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1/19(土)~25(金)は英語吹き替えだし。
英語版はキアラ・マストロヤンニ 、
カトリーヌ・ドヌーブ、ジーナ・ローランズ、
ショーン・ペンらが参加しているようです。
公式サイト
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イランというとホメイニ師と真っ黒なブルカくらいしか
思い浮かびません。この映画を通して、イスラム革命、
イラン・イラク戦争、戦後復興の間、イランのインテリ階級
がどんなことを考え、どういう生活をしていたのか、ちょっと覗くことが出来たかな。
というのも主人公マルジはテヘランで育ち、政府により閉鎖されるまでフランス語学校の
リセに通っていたということは、恐らくイランの中でもかなり上流階級に位置していたと
思うので、ある一面からしか描かれていないように感じたから。
この映画、ハリウッドで実写化される話もあったそうなのですが、モノクロの
アニメーションで しかも原作者が自ら映画を作製することが出来て良かったし、
正解だったと思います。
マルジと祖母のやりとりも印象的でしたが、何よりも印象的だったのは マルジの結婚式
で母親が「この世界から抜け出し、自由な環境で勉強し教養をつけ 自立して欲しかった
のに21で結婚するなんて・・・(台詞はうろ覚えです)」と涙するシーンです。マルジの
両親が若い時分は外で独身男女が手をつなぐことが問題にならなかったけれど 時代が
変わり、宗教上からボーイフレンドと手をつないだところが見つかると罰金を払うか
捕まるか、そんな状況から抜け出すためにも結婚することにしたわけなのでした。
授業に間に合わないから走っていると 「走っている後ろ姿(お尻)が卑猥である」と
注意されたり、その宗教に身を置いてみないと理解できないことが一杯出てきました。
自分の知らない世界を知ることが出来ました。
劇中、マルジのお母さんが「外は40度の暑さだっていうのに
こんなスカーフしないといけないだなんて」とぼやくシーンや
家の中でスカーフをしたままのマルジにおばあさんが
「さっさとスカーフを取ってちょうだい!」というシーンが出てきます。
現地の女性の中にも不快感を持ている人はいるんですね。
それぞれの宗教で信仰に基づいた様々な取り決めがあります。
傍からとやかく言えることではありませんが、見ていて 頭の中が
?マークでいっぱいになる場面もありました。理解することは無理
でも文化や習慣の違いをこの映画で感じることが出来ただけでも
見てよかったなあと思っています。映画の内容もとても面白く、今度イランの歴史の本を読んでみようかなと興味も持ちましたし。
それにしてもmaakaさんはいろんなところを旅行されているのですね。
恐らく楽しんでいただける映画だと思いますので、
是非ご覧になって欲しいです。
久びさお邪魔し、興味ある記事を読ませていただき、96年頃のイラン旅行を懐かしく思い出しました。
夏というのに、ヘジャブとかいうスカーフで頭髪を必ず覆ってなくてはならず、頭痛のしたこと。そして不快に耐え切れず、ヘジャブが自然にずり落ちたままにしていると、雇ったイラン人男性のガイドさんがその度「ヘジャブをしてないと、連れのイラン人の私が罰せられますから、かぶって下さい」と怯えていっていたこと、そして彼がこのまさにこのマルジのように没落階級で旧仏・リセの出自であったことを思い出しました。
是非、映画を見てみたいです。