みゆみゆの徒然日記

日本の伝統芸能から映画や本などの感想、
心に留まった風景など
私の好きなことを綴っているブログです♪

松竹大歌舞伎 東コース

2007年07月28日 | 歌舞伎
 7月27日沼津市民文化センターの夜の部の公演を見に行ってきました。巡業は近いし、安いし、良質の舞台を見ることができるので嬉しいです。一等席で6千円ですし!!今回は売り出し時に5~6列目の真ん中の席がなく、最前列があったので最前列いわゆる「かぶりつき」で観劇しました。

一・清元 『玉兎』
 初めて見た舞踊です。照明を落とし、うっすらとした舞台真ん中にはまん丸お月様。月でお餅をつく兎の姿が浮かび、微笑みモードです。染五郎さんの玉兎は可愛かったです。特にあの鉢巻(?)が兎の耳みたいで・・・。かちかち山をモチーフにした踊りはとても楽しかったです。

二・『仮名手本忠臣蔵 祇園一力茶屋の場』
 開演前に吉之助さんによる解説がありました。黒幕に舞台写真パネルがあり、忠臣蔵の史実の名前は芝居だとこういう名前になるとか、それまでの経緯の説明がありました。通しじゃないと、初見の人には七段目だとおかるがなぜ祇園にいるか分からないと少しきついと思うので、こういった試みは単独上演の時にはなかなか面白いと思います。

 二月の歌舞伎座で丸一日かけて通しを観劇しました。(その時の感想記事はこちらから。昼の部の感想夜の部の感想)私は今回の七段目を含めて3回七段目を見ていますが、3回とも吉右衛門さんの由良之助です。(うち2回は玉三郎さんのおかるです。)なので、すっかり私の中では由良之助役者といえば吉右衛門さんなんですよね。巡業の一番のお目当ては吉右衛門さんの由良之助ですし(笑)今回の公演は芝雀さんのおかる、染五郎さんの平右衛門、吉五郎さんの斧九太夫という配役です。

 省略箇所が何箇所かありました。由良之助の冒頭の遊興シーン、由良之助が力弥から密書を受け取る場面、冒頭の平右衛門とのやり取りなどはカットです。時間と人員の関係でしょうか。くぅ・・・あの由良之助の目隠し鬼ごっこ好きなのに(苦笑)鷺坂判内と九太夫が一力茶屋へやってくる場面から始まります。
 酔っ払ったといい、一人になり顔世御前からの手紙を読むシーンは短縮バージョンだとちょっと唐突でしょうか?力弥の場面は欲しかったなぁ・・・。縁側で由良之助が密書を読み、2階から鏡で手紙を盗み読むおかると、縁の下で九太夫が盗む場面は絵になりますね・・・。
 吉右衛門さんの由良之助は酔っ払っているんだけど、本性を見せるところは本当に凄いです。ああ、できることなら短縮バージョンじゃないので見たかった(しつこいですけど・・・。)芝雀さんのおかるは初めて見ましたが、かわいらしかったです。染五郎さんの平右衛門は初役ながら健闘していました。ただ、声がところどころ掠れていたのと、どう見てもお兄さんじゃなくて弟っぽい・・・・・。
 短縮バージョンでしたが、とても良かったです。


三・長唄『太刀盗人』
 これも初めて見ました。狂言の『茶壷』と『太刀奪』を元に作られた歌舞伎舞踊です。なかなか面白かったです。歌昇さんのすっぱが格好も仕草も面白いです。盗み聞きしたりごまかしながら舞ったりいかにも「すっぱ」です。悪事がばれて逃げ出す最後も面白かったです。
<追記>狂言の『茶壺』は見ていました。そういえば、すっぱが真似する相舞あったなぁ・・。



 おみやげコーナーもあり、吉右衛門さんのサイン入りガーゼてぬぐいが3枚1000円でした。パステルカラーで素敵です。家紋をモチーフにした蝶々の柄もまた素敵です。筋書きも全部カラーでなかなか素敵でした。



 あと、終演後は同じ敷地内の武道場で弓道の稽古をしている弟の稽古見学をするために移動していたら、こんなトラックを発見しました。弟は「ある意味デコトラだよね~」って(笑)7時過ぎでしたので暗くて、ボケボケですが。。。これで全国を巡業していたんですね。お疲れ様です。走っている姿も見たいです(笑)