【週刊】企業理念

こちらへ。「企業理念と戦略の図解」 https://note.com/missionstatement

Vol.268 シナジーマーケティング

2010-12-26 | Weblog

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【週刊】企業理念 Vol.267 シナジーマーケティングさまから学ぶ
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 経営の先輩達が悩みぬいて確立した企業理念をいろいろな
 視点から読み解き、企業理念育成・経営のヒントを学びます。

----------------------------【今号の所感】------------------------------

 「予算とは目標ではなく、経営者の市場に対する約束である」

  という言葉に刺激を受けました。

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 日経新聞朝刊の社説・春秋(2010/12/24)を読んで、
 我が社のこと・・・と捉えた方も何人かいたのではないでしょうか。

 http://www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A96889DE0E2E6E7EAE0E3E2E0E6E3E0E0E2E3E29F9FEAE2E2E2;n=96948D819A938D96E08D8D8D8D8D


 今までのやり方では、業績が上がらない時代。

 過去の実績から右肩上がりに、
 売上高や利益率などの数字をつくり、そして組織改編。

 方針は示すが、道は示さず、結果を求め、尻をたたく。

 挙句の果てには、

 「決意が足りない」、「本気度が足りない」と精神論で攻め立てる。

 そういう戦略不在のやり方でも結果が出た時代はよかった。


 戦略的に活動している企業がリードしている事実が明らかになり
 伝わってきている、今。


 本当の意味での戦略プロデューサとその語り部の重要性が
 認知される時が来るのではないだろうか。


 今週は、3期連続して売上、利益ともに向上を続けている
 シナジーマーケティングさまの有価証券報告書から学ばせていただきます。

 

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 ◆シナジーマーケティングの企業理念・経営原則
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 ■企業理念

  ITを中心とした高品質サービスの提供を通じて
  幸せな情報社会の実現に貢献する。


 ■経営原則

 ・クオリティリーダーとして高品質なサービスを提供する。
 ・社員の成長を支援し、物心両面において社員の豊かな生活の実現を目指す。
 ・すべてのステークホルダーの高い満足度を実現する。


(出所:http://www.synergy-marketing.co.jp/company/sense.html 2010/12/26)


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 ◆有価証券報告書からの学び
  
 参考:第5期有価証券報告書 平成21年1月1日~平成21年12月31日
 http://www.synergy-marketing.co.jp/IR/finance/securities/pdf/sym_fr_2009.pdf
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【事業の内容】

 ●企業等が保有する顧客情報資産の管理・運用を実現するための
  アプリケーション・ソフトウェアをASP方式にて提供している。

 ●ASP方式によりソフトウェアをインターネット経由で利用するサービスは、
  近年では「SaaS」(Software asa Service)と呼ばれている。

 ●SaaSは、企業が個別にシステム構築をするのではなく、同じソフトウェア
  をインターネット経由で共同利用することにより、大規模な設備投資が
  不要になるとともに、導入コスト・導入期間を節約することが可能となる。

 ●CRM関連の受託業務については、メール配信代行、インターネットを利用した
  販促キャンペーンの事務局代行、アンケートの設計から回収・分析の代行等、
  当社が蓄積している顧客データ管理ノウハウを活用して、顧客との円滑な
  関係構築を目指すクライアントを支援する業務を展開している。


【業績等の概要】

 ●インターネット関連市場においては、光回線等のブロードバンド化の進展
  やコスト削減意識の高まりから、インターネット経由でソフトウェアの
  利用が可能なASP・SaaSに高い関心が集まっている。

 ●売上高は2,169,047千円(前年同期比36.2%増)、営業利益は398,299千円
  (前年同期比30.2%増)、経常利益は402,770千円(前年同期比25.1%増)、
  当期純利益は216,766千円(前年同期比11.5%増)。

 ●企業の経費削減のニーズを取り込んだ営業活動を展開し、新たな顧客の開拓に努めた。


【対処すべき課題】

 ●今後、SaaS市場は市場規模が拡大していくものと予想されるが、
  その一方で、競合他社との競争は激しさを増すものと認識している。

 ●成功事例の創出による新規クライアント獲得の誘発という好循環により、
  成長を実現することを事業戦略の根幹としている。

 ●営業活動を新規クライアントの獲得活動と既存クライアントの取引深耕という
  2つの視点で活動を集中していく。

 ●持続的成長のためには、組織的に人材を育成し、活躍を促すことが重要である
   と考えている。

 ●人材開発室を新たに設置し、特にミドルマネジメント層のマネジメント意識
  並びにスキルの強化を重要視しマルチプレーヤー人材・プロフェッショナル
  人材の育成のためのフレームの開発とプログラムの実行を行う。


【事業等のリスク】

 ●従業員数の増加に対して、組織体制の構築が順調に進まなかった場合、
  信用、財政状態又は業績に影響を及ぼす可能性がある。

 ●適切な人材を確保できたとしても、人材の増強や教育等に伴い、
  固定費の増加や損益分岐点の上昇を余儀なくされる可能性がある。

 ●顧客情報の漏洩・破壊等が発生した場合、クライアント企業に対する損害賠償請求
  等の可能性があるとともに、信用、財政状態又は業績に影響を及ぼす可能性がある。


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 ◆今号の所感
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代表取締役 谷井等氏のIRメッセージの中で

 「予算とは目標ではなく、経営者の市場に対する約束である」

 という言葉が刺激的でした。

  http://www.synergy-marketing.co.jp/IR/message/


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 ◆参考資料・書籍
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□ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件
 http://www.amazon.co.jp/gp/product/4492532706?ie=UTF8&tag=marue-22

□ストーリーテリングが経営を変える―組織変革の新しい鍵
 http://www.amazon.co.jp/gp/product/4495376012?ie=UTF8&tag=marue-22

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--ここまで--


Vol.267 オリエンタルランド

2010-12-19 | Weblog

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【週刊】企業理念 Vol.267 オリエンタルランドさまから学ぶ
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 経営の先輩達が悩みぬいて確立した企業理念をいろいろな
 視点から読み解き、企業理念育成・経営のヒントを学びます。

----------------------------【今号の所感】------------------------------

 「夢と感動の場・機会」という経験価値を長期継続的に提供するために

 中期経営計画にて「フリー・キャッシュ・フロー創出額」を
 目標として設定している。

 「夢」と「そろばん」のバランス経営が求められる。

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         夢がかなう場所 
  
 = Where derams come true =

 

 クリスマスには、

 このキャッチコピーを掲げているディズニーランドにて、
 彼女と、家族と、時間を共にする計画を立てているのではないでしょうか。
 
 大切な人と、素敵な時を過ごすことを夢みながら・・・・

 

 今週は、ディズニーランドを経営するオリエンタルランドさまの
 有価証券報告書から学ばせていただきます。

 

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 ◆オリエンタルランドの企業使命・経営姿勢・行動指針
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 ■企業使命

  自由でみずみずしい発想を原動力に
  すばらしい夢と感動
  ひととしての喜び
  そしてやすらぎを提供します。

 ■経営姿勢

  1. 対話する経営
  2. 独創的で質の高い価値の提供
  3. 個性の尊重とやる気の支援
  4. 経営のたゆまぬ革新と進化
  5. 利益ある成長と貢献
  6. 調和と共生

 ■行動指針

  1.探求と開拓
  2.自立と挑戦
  3.情熱と実行

(出所: http://www.olc.co.jp/company/philosophy/index.html 2010/12/19)


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 ◆有価証券報告書からの学び
  
 参考:第50期有価証券報告書 平成21年4月1日~平成22年3月31日
    http://www.olc.co.jp/ir/pdf/y2010-04.pdf
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【業績等の概要】

 ●わが国経済は、雇用情勢の悪化や所得減少から個人消費が低迷し、
  政府による「デフレ宣言」が出されるなど、厳しい環境が続いた。

 ●新型インフルエンザの発生などにより、国内旅行者数及び訪日外国人
  旅行者数が減少した。

 ●このような状況の中、売上高は371,414百万円(前年同期比4.6%減)
  となったが、入園者数レベルに合わせてコストを低減したことや
  開業前準備費用が減少したことなどから、
  営業利益は41,924百万円(同4.6%増)、経常利益は40,758百万円(同5.0%増)、
  当期純利益は25,427百万円(同40.6%増)といずれも過去最高。

 ●2つのテーマパークの合計入園者数は、過去2番目の25,818千人(同5.2%減)。

 ●テーマパークのゲスト1人当たり売上高は9,743円(同0.2%増)。
  チケット収入4,206円(同0.4%減)、商品販売収入3,377円(同0.2%増)、
  飲食販売収入は、2,160円(同1.5%増)。


【対処すべき課題】

 ●2013中期経営計画(平成23年度から平成25年度)「Build Up OLC2013」を策定。

 ●本計画では、長期持続的な成長を可能とする企業価値を創出すべく、
  目標値として「3年間累計のフリー・キャッシュ・フロー創出額 1,200億円レベル」  と設定している。


 <コア事業(東京ディズニーリゾート)の持続的な成長>

 a.新しい価値の創造

 [東京ディズニーリゾートのバリュー向上]

 ●平成23年度に、東京ディズニーシー10周年イベントを展開する。
 ●新ナイトエンターテイメント「ファンタズミック!」をスタートする。
 ●平成24年には、映画『トイ・ストーリー』をテーマにした3Dライドアトラクション  「トイ・ストーリー・マニア!」を導入予定。

 [収益機会の創造と拡大]

 ●ゲストの待ち時間を軽減し、満足度の向上を図るとともに収益向上につなげいく。
 ●ホテル宿泊にファストパスやショー鑑賞券などのパークコンテンツをセット
  にした付加価値の高いパッケージ商品を提供していく。


 b.マーケットの育成

 [両パーク来園の促進]

 ●「東京ディズニーリゾートファン層の拡大」に向けては、非常に集客力の強い
   周年イベントを活用して幅広くファン層を拡大し、ベースアップにつなげていく。

 ●ファミリー層に対しては、ファミリーエンターテイメント性の高い新規プロダクト
  を導入し、ポストファミリー層(主に40代以上のゲスト)に対しては、
  バケーションパッケージの販売を強化する。

 [海外ゲストの取り込み]

 ●日本政府を中心に、訪日外国人旅行者数の増加に向けたさまざまな施策が
  検討されており、今後大幅に伸びる目標値が示されている。このような
  訪日外国人旅行者数の増加という国の施策を機会と捉え、着実に対応していく。

 c.コスト・投資の効率化

 [ランニングコストの抑制]

 ●コスト効率化に向けては、購買価格の低減に向けたリバースオークションの
  活用などランニングコストの抑制に取り組み、引き続き高いレベルでのゲスト
  満足度獲得との両立を実現していく。

 [投資額のコントロール]

 ●テーマパーク事業への投資方針として、今後10年間の設備投資額を設定している。
  長期を見据えてのコントロールを強化し、東京ディズニーリゾートの魅力拡充
  に向けた新規プロダクト投資と更新改良投資にバランスよく配分していく。


【事業等のリスク】

 ●ハード面のクオリティ向上に努めて行くが、不測の事態により適切な
  タイミングでの投資などができず、クオリティが低下した場合、
  入園者数の減少などにより業績に影響を及ぼす可能性がある。

 ●不測の事態によりキャストの人員不足などが生じ、クオリティが低下した場合、
  入園者数の減少などにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。

 ●万一の事故(アトラクション事故、欠陥商品販売、異物混入など)があり、
  ゲストに重大な危害が加わる事態が発生した場合には、信頼の低下、ブランドの
  毀損及び訴訟などの多額の費用負担などにより、業績に影響を及ぼす可能性がある。

 ●悪天候が長期に及ぶ場合、一時的な入園者数の減少などによりグループの
  業績に影響を及ぼす可能性がある。

 ●国内外の大規模集客施設などにおいてテロ事件などが発生した場合、
  また、治療方法が確立されていない感染症が流行した場合、レジャーに対する
  消費マインドの冷え込みなどが想定されることから、
  一時的な入園者数の減少などにより業績に影響を及ぼす可能性がある。

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 ◆今号の所感
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 「夢と感動の場・機会」という経験価値を長期継続的に提供するために

 中期経営計画にて「フリー・キャッシュ・フロー創出額」を
 目標として設定している。

 「夢」と「そろばん」のバランス経営が求められる。

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 補足:ディズニーランドに行かれる方へ

  この入場者数だから、

  このぐらいの売上があって・・・、
 
  このぐらいの利益が・・・、
 
  なんてことは考えないで、夢を叶えてくださいませ。


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 ◆豆計算:ディズニーランドのロイヤルティーコスト
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 売上原価明細のその他営業 にある科目より

 ロイヤルティー  20,911(百万円)

 よって、

 営業収益に占めるロイヤルティー比率は、6.8%。

(ロイヤルティー 20,911/営業収益合計 305,425)


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 ◆参考資料・書籍
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□アニュアルレポート2010
 http://www.olc.co.jp/ir/pdf/annual2010.pdf

□社会人として大切なことはみんなディズニーランドで教わった
 http://www.amazon.co.jp/dp/4769607695?tag=marue-22

□ディズニー7つの法則―奇跡の成功を生み出した「感動」の企業理念
 http://www.amazon.co.jp/gp/product/4822240967?ie=UTF8&tag=marue-22

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Vol.266 日産自動車

2010-12-12 | Weblog

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【週刊】企業理念 Vol.266 日産自動車さまから学ぶ
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 経営の先輩達が悩みぬいて確立した企業理念をいろいろな
 視点から読み解き、企業理念育成・経営のヒントを学びます。

----------------------------【今号の所感】------------------------------

 環境変化のキーワードは、次の4つ。 
 
 「新興市場」、「手頃な価格」、「環境意識」、「メーカー間の合従連衡」。

 この変化への対応の遅れがリスクとなる。

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  日産自動車は、EV「リーフ」を12月20日に発売する
 と発表した。

 「リーフ」の車両価格は376万4250円から。国から補助金が支給され、
 実質的な販売価格は298万4250円となる。

  日米で2万6000台(日本6000台、米国2万台)の先行予約を受付
 けており、すでに日本の追浜工場(神奈川県横須賀市)で生産を始めている。

 「リーフ」の投入で、日産は燃費性能を高めたガソリン車、クリーンディーゼル車、
 HV、EVと環境対応車が揃った。
 
 志賀COOは「環境戦略は自動車の競争の源泉になっている。顧客がどの環境技術
 を選ぶか今の時点で決まっているわけではないので、一つ一つ前進する技術を作っ
 ていきたい」と語っている。


 日産のグリーンプログラム2010によれば、 
 http://www.nissan-global.com/JP/ENVIRONMENT/GREENPROGRAM_2010/
 
 EVの比率は、2050年で約25%。

 ってことは、40年後で、4台に1台がEVってこと。


 2009年度の日産のグローバル販売台数は、380万台。
 http://www.nissan-global.com/JP/DOCUMENT/PDF/AR/2010/AR2010_J_P18_Sales_Performance.pdf

 ってことは、2011年度のEVの販売比率は、約0.7%。

 
 このあたりの量的感覚を持っていることが必要だろう。
 


 今週は、日産自動車の有価証券報告書から学ばせていただきます。

 

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 ◆日産自動車のビジョン&ミッション
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【ビジョン】

 
  日産:人々の生活を豊かに


【ミッション】

  私たち日産は、独自性に溢れ、革新的なクルマや

  サービスを創造し、その目に見える優れた価値を、
 
  すべてのステークホルダーに提供します。

  それらのルノーとの提携のもとに行っていきます。   

  
(出所 http://www.nissan-global.com/JP/COMPANY/MESSAGE/VISION/ 2010/12/12)


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 ◆有価証券報告書からの学び
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 有価証券報告書 ‐ 第111期 -平成21年4月1日‐平成22年3月31日-
 http://www.nissan-global.com/JP/DOCUMENT/PDF/FR/2009/fr2009.pdf


【業績等の概要】

 ●当連結会計年度における業績は、売上高7兆5,173億円と前連結会計年度に
  比べて9,197億円(10.9%)の減収。

 ●営業利益は3,116億円となり、前連結会計年度の営業損失1,379億円に対し
  4,495億円改善。

 ●営業外損益は1,039億円の損失となり、前連結会計年度に比べ690億円悪化した。
  これは主に為替差損益が前連結会計年度の為替差益から為替差損に悪化、
  持分法による投資損失の悪化等によるもの。

 ●当期純利益は424億円となり、前連結会計年度の当期純損失2,337億円に対し
  2,761億円改善。


【課題-環境分析-】

 ●平成22年度のリスクは、円高、原材料価格の高騰及び先行き不透明な
  世界市場が挙げられる。

 ●一方、好機は、為替レートの好転、中国市場の拡大及びアライアンス・
  パートナーであるルノーとのシナジー創出の加速化、そしてダイムラーAG
  とのさらなる戦略的協力である。

【課題への対応】

 ●グループの強みをさらに強化していくのと同時に、グローバル自動車産業に
  影響を及ぼす、キーとなる4つのトレンドに対応する。

 ●それは、「新興市場の成長」、「手頃な価格のモビリティに対するニーズの拡大」、
  「環境意識の高まり」及び「昨今の自動車メーカー間の合従連衡の加速」である。


 「新興市場の成長」

 ●インドでは、アライアンスによりチェンナイ工場での操業を開始し、
  インドの国内市場で販売するとともに、欧州、アフリカ及び中東等、
  100ヵ国以上の市場に向けて輸出を行う予定。

 ●中国では、生産能力の増強を行うため、鄭州工場と花都工場を拡張していく。

 ●ロシアでは、サンクト・ペテルブルグ工場で、ロシア市場の回復に備えた
  新型車投入の準備を進める。

 ●中東では、湾岸諸国での販売網強化と新型パトロールの投入で攻勢をかけていく。


 「手頃な価格のモビリティに対するニーズの拡大」

 ●新しいVプラットフォームを採用するグローバルコンパクトカー・ラインアップは、  当社の品質基準を満たし、全世界のお客様に提供される。

 「環境意識の高まり」

 ●当社とルノー(ルノー・日産アライアンス)は、
  量販型の電気自動車のパイオニアであり、ルノー・日産アライアンスとして、
  8車種の電気自動車が発売される予定であるが、
  その最初のモデルが「日産リーフ」である。

 ●この手頃な価格の量販型電気自動車を支えるのは、年間50万台にも及ぶ
  バッテリー及び電気自動車の生産能力である。

 ●電気自動車以外の従来の内燃機関搭載車両においても、低炭素・低排出ガス技術
  の分野において強化しており、これは、ゼロ・エミッション戦略を補完すると
  ともに、商品ラインアップの強化につながる。

 「自動車メーカー間の合従連衡の加速」

 ●ルノーとの11年にわたるアライアンスを通じ、競争優位性を維持しており、
  ルノー・日産アライアンスは当社グループの中心的な戦略であり続けている。

 ●アライアンスによって、規模の利益を効果的に享受し、
  戦略を効率的に遂行するとともに、単独ではなし得ない多くの好機に恵まれ
  ている。ルノー、そして新たに加わったダイムラーAGとの協力が、
  当社グループの本格回復に寄与し、今後の成長を支えると考えている。


【事業等のリスク】

 1.世界経済や景気の急激な変動

 (1) 経済状況
 
 ●製品・サービスの需要は、それらを販売している国又は地域の
  経済状況の影響を強く受けている。従って、日本、アメリカ、ヨーロッパ、
  アジアなど、主要な市場における経済や景気及びそれに伴う
  需要の変動については、正確な予測に努め必要な対策を行っているが、
  世界同時不況など予測を超えた急激な変動がある時は、業績及び財務状況に
  影響を及ぼす可能性がある。

 (2) 資源エネルギー情勢

 ●原油価格の高騰など資源やエネルギー情勢の急激な変化により製品・サービス
  に対する需要も大きく変動する。
  予測を超えた急激な変動がある時は業績の悪化や機会損失の発生等、
  業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性がある。

2.自動車市場における急激な変動

 ●自動車業界は世界規模で非常に厳しい競争にさらされている。その競争に打ち
  勝つべく、お客様のニーズにあった製品を素早く提供できるように
  技術開発・商品開発や販売戦略において努力しているが、
  お客様ニーズに合う製品をタイムリーに提供できなかったり、
  環境や市場の変化への対応が不十分な場合には、業績及び財務状況に影響を
  及ぼす可能性がある。

  例えば、資源エネルギー問題や環境問題により、需要が激減したり、
  ある特定の商品への偏った需要が発生しうる。また、成熟市場では人口の
  減少や少子高齢化の進行により需要が減退したり変化したりする一方で、
  新興市場では大きく需要が増える可能性もある。
  これらはビジネスチャンスとして有利な結果をもたらす可能性もある一方、
  特定商品や特定地域への過度な依存が発生し次なる変化への対応が十分に行われない  場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性がある。

 3.金融市場に係るリスク
 
 (1) 為替レートの変動
 
 ●世界18カ国・地域で完成車の生産を行い、160カ国以上の国々で製品を販売
  している。それに伴い、原材料や部品、サービスの調達も多くの国で行っている。
  連結財務諸表は日本円で表示するため、一般的に他の通貨に対する円高は
  当社グループの業績に悪影響を及ぼし、反対に円安は好影響をもたらすことになる。


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 ◆今号の所感
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 環境変化のキーワードは、次の4つ。 
 
 「新興市場」、「手頃な価格」、「環境意識」、「メーカー間の合従連衡」

 この変化への対応の遅れがリスクとなる。
 

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 ◆参考資料・書籍
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□いま、日産で起こっていること―躍進する企業の戦略と実行力
 http://www.amazon.co.jp/gp/product/4478380414?ie=UTF8&tag=marue-22

□ターンアラウンド ゴーンは、いかにして日産を救ったのか?
 http://www.amazon.co.jp/gp/product/4492501088?ie=UTF8&tag=marue-22

□有価証券報告書の見方・読み方―会社情報の宝庫
 http://www.amazon.co.jp/gp/product/4433254754?ie=UTF8&tag=marue-22

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Vol.265 スターバックスコーヒージャパン

2010-12-05 | Weblog

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【週刊】企業理念 Vol.265 スターバックスコーヒージャパンさまから学ぶ
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 経営の先輩達が悩みぬいて確立した企業理念をいろいろな
 視点から読み解き、企業理念育成・経営のヒントを学びます。

----------------------------【今号の所感】------------------------------

 企業ミッションに基く「スターバックス体験」という顧客提供価値と
 その価値提供のための原価、費用とのバランスをどう勘案していくかが
 収益確保の経営課題になると感じました。

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 先日、早朝から海外のお客様とのミーティングがあった。


 会議室に入ると、
 スターバックスのポットサービスが運ばれていた。


 本題に入る前に、
 各自が紙カップに同じ音を立てながらコーヒーを注ぐ、
 そして、同じデザインのカップで同じ味、同じ香りのコーヒーを飲む。

 
 共有した音、デザイン、味、香りが、場の雰囲気を整えてくれた。


 会議はスムーズにスタートし、
 活発な意見交換の中から今後の進むべき方向への結論が導き出された。


 スタバのコーヒーが会議の成果に影響を与えたかもしれない・・・。

 


 今週は、スタバの有価証券報告書から学ばせていただきます。

 

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 ◆スターバックスコーヒーのミッション
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 【Our STARBUCKS MISSION】


  To inspre and nuture the human spirit ---

    Our person,one cup,and one neighborhood at atime.


    人々の心を豊かで活力あるものにするために ---
 
  ひとりのお客様、一杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティーから
 

 (出所 http://www.starbucks.co.jp/company/mission.html 2010/12/04)


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 ◆有価証券報告書からの学び
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 有価証券報告書 ‐ 第15期 -平成21年4月1日‐平成22年3月31日-
 ( http://info.edinet-fsa.go.jp/  EDINETコード:E03382 で検索)


【概況】

 ●わが国の経済は、堅調な新興国需要や政策効果によって、輸出や生産などの
  一部指標に持ち直しがみられた。
 ●しかし、企業の設備投資や雇用及び賃金の悪化が続いたため、個人消費の回復は
  足取りが重い状態で推移した。
  ●スペシャルティコーヒー市場においても、低迷する個人消費に、長引く消費者
  の低価格志向とデフレの影響が相まって客数が減少するなど、厳しい経営環境が
  続いた。
 ●このような状況の下、
  当社の強み及び特長であります「最高のコーヒー」「くつろげる空間」
  「パートナーによる魅力的なサービス」を生かした「サードプレイス(お客様の
  職場と家庭との間にあって、いつでも安心してくつろげる第三の場所)」
  の提供を一層強化し、ブランドの差別化に努めた。

【経営成績の分析】
 
 1)売上高

 ●売上高は前事業年度比0.5%増の97,078百万円。
 ●この増収は、継続的な新規出店によるもの。既存店売上高は、取引件数の伸び
  悩みにより、前事業年度比94.7%にとどまる。

 2)営業利益 

 ●営業利益は6,441百万円となり、前事業年度比16.9%増。
 ●売上原価は、原材料価格の低減施策及び品揃えの最適化等の改善効果が大きく
  表れ、売上原価率が27.4%と前事業年度比2.2ポイント減。
 ●販売費及び一般管理費につきましては、業務効率化による経費節減に引き続き
  努めたものの、店舗環境及び人材への投資拡大による経費の増加等により、
  販売費及び一般管理費率が65.9%と前事業年度比1.2ポイント増。


【課題-環境分析-】

 ●個人消費が伸び悩む中、スペシャルティコーヒー市場は細分化が進んでいる。
 ●お客様の嗜好や消費購買行動が多様化している。
 ●店舗への期待や要望がより高まっているものと認識している。

【課題への対応】

 1)既存店舗の収益性を伴う成長

 ●「最高のコーヒー」を機軸としたビバレッジやフード類を強化していく。
 ●店舗内外でのコミュニケーションを通じた魅力を訴求していく。
 ●サードプレイス環境を更に高める店舗改装、店内サービスや商品の質を
  より向上させるための設備・機器類の導入及び教育プログラムの充実を
  戦略的かつ計画的に進めてていく。

 2)魅力的な店舗開発の継続

  ●多様なニーズを的確に捉えたうえで、ポートフォリオのバランスを勘案し
   つつ、様々な形態の魅力的な店舗の開発を進めていく。

 3)イノベーションを加速する組織基盤の強化

 ●中長期的な安定成長を目指し、革新性を持って市場をリードしていく。
 ●日本オリジナルのイノベーションを創出する組織機能を総合的に強化していく。


【事業等のリスク】

 1) スターバックス・コーポレーションとの関係について

 ●スターバックス・コーポレーションからコーヒー豆全量の供給を受けている。
  よって、これらの会社が倒産・企業買収等により現在の形での事業を継続し
  得なくなった場合、事業及び経営成績に重大な影響を与える可能性がある。

 2) 店舗展開について

 ●現状は直営方式による出店が主体となっている。希望する立地へ希望する
  条件で適時に出店できる保証はなく、実際の出店数が出店計画に満たない場合
  には、経営成績に悪影響を及ぼす可能性がある。

 3) 競合について

 ●当社が展開しているスターバックス コーヒー ストアと同じようなコンセプト
  の店舗が他社により展開されている。また、当社の主力商品である
  「スターバックス ラテ」や「フラペチーノ」等と同種の商品は、
  コーヒーショップチェーンはもとより、ファーストフードチェーン等でも
  積極的な販売活動が展開されている。
  これらの状況から取り巻く競争は激しさを増す傾向にある。

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 ◆今号の所感
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 企業ミッションに基く「スターバックス体験」という顧客提供価値と
 その価値提供のための原価、費用とのバランスをどう勘案していくかが
 収益確保の経営課題になると感じました。


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 ◆参考資料・書籍
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□平成23年3月期 中間決算説明会資料[2010/11/10](1.53MB)
 http://www.starbucks.co.jp/file/11101724.pdf
 (このパワポのデザインは、参考になります。さすがです)

□スターバックスを世界一にするために守り続けてきた大切な原則
 http://www.amazon.co.jp/gp/product/4532314348?ie=UTF8&tag=marue-22

□スターバックス5つの成功法則と「グリーンエプロンブック」の精神
 http://www.amazon.co.jp/gp/product/4893086693?ie=UTF8&tag=marue-22

□なぜみんなスターバックスに行きたがるのか?
 http://www.amazon.co.jp/gp/product/4062111551?ie=UTF8&tag=marue-22

□有価証券報告書を使った 決算書速読術
 http://www.amazon.co.jp/gp/product/448407236X?ie=UTF8&tag=marue-22

□有価証券報告書の見方・読み方―会社情報の宝庫

 http://www.amazon.co.jp/gp/product/4433254754?ie=UTF8&tag=marue-22

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 *株式会社等の敬称は省略させて頂いております。

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