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【週刊】企業理念 Vol.266 日産自動車さまから学ぶ
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経営の先輩達が悩みぬいて確立した企業理念をいろいろな
視点から読み解き、企業理念育成・経営のヒントを学びます。
----------------------------【今号の所感】------------------------------
環境変化のキーワードは、次の4つ。
「新興市場」、「手頃な価格」、「環境意識」、「メーカー間の合従連衡」。
この変化への対応の遅れがリスクとなる。
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日産自動車は、EV「リーフ」を12月20日に発売する
と発表した。
「リーフ」の車両価格は376万4250円から。国から補助金が支給され、
実質的な販売価格は298万4250円となる。
日米で2万6000台(日本6000台、米国2万台)の先行予約を受付
けており、すでに日本の追浜工場(神奈川県横須賀市)で生産を始めている。
「リーフ」の投入で、日産は燃費性能を高めたガソリン車、クリーンディーゼル車、
HV、EVと環境対応車が揃った。
志賀COOは「環境戦略は自動車の競争の源泉になっている。顧客がどの環境技術
を選ぶか今の時点で決まっているわけではないので、一つ一つ前進する技術を作っ
ていきたい」と語っている。
日産のグリーンプログラム2010によれば、
http://www.nissan-global.com/JP/ENVIRONMENT/GREENPROGRAM_2010/
EVの比率は、2050年で約25%。
ってことは、40年後で、4台に1台がEVってこと。
2009年度の日産のグローバル販売台数は、380万台。
http://www.nissan-global.com/JP/DOCUMENT/PDF/AR/2010/AR2010_J_P18_Sales_Performance.pdf
ってことは、2011年度のEVの販売比率は、約0.7%。
このあたりの量的感覚を持っていることが必要だろう。
今週は、日産自動車の有価証券報告書から学ばせていただきます。
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◆日産自動車のビジョン&ミッション
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【ビジョン】
日産:人々の生活を豊かに
【ミッション】
私たち日産は、独自性に溢れ、革新的なクルマや
サービスを創造し、その目に見える優れた価値を、
すべてのステークホルダーに提供します。
それらのルノーとの提携のもとに行っていきます。
(出所 http://www.nissan-global.com/JP/COMPANY/MESSAGE/VISION/ 2010/12/12)
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◆有価証券報告書からの学び
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有価証券報告書 ‐ 第111期 -平成21年4月1日‐平成22年3月31日-
http://www.nissan-global.com/JP/DOCUMENT/PDF/FR/2009/fr2009.pdf
【業績等の概要】
●当連結会計年度における業績は、売上高7兆5,173億円と前連結会計年度に
比べて9,197億円(10.9%)の減収。
●営業利益は3,116億円となり、前連結会計年度の営業損失1,379億円に対し
4,495億円改善。
●営業外損益は1,039億円の損失となり、前連結会計年度に比べ690億円悪化した。
これは主に為替差損益が前連結会計年度の為替差益から為替差損に悪化、
持分法による投資損失の悪化等によるもの。
●当期純利益は424億円となり、前連結会計年度の当期純損失2,337億円に対し
2,761億円改善。
【課題-環境分析-】
●平成22年度のリスクは、円高、原材料価格の高騰及び先行き不透明な
世界市場が挙げられる。
●一方、好機は、為替レートの好転、中国市場の拡大及びアライアンス・
パートナーであるルノーとのシナジー創出の加速化、そしてダイムラーAG
とのさらなる戦略的協力である。
【課題への対応】
●グループの強みをさらに強化していくのと同時に、グローバル自動車産業に
影響を及ぼす、キーとなる4つのトレンドに対応する。
●それは、「新興市場の成長」、「手頃な価格のモビリティに対するニーズの拡大」、
「環境意識の高まり」及び「昨今の自動車メーカー間の合従連衡の加速」である。
「新興市場の成長」
●インドでは、アライアンスによりチェンナイ工場での操業を開始し、
インドの国内市場で販売するとともに、欧州、アフリカ及び中東等、
100ヵ国以上の市場に向けて輸出を行う予定。
●中国では、生産能力の増強を行うため、鄭州工場と花都工場を拡張していく。
●ロシアでは、サンクト・ペテルブルグ工場で、ロシア市場の回復に備えた
新型車投入の準備を進める。
●中東では、湾岸諸国での販売網強化と新型パトロールの投入で攻勢をかけていく。
「手頃な価格のモビリティに対するニーズの拡大」
●新しいVプラットフォームを採用するグローバルコンパクトカー・ラインアップは、 当社の品質基準を満たし、全世界のお客様に提供される。
「環境意識の高まり」
●当社とルノー(ルノー・日産アライアンス)は、
量販型の電気自動車のパイオニアであり、ルノー・日産アライアンスとして、
8車種の電気自動車が発売される予定であるが、
その最初のモデルが「日産リーフ」である。
●この手頃な価格の量販型電気自動車を支えるのは、年間50万台にも及ぶ
バッテリー及び電気自動車の生産能力である。
●電気自動車以外の従来の内燃機関搭載車両においても、低炭素・低排出ガス技術
の分野において強化しており、これは、ゼロ・エミッション戦略を補完すると
ともに、商品ラインアップの強化につながる。
「自動車メーカー間の合従連衡の加速」
●ルノーとの11年にわたるアライアンスを通じ、競争優位性を維持しており、
ルノー・日産アライアンスは当社グループの中心的な戦略であり続けている。
●アライアンスによって、規模の利益を効果的に享受し、
戦略を効率的に遂行するとともに、単独ではなし得ない多くの好機に恵まれ
ている。ルノー、そして新たに加わったダイムラーAGとの協力が、
当社グループの本格回復に寄与し、今後の成長を支えると考えている。
【事業等のリスク】
1.世界経済や景気の急激な変動
(1) 経済状況
●製品・サービスの需要は、それらを販売している国又は地域の
経済状況の影響を強く受けている。従って、日本、アメリカ、ヨーロッパ、
アジアなど、主要な市場における経済や景気及びそれに伴う
需要の変動については、正確な予測に努め必要な対策を行っているが、
世界同時不況など予測を超えた急激な変動がある時は、業績及び財務状況に
影響を及ぼす可能性がある。
(2) 資源エネルギー情勢
●原油価格の高騰など資源やエネルギー情勢の急激な変化により製品・サービス
に対する需要も大きく変動する。
予測を超えた急激な変動がある時は業績の悪化や機会損失の発生等、
業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性がある。
2.自動車市場における急激な変動
●自動車業界は世界規模で非常に厳しい競争にさらされている。その競争に打ち
勝つべく、お客様のニーズにあった製品を素早く提供できるように
技術開発・商品開発や販売戦略において努力しているが、
お客様ニーズに合う製品をタイムリーに提供できなかったり、
環境や市場の変化への対応が不十分な場合には、業績及び財務状況に影響を
及ぼす可能性がある。
例えば、資源エネルギー問題や環境問題により、需要が激減したり、
ある特定の商品への偏った需要が発生しうる。また、成熟市場では人口の
減少や少子高齢化の進行により需要が減退したり変化したりする一方で、
新興市場では大きく需要が増える可能性もある。
これらはビジネスチャンスとして有利な結果をもたらす可能性もある一方、
特定商品や特定地域への過度な依存が発生し次なる変化への対応が十分に行われない 場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性がある。
3.金融市場に係るリスク
(1) 為替レートの変動
●世界18カ国・地域で完成車の生産を行い、160カ国以上の国々で製品を販売
している。それに伴い、原材料や部品、サービスの調達も多くの国で行っている。
連結財務諸表は日本円で表示するため、一般的に他の通貨に対する円高は
当社グループの業績に悪影響を及ぼし、反対に円安は好影響をもたらすことになる。
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◆今号の所感
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環境変化のキーワードは、次の4つ。
「新興市場」、「手頃な価格」、「環境意識」、「メーカー間の合従連衡」
この変化への対応の遅れがリスクとなる。
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◆参考資料・書籍
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□いま、日産で起こっていること―躍進する企業の戦略と実行力
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4478380414?ie=UTF8&tag=marue-22
□ターンアラウンド ゴーンは、いかにして日産を救ったのか?
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4492501088?ie=UTF8&tag=marue-22
□有価証券報告書の見方・読み方―会社情報の宝庫
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4433254754?ie=UTF8&tag=marue-22
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*株式会社等の敬称は省略させて頂いております。
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