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【週刊】企業理念 Vol.265 スターバックスコーヒージャパンさまから学ぶ
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経営の先輩達が悩みぬいて確立した企業理念をいろいろな
視点から読み解き、企業理念育成・経営のヒントを学びます。
----------------------------【今号の所感】------------------------------
企業ミッションに基く「スターバックス体験」という顧客提供価値と
その価値提供のための原価、費用とのバランスをどう勘案していくかが
収益確保の経営課題になると感じました。
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先日、早朝から海外のお客様とのミーティングがあった。
会議室に入ると、
スターバックスのポットサービスが運ばれていた。
本題に入る前に、
各自が紙カップに同じ音を立てながらコーヒーを注ぐ、
そして、同じデザインのカップで同じ味、同じ香りのコーヒーを飲む。
共有した音、デザイン、味、香りが、場の雰囲気を整えてくれた。
会議はスムーズにスタートし、
活発な意見交換の中から今後の進むべき方向への結論が導き出された。
スタバのコーヒーが会議の成果に影響を与えたかもしれない・・・。
今週は、スタバの有価証券報告書から学ばせていただきます。
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◆スターバックスコーヒーのミッション
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【Our STARBUCKS MISSION】
To inspre and nuture the human spirit ---
Our person,one cup,and one neighborhood at atime.
人々の心を豊かで活力あるものにするために ---
ひとりのお客様、一杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティーから
(出所 http://www.starbucks.co.jp/company/mission.html 2010/12/04)
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◆有価証券報告書からの学び
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有価証券報告書 ‐ 第15期 -平成21年4月1日‐平成22年3月31日-
( http://info.edinet-fsa.go.jp/ EDINETコード:E03382 で検索)
【概況】
●わが国の経済は、堅調な新興国需要や政策効果によって、輸出や生産などの
一部指標に持ち直しがみられた。
●しかし、企業の設備投資や雇用及び賃金の悪化が続いたため、個人消費の回復は
足取りが重い状態で推移した。
●スペシャルティコーヒー市場においても、低迷する個人消費に、長引く消費者
の低価格志向とデフレの影響が相まって客数が減少するなど、厳しい経営環境が
続いた。
●このような状況の下、
当社の強み及び特長であります「最高のコーヒー」「くつろげる空間」
「パートナーによる魅力的なサービス」を生かした「サードプレイス(お客様の
職場と家庭との間にあって、いつでも安心してくつろげる第三の場所)」
の提供を一層強化し、ブランドの差別化に努めた。
【経営成績の分析】
1)売上高
●売上高は前事業年度比0.5%増の97,078百万円。
●この増収は、継続的な新規出店によるもの。既存店売上高は、取引件数の伸び
悩みにより、前事業年度比94.7%にとどまる。
2)営業利益
●営業利益は6,441百万円となり、前事業年度比16.9%増。
●売上原価は、原材料価格の低減施策及び品揃えの最適化等の改善効果が大きく
表れ、売上原価率が27.4%と前事業年度比2.2ポイント減。
●販売費及び一般管理費につきましては、業務効率化による経費節減に引き続き
努めたものの、店舗環境及び人材への投資拡大による経費の増加等により、
販売費及び一般管理費率が65.9%と前事業年度比1.2ポイント増。
【課題-環境分析-】
●個人消費が伸び悩む中、スペシャルティコーヒー市場は細分化が進んでいる。
●お客様の嗜好や消費購買行動が多様化している。
●店舗への期待や要望がより高まっているものと認識している。
【課題への対応】
1)既存店舗の収益性を伴う成長
●「最高のコーヒー」を機軸としたビバレッジやフード類を強化していく。
●店舗内外でのコミュニケーションを通じた魅力を訴求していく。
●サードプレイス環境を更に高める店舗改装、店内サービスや商品の質を
より向上させるための設備・機器類の導入及び教育プログラムの充実を
戦略的かつ計画的に進めてていく。
2)魅力的な店舗開発の継続
●多様なニーズを的確に捉えたうえで、ポートフォリオのバランスを勘案し
つつ、様々な形態の魅力的な店舗の開発を進めていく。
3)イノベーションを加速する組織基盤の強化
●中長期的な安定成長を目指し、革新性を持って市場をリードしていく。
●日本オリジナルのイノベーションを創出する組織機能を総合的に強化していく。
【事業等のリスク】
1) スターバックス・コーポレーションとの関係について
●スターバックス・コーポレーションからコーヒー豆全量の供給を受けている。
よって、これらの会社が倒産・企業買収等により現在の形での事業を継続し
得なくなった場合、事業及び経営成績に重大な影響を与える可能性がある。
2) 店舗展開について
●現状は直営方式による出店が主体となっている。希望する立地へ希望する
条件で適時に出店できる保証はなく、実際の出店数が出店計画に満たない場合
には、経営成績に悪影響を及ぼす可能性がある。
3) 競合について
●当社が展開しているスターバックス コーヒー ストアと同じようなコンセプト
の店舗が他社により展開されている。また、当社の主力商品である
「スターバックス ラテ」や「フラペチーノ」等と同種の商品は、
コーヒーショップチェーンはもとより、ファーストフードチェーン等でも
積極的な販売活動が展開されている。
これらの状況から取り巻く競争は激しさを増す傾向にある。
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◆今号の所感
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企業ミッションに基く「スターバックス体験」という顧客提供価値と
その価値提供のための原価、費用とのバランスをどう勘案していくかが
収益確保の経営課題になると感じました。
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◆参考資料・書籍
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□平成23年3月期 中間決算説明会資料[2010/11/10](1.53MB)
http://www.starbucks.co.jp/file/11101724.pdf
(このパワポのデザインは、参考になります。さすがです)
□スターバックスを世界一にするために守り続けてきた大切な原則
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4532314348?ie=UTF8&tag=marue-22
□スターバックス5つの成功法則と「グリーンエプロンブック」の精神
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4893086693?ie=UTF8&tag=marue-22
□なぜみんなスターバックスに行きたがるのか?
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4062111551?ie=UTF8&tag=marue-22
□有価証券報告書を使った 決算書速読術
http://www.amazon.co.jp/gp/product/448407236X?ie=UTF8&tag=marue-22
□有価証券報告書の見方・読み方―会社情報の宝庫
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4433254754?ie=UTF8&tag=marue-22
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*株式会社等の敬称は省略させて頂いております。
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