歳を重ねると楽しいとか賢くなるとか・・・・みんな戯言なんだよ。

感じるままに、赴くままに、流れて雲のごとし

中央沿線ライブハウス気質・・・スリー

2013-12-14 | 音楽

そう、1969年以降のこのあたりは学生の恰好の棲家であった。

バンからでもなく、限りなく軟派な学生たちで溢れて、愛と自由を叫んでいたあの頃・・・・

高円寺、荻窪、阿佐ヶ谷・・・武蔵野たんぽぽ団なる素敵なバンドも暮らしていた。

のどか・・・というしかないそんな時代。

確かに「文化」だったんだろう。結局は所得倍増計画、列島改造論、バブルと経済至上主義一色となる流れ。

そんな中で、音楽文化は少しづつ根付いていたんだろう。

そんな時代に生まれたのがこの店なんだろう。

しかし店はオーナーのものでもなくミュージシャンのものでもなく・・・・この地域のモノなんだ。

 

そんなことをフト思い返しているうちに1曲目が終わる予感も緊張感もなく終わった。

礼儀で拍手はする。

また、MCが始まる。

何を言っているのか全く分からない。思考停止状況。でもお客は静かに笑を送っている。

仲間内だけにしか通じないジョークはジョークではないのに・・・・・

「まあ、そんなに固いこと言わないで、リラックスして私の演奏をきいてくださいよ・・・そんな緊張されると私が困っちゃいますよ」

まさか、口にしていないけれど、そんな心の声が聞こえてきたんだ。

僻みや妬みではない。

緊張している心身をほぐすのはミュージシャンの技量。

そんな気持ちとは裏腹に進行していくステージ。

で、次なる演者はコーラス女子2名とリード。片手にIpad。

歌うは「アントニオの歌」。しかも、ガンミしながら歌われた。そして、取り出したるアルトサックス。

ピアニッシモになると音が鳴らない。でも、平気なんだ。

これも余興ですわ・・・のような雰囲気で、平然と吹いてしまう。

もう、僕も、限界に達しつつあった。

お客はそれでも、楽しそうに聞いている。ノッテいるフリをしているのかノッテルのか・・・・意味不明。

 

もうこのムードには耐えられない。

隣の男女はなにやら怪しげな雰囲気を醸すし、下品な目線で語り合うし、

難しそうな顔で不気味なリズムを刻む一人客。

まさに異空間に入り込んだ自分を嘆くしかなかった。

あと、2~3曲は演奏があったんだろう。覚えてはいない。

 

でも、僕の友達の友達のギターはとてもよくて、素晴らしかった。

せめてもの救いだった。

そんなわけで、ブレイクに入った途端に、決心してしまった。

やっぱり、彼女に会いに行こう。約束を撤回して、ケータイを握りしめた。