【週刊】企業理念

こちらへ。「企業理念と戦略の図解」 https://note.com/missionstatement

Vol.8 朝日ウッドテック

2005-05-29 | Weblog
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 Vol.8 朝日ウッドテック株式会社さまから学ぶ
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■社是

 「大樹深根」

  朝日ウッドテックは常に顧客・信用・人材・技術・資本の深根を
  はかり、堅実なる成長をもって大樹たらんとす。

■企業コンセプト

 「木 +α」
 
  私たち朝日ウッドテックは、独自の先進技術を駆使して、
  「木 +α」という新しい領域に積極的に挑戦し、より快適な
  ヒューマンスペースの創造に貢献する。

■中期経営ビジョン

 「Make the Future」

  変化に挑戦し、自らが変化の起点となる需要創造型企業をめざす。

http://www.woodtec.co.jp/gaiyo/から抜粋,2005/05/29)

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【コメント】

 昨日、都内で開催されたある講演会に参加しました。
 3名の経営者の高話の中で、私のセンサが敏感に
 反応し感憶されたキーワードが「大樹深根」でした。

 感憶とは、感じてわすれることができない記憶。
 強烈に感じた事で、記憶しようとしていないにもかかわらず
 憶えていること。(私の造語ですが)

 この「大樹深根」を企業理念にしている会社を探したところ
 朝日ウッドテック株式会社様に辿り着きました。


 ■大樹深根

  「大樹深根」とは、深く張った「根」の上に大きな「木(樹)」がなる
  ことをいう。
  これを、企業の場合に置き換えて考えてみたい。


   ●企業にとっては、”根”が「理念」であり、”樹”が「事業」である。

    とすると。

   ●「事業」を支えるためには「理念」が必要。

   ●大きな「事業」を育てるためには、それに見合った「理念」が必要。

   ●表面化されない浸透した奥深い「理念」があってこそ、「事業」が大きく育つ。

   ●「理念」は樹木の根のように物理的に存在するものではない。
 
   ●「理念」は企業に存在する人の「意識」の中に存在するもの。


  「大樹深根」とは、深く浸透した「理念」の上に、大きな「事業」を
  を成すこと。



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■参考資料

 1)木に学べ―法隆寺・薬師寺の美    小学館文庫
   西岡 常一 (著)


Vol.7 Hilton Group

2005-05-21 | Weblog
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 Vol.7 Hilton Group さまから学ぶ
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■Our Vision

At Hilton Group,
we strive for high standards of performance
and advocate socially
and environmentally responsible business practice
throughout our global operations.

Our aim is to bring a positive benefit
to the societies in which we operate,
through high quality services,
economic growth,
environmental management,
community involvement and,
of course, employment.

http://www.hiltongroup.com/から抜粋,2005/05/21)

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【コメント】

 昨日、ヒルトン小田原リゾート&スパに
 宿泊してきました。
 http://hiltonjapan.ehotel-reserve.com/Japan/HiltonOdawara/hotel.asp

 これを機にヒルトンホテルの企業理念を探してみました。
 たどり着いたところは、ヒルトングループのHPの
【Responsible Business】でした。

 ここには、
 
 ●Our Vision(私たちのビジョン)
 ●Our Value (私たちの価値)
-Employees (機会均等と人権)
 -Equal Opportunities and Human Rights(健康、安全、およびセキュリティ)
 -Health, Safety and Security(健康、安全、およびセキュリティ)
 -Environment and Sustainability(環境と持続性)
 -Business Practice(ビジネス習慣)
 -Customers(顧客)
 -Products and Services(製品とサービス)
 -Business Partners and Supply Chain(ビジネスパートナーとサプライ・チェーン)
-Communities and Charities(コミュニティとチャリティ)
 ●Corporate Social Responsibility(企業の社会的責任)
 ・・
 とまとまっていました。
 

■企業理念の評価

 ●「企業理念」と「社員の意識と行動」とが一致し
 第3者からその様に評価を受けた時に、
 企業理念に対する評価は高いと言える。

 ●「顧客第一」と唱っている会社との打合せで
 その会社の社員から出てくる言葉が自社の都合優先の
 発言ばかり。ってことがありました。

 この会社の企業理念に対する評価は、いくら企業理念の
 文面がご立派でも、その評価は低くならざるおえないでしょう。

 ●私のヒルトン評価

we strive for high standards of performance
and .....

私達は、高い成果基準を求めて努力します。

 Our aim is to bring a positive benefit
 to the societies in which we operate,
 through high quality services...

 私達の目的は、ハイクオリティーなサービスを通して・・
 建設的な便益を社会に提供すること


 チェックインからチェックアウトまで、
 ほんと、基準の高いサービスでもてなしを受けた。
 もちろん、食事の基準も高かった。部屋からの眺め、
 リゾート環境のレベルも高かった。

 事前期待を大きく上回る事後評価。

 「企業理念」と「社員の意識・行動」とが一致しており
 もてなしを受けた私はとても満足でした。
 また、来たい。知人に紹介したい。と思いながら帰路に
 着きました。 


■企業理念浸透のスピード

 ●特殊法人 雇用・能力開発機構が勤労者リフレッシュセンタ
 として建設した「スパウザ小田原」が小田原市に売却された。

 ●ヒルトン・インターナショナル社は、この施設を小田原市と契約し
 「ヒルトン小田原リゾート&スパ」として事業運営している。
 契約締結から約4ヵ月後の平成16年2月に営業開始している。 

 ●雇用・能力開発機構と小田原市との売買契約書(案)によると、
 現在の従業員で希望するものは引渡し後も雇用させる。
 となっている。

 ●とすると、特殊法人の職員だった人も何名か残っていると
 推測される。

 ●前職員のヒルトン文化への浸透は、

 「朱に交われば赤くなる」

 によるものだろう。
 
 ●全体白を朱にするには時間がかかる。
 

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■参考資料

 1)勤労者リフレッシュセンター「スパウザ小田原」について
 www.city.odawara.kanagawa.jp/ machi-design/setumeikai/shiryou.pdf
 2005/05/21

Vol.6 西日本旅客鉄道

2005-05-15 | Weblog
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 Vol.6 西日本旅客鉄道株式会社さまから学ぶ
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■経営理念

 ●JR西日本は、人間性尊重の立場に立って、労使相互信頼のもと、
  基幹事業としての鉄道の活性化に努めるとともに、
  地域に愛され共に繁栄する総合サービス企業となることを目指し、
  わが国のリーディングカンパニーとして、
  社会・経済・文化の発展、向上に貢献します。

■ハート&アクション

 1.安全・正確な輸送の提供

  私たちは、安全・正確な輸送に徹し、お客様に信頼される
  輸送サービスを提供します。

 2.お客様本位のサービス

  私たちは、お客様に感謝し、お客様の立場で考え、
  お客様のニーズを先取りし、心のこもった最高のサービスを目指します。

 3.会社の発展は自らの幸せ

  私たちは、あらゆる機会をとらえて売上げの増加に努め、
  常にコスト意識を持って業務の効率化を図り、会社を発展させ、
  株主の負託に応えるとともに、自らの幸せを築きます。

 4.規律正しい、明るい職場づくり

  私たちは、規律正しい、自由闊達な明るい職場づくりに努めます。

 5.自己研鑚とチャレンジ精神

  私たちは、自己研鑚に努め、豊かな感性と燃える情熱をもって、
  あらゆる目標に、果敢にチャレンジします。

 6.同業他社を凌ぐ強い体質づくり

  私たちは、常に創意工夫に努め、同業他社を凌ぐ強い体質づくりに、
  持てる力の全てを発揮します。

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【コメント】

   2005/4/25 兵庫県尼崎市のJR福知山線で
  決しておきてはなならない鉄道事故が発生した。
  この鉄道事業を経営している西日本旅客鉄道株式会社を
  取上げてみました。


 ■経営理念に「安全」というキーワードがあったのか?


  ●現在の経営理念は、1987年国鉄分割・民営化のとき
   に制定されている。

  ●経営理念には、「安全」をうたった文言は含まれていない。
 
  ●行動指針「ハート&アクション」に
   「私たちは安全・正確な輸送に・・」という文言あり。

  ●JR東日本グループの経営理念には、
   「お客さまの視点に立ち、安全・正確な輸送・・・」
    という文言あり。


 ■企業理念の見直し

  ●2005/5/13 JR西日本は、現在の「経営理念」を
   抜本的に見直し、安全をより協調したものに変更する方針を
   明らかにした。

  ●いくら理念を見直しても、行動と一体化されなければ
   企業体質は変化しない。
  
  ●「理念」と「行動」の一体化に、王道はない。

  ● 愚直に日々の積み重ねしかないはずだ。

  ●”安全・正確な輸送”このイメージを全社員が理解・
   共有化し、そのための活動・行動までへの落とし込みが必要。

  ●もっと、具体的にいうならば
   何よりも優先されなければならない「安全」ということが
   理解を超えて、身体に刷り込まれた状態(無意識に「安全」
   を優先する行動をとる)まで、全社員の身体に擦り込んで
   ほしい。

   「安全第一」を知り・唱えること(理念:言っていること)と、
   「安全第一」の動きができること(行動:やっていること)
   とは大違いである。


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■参考資料

 1)西日本旅客鉄道株式会社 HP (2005/05/15)
  http://www.westjr.co.jp/company/data/greeting.html

 2)中期経営構想ニューフロンティア2008-新たな創造と発展
   2005/1/24 JR東日本グループ


Vol.5 ネッツトヨタ南国

2005-05-07 | Weblog
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 Vol.5 ネッツトヨタ南国株式会社さまから学ぶ
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■経営理念

 ●自然の摂理を尊重し、原理を踏まえた組織づくりを目指す。
 ●倫理を重視し、人間性尊重の企業を目指す。
 ●全従業員を勝利者にする。
 ●エンパワーマネージメントとチームワークの組織作りに挑戦する。

■経営ビジョン

 ●真のお客様サービスを創造・実践する。
 ●考える・発言する・行動する・反省するという参画のプロセスを重視し
  従業員の成長と自己実現の機会を高める。
 ●お客様やビジネスパートナー、地域社会との発展的な関係構築から
  学習を重ね、独自性と主体性を発揮する。

■社訓

 1.仕事は自ら作るべきで与えられるべきではない。

 2.参画とは参加することではない、発言することである。

 3.マナーとは、今相手が何を考えているか考えることである。

 4.ビジネスの戦いは消費者の信頼獲得の戦いである。

 5.健康な組織は人手不足の組織だ。文句を言う暇もないくらいに多忙にせよ。

 6.成長する人は自分に厳しい。自分に厳しい人とは自分を知っている人である。

 7.当たり前の事を人並みはずれた熱心さで実現すること。これが凡人と非凡人
   の違うところだ。

 8.まず、問題を知る。悪さ加減を100%把握することからすべては始まる。
   より多くの人々が問題に気づく事が解決の第一歩である。

 9.アマチュアは自分の好きな事を好きな時に好きな場所で我流でやればよい。
   プロは、他人の好むことを他人の決めた時間や場所で決められた方法でやる。
   その代わりにプロには報酬がありアマにはない。

10.高い困難な挑戦すべき目標を掲げ創造的努力をしなければ人も企業も
   肉体的・精神的に堕落する。

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【コメント】

  2002年度経営品質賞受賞企業の
  ネッツトヨタ南国株式会社を取上げて見ました。


  ★社長に聞いた!

   代表取締役 横田英穀氏のご講演を高知で聞いたときのメモから
   ご紹介します。


 ■企業理念の制定時期


  「企業理念は、日本経営品質賞を受賞したときに制定したんだよ。」

   日頃、考えてたこと・社員に言っていたことを明文化しただけ。
   だそうです。


   <理念の明文化より社内浸透・共有化が大切>


 ■企業理念の浸透

 
  こんな質問をしてみました。

  「企業理念・社訓を社員に浸透させるのに何かよい仕組みはありますか?」

  これに対して、横田社長はきっぱりと、

    「それは、ありません」
   
  と答えられた。

  また、
 
  「今のように、理念・社訓を社員に浸透するのに25年かかった。」

   25年前から、同じ事を言い続けたそうです。

  「また別の会社をつくってもおなじように25年かかるだろうね。」と。


   <企業理念の浸透に王道なし>

   大樹がすぐ育たないのと同じですね。


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■参考資料

 1)ネッツトヨタ南国 HP http://www.vistanet.co.jp/ (2005/05/07)

 2)特集 社員を満たす会社 日経ビジネス2005年4月4日号

 3)経営品質協議会 HP http://www.jqac.com/ (2005/05/07)

 4)事例企業研究 ネッツトヨタ南国の概要 DOIT! 2005.Vol.83