minga日記

minga、東京ミュージックシーンで活動する女サックス吹きの日記

音楽の旅にでかけよう。@新宿Pit Inn

2017年10月15日 | ライブとミュージシャンたち
「今日は志宏くん(ピアノ)がいないから、わざとスカスカの音の隙間を愉しもうね。」

元ちゃんがリハーサルの時に私に言った一言。

一音一音をお互い聞き逃さないようにして、それに真剣に向き合う。音数が少なくてもそれを楽しめばいいのだ、といつも元ちゃんと一緒に演奏すると、音で教えてくれる。

元ちゃんのパーカッションって、本当に大きくてふわふわと宙を舞うようでいて、鋭い。昨年、ハバナに行ったことで、キューバ音楽のはしっこをかじってしまった私たちに、一生懸命本物のクラーベのリズムを教えてくれようと・・・楽屋でもリズムの話で盛り上がる(というか練習が始まるw)。

Rumbaの曲のテーマで少しずれそうになると「このカウベルの音が聴こえている?」と解りやすく叩いてくれる元ちゃん。本来はそういう解りやすいリズムを出すことを嫌うのに。すみません!不甲斐なくて・・・汗。

そんな冷や汗もののリハーサルを終えると、Pit Innは雨にもかかわらずお客様が並んでくださっていました。本当にありがとうございました。

今回はいつものTReS +2の曲もたくさん演奏しましたが、キューバに行って衝撃を受けた「サンテリア」という宗教儀式の音楽も演奏。









元ちゃんのシェケレとヨルバ語の歌で「エレグア』(扉の神様)、「イエマンジャ」(海の女神)と続き、最後の「OBATALA」でTReSも参加。急いでアレンジしたので、ほぼぶっつけ本番でしたがなかなか楽しい演奏になったかと。

ブラジルのカンドンベ(サンテリアと同じ宗教音楽)も、先日観たトモヒロ&ウーゴの映画にでてきて、さらに彼らの生演奏まで聴けたことがこれをやるきっかけにもなりました。

本来はそんなに簡単に触れてはいけない音楽なのではないかと思いますが、こうした音楽が世界にもたくさんあるのだという意識を持ってこれからも真剣に向き合っていきたいと思っています。

キューバ、ブラジル、そしてルーツは全てアフリカ。奴隷の悲しい歴史は消えるものではありませんが、素晴らしい音楽が世界中に広がっているのも事実です。

ヤヒロくんも元ちゃんもブラジル、キューバの音楽に携わって彼らなりに現地の人たちから真摯に習い、スピリチュアルな経験もたくさんしているからこそ出せる音だと思うのです。そういう彼らと一緒に演奏できる幸せ、そして誇りを感じます。

Pit innのお客様も外国人観光客がかなり多くなってきました。オーストラリアからのカップルが「Oh! Wonderful!」と感激してCDを買って行ってくださいました。とても嬉しいことです。

世界から影響を受けた私たちの音楽がまた他の世界へひろがっていく・・・なんて素晴らしいことでしょう。

写真提供/Pit Inn