ヤマアカガエルの産卵に春を知る日

山里の日々の生活と自然、そして稼業の木工の話

ロッキングチェアのソリの取り付け

2012年05月10日 | 木工
工房の庭に鹿の角が落ちていました。



地元の人の話では、山でよく拾うそうですが、両角揃ったものは拾えないそうです。
いつも8時くらいまで仕事をしていますが、工房から外に出ると、がさがさと鹿が山に逃げてゆく音が聞こえ、
懐中電灯で照らすと暗い山の中に目が光って見えます。





ロッキングチェアにソリを付ける作業をしました。
椅子自体はいつも作っているものです。
このロッキングチェアは安楽椅子というよりは普通の椅子にソリがついた感じ。


ソリを付ける作業は完全手作業になります。
ベニヤの型を置いて墨をして、ほぞを作ります。



自分の手の写真を見てびっくりしました。
職人のような手です。(当たり前か。)




このような仕口になります。




一次的な加工を終えて組んでみたところです。
ソリと足の隙間ができてしまうのは織り込み済みです。
三次元的なものをくっつけるので、機械加工ではうまく付きません。
これをノミや鋸を使ってぴったりに修正します。
穴の位置なども、どんなに計算しておいても多少の誤差が出てしまいますので、
ほぞが出来てから付けてみて、それに合わせてソリの穴の位置を決めるようにしています。




こんな感じにきれいにつくようにします。




下面から楔を打って固定します。




今回は2脚作りました。普通は最後に座面を編むのですが、今回は事情があってソリを付けるのが最後になりました。
このソリの材を取るのには90mm角相当のものが必要です。贅沢でしょう?