ヤマアカガエルの産卵に春を知る日

山里の日々の生活と自然、そして稼業の木工の話

ブラックウォールナットの学習机

2023年02月16日 | 木工
ブラックウォールナットの学習机を作りました。


お話しの前に、

今年はヤマアカガエルの産卵はなさそうです。

池はほぼ干上がり、草が生えています。

桑の大樹が倒れたからではなく、雨が少なく山が乾いているからではないかというのが私の推測です。

ブログの表題に偽りあり、ですね。







今回の表題の学習机です。W1000×D650×H720mm

良質なウォールナットを在庫の中から選びました。






なかなか写真では伝わらないですが、縮み杢が出ています。甲板は二枚剥ぎ。






引き出しを開けたところ。引き出しは樺(カバ)、ツマミの材は槐(エンジュ)。

袖引き出しはキャスター付き。

下の引き出しはスライドレール付き。








組み立て前の記念撮影。

中はわりと複雑な構造なので、加工には気を遣います。






図面です。




ご入学のお孫さんへの贈り物だそうです。

一見地味な机ですけれど、長じるにつれてだんだん良さがわかって頂けるような机だと自負しています。






お馬さんの名札

2023年01月31日 | 木工
お馬さんの名札を作るご注文です。

変わったお仕事ですね。好きです、こういうの。







馬型の板に名前を書くので、まずラフスケッチ。

古今東西の馬の絵を参考にします。

中国漢時代の画像石、ヨーロッパ石器時代のデコイ、日本の埴輪、ウェブ上の写真などなど。






↑お客様に最初に提示した図案です。
名前は消してあります、…


右下のもので、障害を飛び越えるようなものにしようということになりました。






それを受けて私から出した案はこれです。






たてがみや尻尾に躍動感のあるもの、とお客様から返事がありました。







できたものはこれです。

額の白斑がチャームポイント。



だいたい5層のレリーフになっています。

一番高い所は左耳だけ、次はたてがみと蹄と目。あとは胴体、脚などとなります。






蹄鉄にちょっとイタズラを。





厩舎に着けていただきました。

お馬さんも不思議そうに見てます。


円形テーブルの製作

2023年01月20日 | 木工
丸いテーブルを作りました。




直径は110cm。

白い木がお好みとのことでしたので、材はマカバです。

在庫の中から選りすぐりの長さ220cm巾30cm程の板を二枚選んで真ん中で切った板を四枚剥ぎにした天板です。



普通のテーブルは巾が90cm程ですが、円卓は直径が110~120cm程無いと狭く感じます、

一人分の使える面は扇形ですので。

あと、脚のデザインも難しいです。真ん中に立てるか、四隅に付けるかなど。










お客様が撮った写真を頂きました。

お使いになっている感じが伝わるいい写真ですね。






こちらが図面です。

国産ミズナラのテーブルセット

2022年12月07日 | 木工
国産ミズナラ材のテーブルと、鬼胡桃材の椅子のセットを作りました。





テーブルの長さは2m、センター2枚剥ぎで巾は中央で86cm、高さは65cm。

椅子の座高は35cm程で、全体に低めになっています。

脚も10cm角程の材を使い、テーブルトップに直接に付けています。





テーブルトップの木取りです。


この材はかなり前、多分15年程前に丸太1本分をまるまる買った物の最後のものです。

ミズナラは出来た品物は綺麗なんですが難しい材で、放射組織が乾燥時に割れやすいという性質があります。
放射組織とは丸太の中心地から文字通り放射状に伸びる組織で、いわゆる年輪と直交する組織です。これば柾目に挽くと美しい虎目の班になりますが板目に挽くと板の中央に小割れが生じるという厄介なものです。

まだそのことをよく知らない時に、大きなミズナラの丸太を買って巾広の板目に挽いて「これですごいテーブルが出来るぞ」とほくそ笑んでいたら、細かく割れてしまい使いものにならなかったという痛い目にあったのことがあります。高い授業料でした。

しかしたまに板目に挽いても割れない良い子がいます。この材はそんな板でした。

長さは3m、巾が50cm程の板でしたが、木口の割れやサップ(白太)を去って、このテーブルにちょうどよい寸法になりました。


国産のミズナラはもう市場にも見当たらず、もしあっても手の届かない値段になるでしょう。

材木資源が枯渇しつつある現在、このようなテーブルはもう作れることはあまりないと思います。



よいテーブルセットが出来たと自負しています。

大きな安楽椅子

2022年10月29日 | 木工
大振りな安楽椅子を作りました。







高さ90cm 巾80cm 奥行き80cm 座高は35cm くらい。

材は栗です。





座面の奥行きが60cmもあります。






背もたれも緩くカーブしていて背中に添うようにしています。





肘掛けが付くところにはスリットを設けてペーパーコードを通して座面を編んでいます。


面積にすると普通の椅子の座面の3倍はあります。



いつも作る椅子とはかけはなれた形と寸法です。

この椅子を注文して頂いた方は巨人ではなく小柄な婦人ですが、なかり綿密な相談をしました。

横座りして座るので深くて広い座面が欲しいとのことで、この様になりました。

縦基調の背もたれの形状にもこだわりがあります。





図面です。




5分の1スケールの模型です。

立体になった時のイメージがわかります。

人形も5分の1のサイズの物を使っています。

この模型に付いている畳擦りはご希望で無くなりました。





組み立て前の部材です。