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【週刊】企業理念 Vol.272 安川電機さまから学ぶ
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経営の先輩達が悩みぬいて確立した企業理念をいろいろな
視点から読み解き、企業理念育成・経営のヒントを学びます。
──────────────【今号の所感】───────────────
電気自動車(EV)による業界構造の変化の中から
各社、新たなビジネスチャンスを模索している。
新たなビジネスチャンスを発見し、創りだした企業が勝者となるだろう。
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ネットで、
「EV向けモーター1000台受注 安川電機」という記事を拝見しました。
http://www.47news.jp/localnews/hukuoka/2011/01/post_20110118021607.html
安川電機は、「モータ」、「インバータ」、「産業用ロボット」で有名な大手メーカー。
納入先(買い手)は、日本郵便からEVを受注したベンチャー企業のゼロスポーツ社。
従来の、大手○○自動車が車を製造し、系列企業が主要部品を納入するという
業界構造とは異なる。
この記事を読んで感じたことは、「業界構造の変化」。
今週は、安川電機さまの
有価証券報告書から学ばせていただきます。
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◆安川電機の経営理念
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1.品質重視の考えに立ち、
常に世界に誇る技術を開発、向上させること。
2.経営効率の向上に努め、
企業の存続と発展に必要な利益を確保すること。
3.市場志向の精神に従い、
そのニーズにこたえるとともに需要家への奉仕に徹すること。
(出所:http://www.yaskawa.co.jp/company/idea01.html 2011/01/23)
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◆有価証券報告書からの学び
参考・出所:第94期有価証券報告書 平成21年3月21日~平成22年3月20日
http://www.yaskawa.co.jp/newsrelease/2010/10.pdf
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【業績等の概要】
●中国をはじめとしたアジア等の高成長に支えられ、その最悪期を脱し、
緩やかな回復傾向にあるが、全般的には厳しい状況で推移した。
●このような状況に打ち勝つべく、以下の施策を実行している。
・ACサーボモータ・コントローラ、インバータ、産業用ロボット等
の主力商品における、有望市場の開拓と既存市場でのシェア拡大
・トップ率先の営業促進や、潜在需要の大きな顧客への提案による受注確保
・技術開発のスピードアップとシステム対応力強化による新商品の提案加速
・有望市場である中国や新興国への拡販
・コストダウンの徹底・強化による圧倒的な価格競争力の実現
と効率的な生産体制確立
●受注面では、当期後半になりモーションコントロールセグメントを中心に、
中国・アジア市場向けが回復し、国内市場向けも緩やかに回復してきたが、
世界同時不況の影響は大きく、売上は大幅な減収を余儀された。
●売上高2,247億10百万円(前年度比35.8%減)、
営業損失69億77百万円(同277億83百万円減)、
経常損失60億49百万円(同260億73百万円減)、
当期純損失56億99百万円(同125億92百万円減)。
●所在地別セグメントについて、地理的近接度により、
日本、米州、欧州、アジアの4つのセグメントに分類している。
日本では、
売上高1,384億82百万円(前年度比34.1%減)。
米州では、
売上高273億61百万円(前連結会計年度比35.6%減)。
欧州では、
売上高250億29百万円(前連結会計年度比52.0%減)。
アジアでは、
売上高338億37百万円(前連結会計年度比25.4%減)。
【対処すべき課題】
●平成21年度からスタートした中期経営計画“Challenge100”では、
以下を基本方針としている。
・より使いやすく、より人に近い領域へ、人と共存するロボット市場を創造する。
・グリーンエネルギー分野で、最適エネルギー変換技術により新しい価値を創造する。
・既存事業は徹底した効率化と市場対応力強化で、悪環境に打ち勝つ。
●2年目にあたる今年度は、以下の施策を実行。
・成長著しい中国・アジア、新興国市場への拡販加速
・環境エネルギー分野の事業拡大
・徹底的なコストダウンの継続
・競争力のある新商品を市場投入し続けるための、開発体制と商品体系への転換
・常に品質と効率が共に向上し続けるための、
設計、調達、生産、サービスといった全ての業務の最適化
・世界規模で、新たな市場・顧客への販売を加速し続ける仕組みづくり
【研究開発活動】
●サーボドライブ、インバータドライブなどの次世代技術、及び様々な課題の
解決に向けた技術の開発を進めた。
●その成果の一つとして、小形・軽量、高出力・高効率のハイブリッド電気自動車用
モータドライブシステムを開発し、スムーズな加減速と高効率を実現した。
当分野の研究開発費は24億61百万円。
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◆今号の所感
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電気自動車(EV)による業界構造の変化の中から
各社、新たなビジネスチャンスを模索している。
新たなビジネスチャンスを発見し、創りだした企業が勝者となるだろう。
(ポーターの業界分析手法が役に立つかも知れない・・・)
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◆参考資料・書籍
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□2009-2012年度中期経営計画『Challenge 100』
http://www.yaskawa.co.jp/ir/ir_document/Challenge100_web3.pdf
□アニュアルレポート2010(日本語版)
http://www.yaskawa.co.jp/ir/ir_document/annualreport/2010/jp/ar2010.pdf
□ファイナンシャル ファクトブック2010
http://www.yaskawa.co.jp/newsrelease/2010/11.pdf
□電気自動車が革新する企業戦略
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4822221865?ie=UTF8&tag=marue-22
□ポーターの業界分析における5つの力
http://www.nsspirit-cashf.com/logical/5_force.html
http://zukaikikaku.adam.ne.jp/5Force.pdf
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*株式会社等の敬称は省略させて頂いております。
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