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【週刊】企業理念 Vol.267 オリエンタルランドさまから学ぶ
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経営の先輩達が悩みぬいて確立した企業理念をいろいろな
視点から読み解き、企業理念育成・経営のヒントを学びます。
----------------------------【今号の所感】------------------------------
「夢と感動の場・機会」という経験価値を長期継続的に提供するために
中期経営計画にて「フリー・キャッシュ・フロー創出額」を
目標として設定している。
「夢」と「そろばん」のバランス経営が求められる。
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夢がかなう場所
= Where derams come true =
クリスマスには、
このキャッチコピーを掲げているディズニーランドにて、
彼女と、家族と、時間を共にする計画を立てているのではないでしょうか。
大切な人と、素敵な時を過ごすことを夢みながら・・・・
今週は、ディズニーランドを経営するオリエンタルランドさまの
有価証券報告書から学ばせていただきます。
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◆オリエンタルランドの企業使命・経営姿勢・行動指針
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■企業使命
自由でみずみずしい発想を原動力に
すばらしい夢と感動
ひととしての喜び
そしてやすらぎを提供します。
■経営姿勢
1. 対話する経営
2. 独創的で質の高い価値の提供
3. 個性の尊重とやる気の支援
4. 経営のたゆまぬ革新と進化
5. 利益ある成長と貢献
6. 調和と共生
■行動指針
1.探求と開拓
2.自立と挑戦
3.情熱と実行
(出所: http://www.olc.co.jp/company/philosophy/index.html 2010/12/19)
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◆有価証券報告書からの学び
参考:第50期有価証券報告書 平成21年4月1日~平成22年3月31日
http://www.olc.co.jp/ir/pdf/y2010-04.pdf
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【業績等の概要】
●わが国経済は、雇用情勢の悪化や所得減少から個人消費が低迷し、
政府による「デフレ宣言」が出されるなど、厳しい環境が続いた。
●新型インフルエンザの発生などにより、国内旅行者数及び訪日外国人
旅行者数が減少した。
●このような状況の中、売上高は371,414百万円(前年同期比4.6%減)
となったが、入園者数レベルに合わせてコストを低減したことや
開業前準備費用が減少したことなどから、
営業利益は41,924百万円(同4.6%増)、経常利益は40,758百万円(同5.0%増)、
当期純利益は25,427百万円(同40.6%増)といずれも過去最高。
●2つのテーマパークの合計入園者数は、過去2番目の25,818千人(同5.2%減)。
●テーマパークのゲスト1人当たり売上高は9,743円(同0.2%増)。
チケット収入4,206円(同0.4%減)、商品販売収入3,377円(同0.2%増)、
飲食販売収入は、2,160円(同1.5%増)。
【対処すべき課題】
●2013中期経営計画(平成23年度から平成25年度)「Build Up OLC2013」を策定。
●本計画では、長期持続的な成長を可能とする企業価値を創出すべく、
目標値として「3年間累計のフリー・キャッシュ・フロー創出額 1,200億円レベル」 と設定している。
<コア事業(東京ディズニーリゾート)の持続的な成長>
a.新しい価値の創造
[東京ディズニーリゾートのバリュー向上]
●平成23年度に、東京ディズニーシー10周年イベントを展開する。
●新ナイトエンターテイメント「ファンタズミック!」をスタートする。
●平成24年には、映画『トイ・ストーリー』をテーマにした3Dライドアトラクション 「トイ・ストーリー・マニア!」を導入予定。
[収益機会の創造と拡大]
●ゲストの待ち時間を軽減し、満足度の向上を図るとともに収益向上につなげいく。
●ホテル宿泊にファストパスやショー鑑賞券などのパークコンテンツをセット
にした付加価値の高いパッケージ商品を提供していく。
b.マーケットの育成
[両パーク来園の促進]
●「東京ディズニーリゾートファン層の拡大」に向けては、非常に集客力の強い
周年イベントを活用して幅広くファン層を拡大し、ベースアップにつなげていく。
●ファミリー層に対しては、ファミリーエンターテイメント性の高い新規プロダクト
を導入し、ポストファミリー層(主に40代以上のゲスト)に対しては、
バケーションパッケージの販売を強化する。
[海外ゲストの取り込み]
●日本政府を中心に、訪日外国人旅行者数の増加に向けたさまざまな施策が
検討されており、今後大幅に伸びる目標値が示されている。このような
訪日外国人旅行者数の増加という国の施策を機会と捉え、着実に対応していく。
c.コスト・投資の効率化
[ランニングコストの抑制]
●コスト効率化に向けては、購買価格の低減に向けたリバースオークションの
活用などランニングコストの抑制に取り組み、引き続き高いレベルでのゲスト
満足度獲得との両立を実現していく。
[投資額のコントロール]
●テーマパーク事業への投資方針として、今後10年間の設備投資額を設定している。
長期を見据えてのコントロールを強化し、東京ディズニーリゾートの魅力拡充
に向けた新規プロダクト投資と更新改良投資にバランスよく配分していく。
【事業等のリスク】
●ハード面のクオリティ向上に努めて行くが、不測の事態により適切な
タイミングでの投資などができず、クオリティが低下した場合、
入園者数の減少などにより業績に影響を及ぼす可能性がある。
●不測の事態によりキャストの人員不足などが生じ、クオリティが低下した場合、
入園者数の減少などにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。
●万一の事故(アトラクション事故、欠陥商品販売、異物混入など)があり、
ゲストに重大な危害が加わる事態が発生した場合には、信頼の低下、ブランドの
毀損及び訴訟などの多額の費用負担などにより、業績に影響を及ぼす可能性がある。
●悪天候が長期に及ぶ場合、一時的な入園者数の減少などによりグループの
業績に影響を及ぼす可能性がある。
●国内外の大規模集客施設などにおいてテロ事件などが発生した場合、
また、治療方法が確立されていない感染症が流行した場合、レジャーに対する
消費マインドの冷え込みなどが想定されることから、
一時的な入園者数の減少などにより業績に影響を及ぼす可能性がある。
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◆今号の所感
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「夢と感動の場・機会」という経験価値を長期継続的に提供するために
中期経営計画にて「フリー・キャッシュ・フロー創出額」を
目標として設定している。
「夢」と「そろばん」のバランス経営が求められる。
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補足:ディズニーランドに行かれる方へ
この入場者数だから、
このぐらいの売上があって・・・、
このぐらいの利益が・・・、
なんてことは考えないで、夢を叶えてくださいませ。
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◆豆計算:ディズニーランドのロイヤルティーコスト
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売上原価明細のその他営業 にある科目より
ロイヤルティー 20,911(百万円)
よって、
営業収益に占めるロイヤルティー比率は、6.8%。
(ロイヤルティー 20,911/営業収益合計 305,425)
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◆参考資料・書籍
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□アニュアルレポート2010
http://www.olc.co.jp/ir/pdf/annual2010.pdf
□社会人として大切なことはみんなディズニーランドで教わった
http://www.amazon.co.jp/dp/4769607695?tag=marue-22
□ディズニー7つの法則―奇跡の成功を生み出した「感動」の企業理念
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4822240967?ie=UTF8&tag=marue-22
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*株式会社等の敬称は省略させて頂いております。
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