【週刊】企業理念

こちらへ。「企業理念と戦略の図解」 https://note.com/missionstatement

Vol.25 ソニー

2005-09-25 | Weblog
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 Vol.25 ソニー株式会社 さまから学ぶ 
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9/23の朝刊に

 「ソニー 1万人削減 製造11拠点閉鎖
  2007年度末 (新中期計画)」
 

の記事が。


SONYブランドファンの私にとっては
「これからどうする、どうなる」と
とっても興味深深なのです。


そこで、この新中期計画行動と企業理念との関係について考えながら

ソニー株式会社さまから学ばせていただきます。


━━━━━━━━ Webからの引用 (ここから)━━━━━━━━━

■会社設立の目的


一、 真面目なる技術者の技能を、最高度に発揮せしむべき自由豁達
   にして愉快なる理想工場の建設

一、 日本再建、文化向上に対する技術面、生産面よりの活発なる活動

一、 戦時中、各方面に非常に進歩したる技術の国民生活内への
   即事応用

一、 諸大学、研究所等の研究成果の内最も国民生活に応用価値を
   有する優秀なるもの迅速なる製品、商品化

一、 無線通信機類の日常生活への浸透化並びに家庭電化の促進

一、 戦災通信網の復旧作業に対する積極的参加並びに必要なる
   技術の提供

一、 新時代にふさわしき優秀ラジオセットの製作普及並びにラジオ
   サービスの徹底化

一、 国民科学知識の実際的啓蒙活動



■経営方針
 
一、 不当なる儲け主義を廃し、飽迄内容の充実、実質的な活動に重点
   を置き、徒らに規模の大を追はず

一、 経営規模としては寧ロ小なるを望み大経営企業の大経営なるが
   為に、進み得ざる分野に技術の進路と経営活動を期する

一、 極力製品の選択に努め技術上の困難は寧ロ之を歓迎、量の多少
   に関せず最も社会的に利用度の高い高級技術製品を対象とす、
   又単に電気、機械等の形式的分類はさけ、其の両者を統合せるが
   如き他社の追随を絶対許さざる境地に独自なる製品化を行う。

一、 技術界業界に多くの知己関係と絶大なる信用を有する我が社の
   特長を最高度に活用以て大資本に充分匹敵するに足る生産活動
   販路の開拓資材の獲得等を相互扶助的に行う

一、 従来ノ下請工場を独立自主的経営の方向ヘ指導育成し、相互扶助
   の陣営の拡大強化を計る

一、 従業員は厳選されたる可成小員数を以って構成し、形式的職階制
   をさけ、一切の秩序を実力本位、人格主義の上に置き個人の技能
   を最大限に発揮せしむ。

一、 会社の余剰利益は適切なる方法をもって全従業員に配分、又、
   生活安定の道も実質的面より充分考慮援助し、会社の仕事即ち
   自己の仕事の観念を徹底せしむ。



(出所http://www.sony.co.jp/SonyInfo/CorporateInfo/History/prospectus.html
   2005/09/23 一部カタカナをひらがなに変換)

━━━━━━━━ Webからの引用 (ここまで)━━━━━━━━━



【企業理念育成のヒント】


 ■新中期計画の骨子 と 経営方針


  発表された新中期計画の骨子は次の通り。

 
  ▽2000億円のコスト削減
  ▽1200億円の資産売却
  ▽1万人の人員削減
  ▽連結営業利益率5%の達成
  ▽カンパニ-制の廃止
  (数値はいづれも2007年度末までの目標)


  経営方針 ⇒ 中期計画 との関係について
  整理してみました。

  
  |経営規模としては寧ロ(むしろ)小なるを望み・・・
  |大経営企業の大経営なるが為に、
  |進み得ざる分野に技術の進路と経営活動を期する

   ⇒ ▽2000億円のコスト削減
   ⇒ ▽1200億円の資産売却

  |
  |従業員は厳選されたる可成小員数を以って構成・・・
  |

   ⇒ ▽1万人の人員削減

  |
  |相互扶助の陣営の拡大強化を計る・・・
  |
   ⇒ ▽カンパニ-制の廃止

  |
  |極力製品の選択に努め技術上の困難は寧ロ之を歓迎、量の多少
  |に関せず最も社会的に利用度の高い高級技術製品を対象とす・・・
  |
   ⇒ ???????

   この経営方針が SONY らしさだと思う。
   ハワード・ストリンガーさん、是非この経営方針に基づき
   社員を鼓舞する計画に期待しております。
 


 ★☆★☆★☆★☆★☆★ 今週のヒント ★☆★☆★☆★☆★☆★

【わが社では社員に、創業者の設立趣意(想い)伝えているだろうか?】

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■企業情報

 【商号】ソニー株式会社  
 【設立年月日】1946年5月7日 
 【代表者名】H.ストリンガー
 【従業員数(単独)】15,892人
 【従業員数(連結)】151,400人

■おまけ情報

 ソニーの広報担当者は、次のように述べている。

 「企業理念とか社是社訓に当たるものは、当社の場合は
  特にないんです。そういったもので会社の育成を縛るということは
  しなかったんです。それが結果的によかったんだと思います」

  (マーク 山田敦郎著 読売新聞社から)

 ソニーは、ウォークマンに代表されるような「プロダクト」と
 SONYという「ブランド」が企業理念の代わりに企業の基軸で
 あったと思う。

 今、この基軸となる「プロダクト」の不在、そして
 「SONY」というブランドがぼやけてきているところに
 少し寂しさを感じてしまう。

 「SONY」さん がんばってほしい。


Vol.24 全日本空輸株式会社(ANA)

2005-09-19 | Weblog
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 Vol.24 全日本空輸株式会社(ANA) さまから学ぶ 
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先日、中国への出張にANAを利用しました。

上海から成田への機内でアテンダントの毅然たる行動に感動しました。

そこで、この行動と企業理念との関係について考えながら

全日本空輸株式会社(ANA)さまから学ばせていただきます。


━━━━━━━━ Webからの引用 (ここから)━━━━━━━━━

■基本理念

 ~私たちのコミットメント~ 

  ANAグループは、「安心」と「信頼」を基礎に

  ●価値ある時間と空間を創造します
  ●いつも身近な存在であり続けます
  ●世界の人々に「夢」と「感動」を届けます



■グループ行動指針6ヶ条

  1. 「安全」こそ経営の基盤、守り続けます。
  2. 「お客様」の声に徹底してこだわります。
  3. 「社会」と共に歩み続けます。
  4.  常に「挑戦」し続けます。
  5. 「関心」を持って議論し、「自信」を持って決定し、「確信」を持って実行します。
  6.  人を活かし、チームワークを「力」にし、強いANAグループを作ります。


■グループ安全理念

 安全は経営の基盤であり、社会への責務である
 私たちはお互いの理解と信頼のもと、確かなしくみで安全を高めていきます
 私たちは一人ひとりの責任ある誠実な行動により、安全を追求します

(出所 http://www.ana.co.jp/cp/rinen/index.html 2005/09/25)

━━━━━━━━ Webからの引用 (ここまで)━━━━━━━━━



【企業理念育成のヒント】


 ■企業理念の優先順位に基づく行動


  上海発成田行き、出発待ちの機内の中で、
  ハングル語の乗客が携帯電話で話しこんでいた。

  最初、若手のアテンダントが懸命に、携帯電話の
  電源を切ってくれるよう、乗客にお願いをしていた。

  しかし、乗客は、一向にやめる気配がない。

  そこへ、先輩と思われるアテンダントが登場。

  先ほどまで笑顔で接待していたアテンダントが、
  気迫みなぎる顔つきに変わり、携帯電話を切るように
  乗客に訴えた。

  その本気度、真剣度が乗客に伝わったのだろう。
  乗客は、俯きながら携帯電話の電源を切った。

  ハングル語は理解できなかったが、
  アテンダントは、乗客の安全を最優先に考えて
  とった行動だろう。

  ANAには、「基本理念」、「行動指針」に加えて
  「安全理念」がある。
 
  安全最優先を明確に伝えている。

  私が見たアテンダントの行動は、

  『優先順位が明確された企業理念』に基づく

  理念の表出化であろう。
  


 ★☆★☆★☆★☆★☆★ 今週のヒント ★☆★☆★☆★☆★☆★

 【わが社では、企業理念の優先順位を明確にしているだろうか?】

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■企業情報

 商号: 全日本空輸株式会社  
 代表者: 代表取締役社長 山元 峯生 
 設立: 1952年(昭和27年)12月27日 
 資本金: 107,292,285,578円
  株主数: 223,389人
  従業員数: 12,091人 (2005年3月31日現在)

(出所 http://www.ana.co.jp/cp/index.html 2005/09/25)

■おまけ情報

 1957年12月1日、日本ヘリコプター輸送株式会社と極東航空株式会社が
 合併し「全日本空輸株式会社」が誕生。
 現在も全日空便の便名に使われる「NH」は、「日本ヘリコプター」の頭文字。


Vol.23 Haier 海尓 ハイアール

2005-09-14 | Weblog

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 Vol.23 Haier 海尓 ハイアール  様から学ぶ(2)
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  昨日、中国から帰国しました。週刊の発行が遅れたこと
 お詫び申し上げます。

 行き先は、上海と青島でした。

 約2年ぶりの中国でしたが、発展のスピードに驚きました。
 日本のスピード感との違いに、不安を感じました。


 ご縁があって、ハイアールの本社に伺いました。


 Vol.19で一度、ハイアール社は取り上げましたが
 今回は、実際にハイアール社の社員からお話を伺うことができましたので
 そこからの学びをご紹介いたします。
 

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ハイアール社の企業理念は、コチラが参考になります。
 http://www.haier.com/chinese/about/culture.asp  

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【企業理念育成のヒント】


 ■企業理念浸透の施策


  ハイアール社の事業部長にこんな質問をしてみました。
  
  「ハイアール社のwebから御社の企業理念を拝見しました。
   すばらしいと思います。
  このすばらしい企業理念をどのように社内浸透させているのでしょうか?」


  次の回答をいただきました。


  1.朝礼

    毎朝、上司が企業理念に関する講話をする。

  2.社内新聞

    定期的に、社内新聞を発行している。その中で
    企業理念に関する記事を掲載する。

  3.絵に描かせる

    上司が、部下に企業理念に関する話をする。
    部下の理解度を確認するために、
    上司は、部下に話した内容を絵で表現させる。


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  3.の絵に描かせる。これには感心しました。

  確かに、理解を共有化するには、文字・言葉からイメージされる
  ことに相違があってはいけません。

  絵で理解度を確認する手段はとってもユニークだと思います。

  まずは、理念の理解度を向上し、共感度を向上させる。
  共感した理念に基づき行動に変化が生じる。

  理念の浸透の目的は、理念に基づく行動に導くことである。 
   

 ★☆★☆★☆★☆★☆★ 今週のヒント ★☆★☆★☆★☆★☆★☆

  わが社では、企業理念の浸透に工夫をしているだろうか?】

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Vol.22 三菱グループ

2005-09-03 | Weblog
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 Vol.22 三菱グループ
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第44回衆議院選挙が近づいてきました。

自民党の新聞広告には、坂本竜馬が書いた

「日本を今一度洗濯いたし申し候」

の文字が。

今回は、坂本竜馬と関係があった三菱グループ様から
学ばせていただきます。



━━━━━━━━ Webからの引用 (ここから)━━━━━━━━━
  
             「三綱領」

 「所期奉公」=期するところは社会への貢献

  -  事業を通じ、物心共に豊かな社会の実現に努力すると同時に、
    かけがえのない地球環境の維持にも貢献する。

 「処事光明」=フェアー・プレイに徹する

  - 公明正大で品格のある行動を旨とし、活動の公開性、
    透明性を堅持する。

 「立業貿易」=グローバルな視野で

  -  全世界的、宇宙的視野に立脚した事業展開を図る。


(出所 :http://www.mitsubishi.com/j/history/principle.html 2005/09/03)

━━━━━━━━ Webからの引用 (ここまで)━━━━━━━━━


【企業理念育成のヒント】


 ■坂本竜馬と岩崎彌太郎

   坂本竜馬と三菱の創始者である岩崎彌太郎氏に関する情報は、

   コチラにありました。
   http://www.mitsubishi.or.jp/jp/series/yataro/yataro07.html

 ■国あっての三菱

  明治4年に台湾に漂着した琉球島民54人が殺害される事件をきっかけに
  7年5月、政府はついに台湾出兵に踏み切ることになった。

  長崎に設置された台湾蕃地事務局の大隈重信長官は、岩崎彌太郎を呼んで言った。

  「かくなる上は三菱の全面的協力をお願いしたい」

  彌太郎は沈黙した。それから、団十郎よろしく目をむき出し、
  ドスのきいた声ではっきりと答えた。

 「承知しました。国あっての三菱、引き受けさせていただきましょう」

  彌太郎が決断した。国あっての三菱。『所期奉公』。

  その後も重要な局面になると必ず出てくる三菱の精神の、
  最初のストレートな発露だった。そうです。



 ★☆★☆★☆★☆★☆★ 今週のヒント ★☆★☆★☆★☆★☆★

【わが社では、綱領の精神にそった行動が発露されているだろうか?】

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