにメンバーも一緒らしい。オランダ人は背が高いしすぐにわかった。ハ~イ!と手を振ってご挨拶。ひええ、大男たちが5人もいるよ。ただでさえ顔覚えが悪いのに、名前なんか覚えられない。Hekkemaさんだけでも緊張するのに・・・などと思いながら、大男たちを従えてすたすたと歩き出した。

本当は待ち合わせた場所からすぐの場所だったのにもかかわらず、舞い上がって反対方向の出口まで・・・「あ、ごめん、またさっきの出口に戻ります。」とせっかく降りたエスカレーターをもう一度上がり、Uターン。ひょえ~、私なにやってんだか。「池袋なら得意なんですけどね~」などとひたすら謝りつつ、頼りないサザエガイドはようやくお好み焼き屋にたどり着いた。その間、お店に2回も電話したが。

「あ、さきほどお電話下さった方ですね。」とお店の人にいきなり言われてしまった(汗)。予約はとれない店だったから店の前のベンチで待たされる。この間に渡されたメニューをHekkemaさんに説明するのが大変。小麦粉と、キャベツと、豚と~、ホットケーキみたいな~~~、などとモゴモゴしていてふと横のメンバーを見たら、しっかり英語のメニュー持ってるじゃん。早く言ってよ~~~(泣)。

とりあえず、時差ぼけオランダ軍団は腹ぺこだったようで、「おいしい!美味しい!」と初めての味を喜んでくれた。でもよくよく聞いたらあさっては大阪でコンサートがあるようなので、わざわざ東京で大阪名物お好み焼きに連れて行くこともなかったのかも・・・。ま、いいか。

食事中に彼のパガニーニ譜面集をカバンから取り出す。メンバーもびっくり。
「これって、まだきちんと販売されてないときのじゃん。どうやってゲットしたの~?」

よくよく聞いたら、現在は正規の出版社から発売されているらしいが、私の持っている本は一冊づつHekkemaさんが手作業でコピーしたものだそうな。Anthony、本当にありがとう。一生の宝物にするからね!!


貴重なパガニーニ楽譜集(お宝)にサインをゲット!


「大事にしたほうがいいよ。凄く貴重で後で価値がでるからね。」とバスクラ奏者が私にウインク。その本にサインをしてもらい、お好み焼きのソースがつかないようにさっとしまったが、すでにボールペンで間違えて書き込みしちゃってた・・・(汗)。

「昔、この1曲だけコピーしてブランフォード(マルサリス)にあげた事があるんだ。でも、しばらくしてメールが来て「俺には無理だ」って。」

やっぱね~、ブランフォードですらあきらめちゃったのね。私に演奏できる訳ないのだ。でも練習した事は無駄だとは思っていませんけど(きっぱり)。








とにかく、Hekkemaさんは思った以上に優しい紳士だった。

「大学とかで教えているんですか?」
「いや、僕は一度も生徒をとった事がないんだよ。教えるのは苦手でね。」

いやはや、こんな私が生徒を持っていていいのだろうか?と恥ずかしくなるくらい謙虚で真面目そうな人。

メンバーの人たちも日本の今回の震災の事についてもいろいろと心配してくれていたようで、東京はどうだったの?と聞かれたけれど、微妙な問題を語るほどの英語力がないから、自分の言いたい事がきちんと伝わったかどうだか・・・。こんな時、フェローンとだったら心で通じてしまうのだけど、初対面だし、オランダ人の英語って聞き取りにくいし...汗。しかし、Hekkemaさんの英語はフェローンの英語くらい聞き取り易かったな。あちこち世界中を旅している人ほどゆっくりと伝わるように英語を話してくれる。

しかも最後に「Sachiの分は僕がご馳走するよ。」ええ???神様におごって頂いていいのでしょうか?と一瞬ためらったけどすぐに「御馳走さまでした~~~!(ちゃっかり)。」


今朝の9時に成田に到着して、ホテルに着いてぐったりの2人がここでリタイア。あとの3人はJet Ragを直すためにも寝ないで観光しよう、と頑張る気マンマン。「じゃ、浅草にでも行ってみますか。」と私が提案して浅草観光に。私だって浅草なんて殆ど行ったことないんだけど・・・(汗)。

浅草にたどりつくまでに、再び品川駅で沢山のドジっぷりを披露しつつ、サザエ観光は品川駅をようやく出発。Hekkemaさんは3度目の来日だそうで、浅草も私より詳しいんじゃない?という感じだったけど、Suikaカードの買い方も初めて知ったし(って、私が)、浅草はJRじゃなくて京浜急行というので直接行けるのも解ったぞ。しかしまあ、頼りないガイドでつくづくHekkemaさんたちが気の毒。とほほ。

「あなたも浅草によく来るんですか?」
「いいえ、東京に住んでいる人たちはそれほど来ないです。お正月だけ来る人が多いかしら。」
「じゃ、あなたも今年のお正月に来たんですか?」
「いいえ、私は10年くらい前のお正月に。」
「ではこんなに沢山の人たちはどこから?」
「おそらく中国、韓国、そして東京以外の日本人が多いのではないでしょうか?」

仲店で「日本語、中国語」の放送が流れていたのでびっくりしつつ、ろくでもない解説だな、と自分にあきれつつもつたない英語で必死に説明しついに浅草寺にたどり着いた。これってお決まりコースでしょ?人力車に乗っちゃえばよかったのかなあ。

「ここで気になるところに煙をかけるんですよ。」というとすぐさま髪の毛に全員が煙を・・・(苦笑)。






仲店をひやかしつつ、お参りをし、最後は甘味処へ。白玉あずき、ところてん、くずもちの3種をオーダーし、ただのお茶をガブガブと飲む。甘くないところてんが一番気に入ったようだった。

Hekkemaさんにも12歳と9歳の息子さんがいて、ギターとドラムをやり出したそうな。自分のトリオでギター,ドラムというグループもあるのだが、いずれは息子たちとメンバーが入れ替わるだろう、とバンドメンバーがドキドキしているらしい。「家族で演奏できるっていいよね!」と意気投合。さらに「僕は1/4インドネシア人の血が流れているんだよ。」と教えてくれた。お母様がインドネシア人のハーフだそうな。だからアジアが大好きなんだそうです。知らなかった~。

帰りの浅草線乗り場もウロウロと迷いながらようやくたどり着き、「あとはわかるから、じゃ、来週ね!」とお別れした。ふ~~~~、私も時差ぼけじゃないけどぐったり。そのせいで今度は自分の電車の乗り場を間違えたり、降りる駅を過ごしてまた戻ったり・・・・ほとほと自分が嫌になったけど、神様に会えたから、全て良しとしよう。

来週のピットインに神様たちご一行はオフだから聴きに来て下さるそうです。いやはや、なんとも・・・・嬉しいやら緊張するやら。


Raaf Hekkema率いる木管五重奏団 [Calefax] Japan tour スケジュールはここで。

お口直しにもう一発!



明日はお昼から下北沢の音倉でトーク&ミュージックのイベントです。ミュージシャンたちもトークに参加するのかな?まったく内容を把握していないので恐縮ですが、何が起こるかわからないのがなんだか面白そうですねw。ぜひ遊びにいらしてください。4時からで~す。














芸術の秋、音楽を聴きまくろう。

2011年09月27日 | 音楽&CD
度重なる訃報。もうこれ以上落ち込んでいられない。いつ自分が倒れても悔いのないように生きたい。まだまだやりたい事が一杯あるから、それをひとつづつクリアしていくしかない・・・。

それにしても、悲しい時、くじけそうになった時、一番力になってくれるのは「音楽」。つらい時に癒してくれるものは「音楽」だ。という事でいろいろなCDをがんがん聴いたりしている。レイ・チャールズのアルトサックスにも驚いたけど、

「こんなエリックドルフィーもあるんだね、知っていた?」

とトシキがyoutubeで発見したJohn Lewis&Eric Dolphy 「April in Paris」。

殆どビーバップフレーズでサックスを吹いている。しかもめちゃめちゃ上手い。アウトしそうでアウトしない。普段のドルフィーとは少し趣きが違うのだが、あの太い音は完全にドルフィーだ。1965年。

「ドルフィーは暇さえあれば練習していたよ。キミトチガッテネ(笑)!」

あの、マル・ウォルドロンの言葉を思い出す・・・。むむむ。練習せねば。芸術の秋!




ドルフィーの演奏は4:30あたりから。


吹奏楽にエールを!

2010年11月04日 | 音楽&CD
いつからこんなに吹奏楽の人気が高まったのだろう?昨日の所ジョージさんのTV番組を家人が録画しておいてくれたので朝観ていて、自分の青春時代をついつい思い出し・・・。

中学2年の時に演劇部に所属したが、才能のないことを痛感した私。「な~んだ、楽器を持っていなくても入部できるのか!」と以前からピアノ以外の楽器に憧れていた私は吹奏楽部に編入。コンクールやマーチングバンドとして頑張っている仲間たちと合流した。

「サックスなら空きがあるから」と言われて緑錆のでた小汚いアルトを渡された。本当はフルート(演奏する姿がみんな可愛く見えた!)に憧れていたのだが、すでに定員オーバー。でも新しい楽器が嬉しくて・・・楽器ならなんでもよかったのだ。こうして1週間後には臭くて汚いアルトから自分の楽器(シルバーの柳沢のソプラノ)を貯金をはたいて購入し、その後いろいろとあって・・・今に至る。


しかし、当時は友人に
「サチ、何の楽器やっているの?」
「サックスだよ。」
「え?なにそれ?ああ、ラッパね。」

という悲しい知名度。ところが今やサックスは吹奏楽の中でも人気楽器になっている。スイングガールズやチェッカーズのおかげか?


高校でも楽器を持っている事が知られていて、落語研究部に入部しようかと思っていたら強引にブラバンに勧誘され・・・今に至る。

この高校のブラバンは人数も少なく、2年になって突然頼部長にならされてしまったので、部長という特権を生かし「いっそジャズのビックバンドにしようよ!」と盛り上がったのだが、メンバーを見回すと部員がホルンとチューバとクラリネット・・・(汗)。あまりジャズバンドに向かない楽器ばかりが残っていたので断念。その時に初めて「吹奏楽コンクールにも参加しようよ」と言う事になり一番少人数で出場できるCクラスに出てみごとに金賞を受賞。とはいえ、Cクラスは4校しか出場しておらず、しかもそのうち1校は棄権だった・・・。その時の先輩が卒業後も熱心に指導にあたり、今や毎年全国大会1位に輝くという有名都立高になったのでびっくり。


やはり指導者の力は大きいと思う。指導者って、音楽だけが有能でも駄目で人間的に魅力がなくては生徒がついてこない。昨日のテレビに写った指導の先生たちはみんな魅力的だった。「この先生に出会えて本当にラッキーでした。」なんて生徒たちが答えていたけど、一緒に泣いたり笑ったり怒ったり、人間的に素敵な出会いがあったから3年間頑張れたんだろう。本当に幸運な事だ。

私も高校には指導者がいなかったけど、中学の吹奏楽の顧問がとても熱心で素敵な先生だったから楽しく練習に励む事ができたのだと思う。もちろん、仲間にも恵まれて競い合ったり、コンクールで一喜一憂したり。ああ、楽しかったな。天国のA先生には本当に感謝。

現在私のまわりのプロミュージシャン(管楽器)はほとんどがブラスバンド出身者。ベーシストは何故か体育会系が多いけどw。ピアニストの新澤君もホルンだったし、中島徹ちゃんはトロンボーンだし・・・。こんなに人気になった今、どんどんとミュージシャンの卵も出て来て才能を開花させていると思うと・・・本当に音楽の力って凄いな。

吹奏楽の旅はまだまだ始まったばかり。音楽と出会った事は一生の宝物。継続は力なり。がんばれ!ブラバン少年少女たち。






西アフリカのサバールパーティ事情

2010年06月08日 | 音楽&CD
サバールってセネガルの太鼓の総称だけど、本当はサバールダンスの事らしい。確かにサバールという太鼓はなくて、一つ一つ大きさの違いで名前が分かれている。ンデール、ブンブン、リーダーだけが使うゴロンババスなど主に6種類。

おそらくセネガルが発祥なのだろうが、毎週週末とか結婚式、誕生日などには『サバールパーティ』というものが開かれ、プロの演奏家やダンサーたちが喚ばれる。たいていは、主催者がお金を支払い、自分の家の庭や家の前の道路などで開催され、それを近所の人たちも一緒になって楽しむのだ。


ギニアに魅せられ、行ったり来たりしているメタルギニーの高木君とダンサーの美香ちゃん。前回来た時もギニアに半年行って帰ったばかりだったが、今回も3ヶ月またギニアに行っていたそうで、ギニアで作らせているという素敵なお土産持参で遊びに来てくれた。


ダンサーの美香ちゃんは初めてギニアに行ったときに、本当は太鼓を習いたかったらしいが「女はだめ。ダンスを踊れるようにしなさい。」と言われ、しぶしぶダンスレッスンを受けた。ギニアと言えば「ドゥンドゥンバ」。ここからドゥンドゥンバに魅せられ、本場の先生たちに習い、今では彼女自身がドゥンドゥンバのクラスを持って全国あちこち飛び回る忙しさだ。(彼女たちとは3年前にMAUで韓国へ行ったので、その演奏の一部が見られます。)


「今回は『サバールダンス』を習って来たんです。ギニアでサバール?って思って今まで習わなかったんだけど、ギニアのサバールパーティってもの凄く楽しくて、ギニア人も大好きなんです。あちらの金持ちが結婚とかのパーティをやるときはたいてい5日くらいぶっ通しでパーティを開き、プロの演奏家たちに来てもらうんですが、そのときに、1日目はドゥンドゥンバパーティ、2日目はサバールパーティ、3日目はドゥンドゥンバ・・・っていうように交互にやるんです。だからそれができないとプロとしていろいろなところに喚ばれないので、とっても重要なダンスなんです。」

彼らはサバールパーティを撮影するために、お金を払ってパーティを主催した。広場に三々五々集まって来た普段着の人々。ミュージシャンもTシャツにGパンなど、様々だ。そこにはサバールを叩く人は一人もいない。ジェンベ、ドゥンドゥンといったギニアの伝統的な太鼓ばかり。しかし、その上でエレキギターでカッティングをするお兄ちゃんもいる。これがなかなかポップな感じで楽しい。ダンスもセネガル人たちがよく踊っている、縦方向にのびる感じの踊りだ。踊りたくてうずうずしている女性ダンサーたちを、マイクを持って歌う(これも取り合い)男性が「はいはい、一人づつ踊ってね。」と制しているのがおかしい。こんな感じが延々と続く・・・。

じゃあ、セネガルのサバールパーティはどんなのかな?と思ったら、今回はセネガルまで行き、その模様のビデオも見せてくれたのだ。

セネガルでももちろん、毎週末に道ばたや庭などあちこちでサバールパーティが開かれる。もちろん楽器はサバール隊のみ。ドゥドゥのような中心人物がしきりながら、まるでコンサート会場でやっているかのような統率。衣装もラメやスパンコール、化粧もバリバリのダンサーたち。観客も全員がありったけのお洒落をして参加する。ギニアの野性的な感じとは全く違い「サバールダンスショー」という感じだ。

美香ちゃん曰く、「ギニアのダンサーって『自分の為に踊る』けど、セネガルのダンサーは『人に見せるために踊る』って感じなんです。だから私にはギニアのほうが合ってるみたい。」


セネガルのほうが都会的で物価もギニアに較べたらだんぜん高い。ゴレ島まで行った写真は本当に美しかったが、すぐに仲良くなれてしまうあっけらかんとしたギニア人たちに魅せられている彼ら。前回は隣国マリまで車で30時間以上もかけて行ってマリのサバールダンスパーティも撮影していた。音楽では食べていけないので若者の継承者がいないので、国の演奏家たちがどんどん高齢化しているそうな。演奏中におでこにぺたっとお札をはってもらうのが「よかったよ」という挨拶のようなものなのだが、お金をもらった途端に太鼓の音ががらっと変わる。わかりやすいミュージシャンたち。伝統芸能がマリから消えてしまうのも時間の問題ではないか、と彼らは危惧している。


西アフリカの『サバールパーティ』を比較するだけでもいろんな事がわかるのだな~。いやあ、大変面白かったです。ありがとう、高木君&美香ちゃん。


さあ、そんな西アフリカ事情をふまえて・・・6/10は西荻サンジャックで「Andando」ライブです!遊びに来て下さいね!!!