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山里の日々の生活と自然、そして稼業の木工の話

ベンチの制作 その2

2013年06月14日 | 木工
ベンチ作りの続き。



今回のベンチは長さが160cmあって、座面や背もたれもの部材も155cmほどあります。
それほど大きいくて重い部材になると、加工の仕方もちょっと変わってきます。
小さくて軽いものだと容易に機械で加工できるようなことも同じようにはいかなくなります。






機械の上に立てて背もたれのホゾを加工します。
こんな長いものを立てて加工することはあまりありません。
ちょっと緊張します。
普段はもっと下げて吊ってある照明を天井近くにまで引き上げました。
そうしないと照明と部材が当たってしまう。







細かい加工も部材を据えてするしかありません。
これは肘掛のほぞと干渉する背もたれのホゾの部分を切っているところ。







肘掛けと背もたれはこんなホゾで付きます。
背もたれのホゾと肘掛けのホゾが当たってしまうのが分かります。
そこは譲り合い。







これは座面の加工です。
四本の脚に囲まれるように座面が付くのでその部分を切り落とします。
例によって座面の板がでかいので、据えておいて加工します。
定規を使って丸鋸で切ります。
こうすると真っ直ぐ切ることができます。
カッコウ付けず、なるべく機械を使います。その方が綺麗で早いから。
機械でできることは手でしないことにしています。







丸鋸では切り落とすまでは切れません。ご覧の様に残りますので、あとは手鋸で切ります。







一人掛けの方はこんな風にあっさりと工作機械で加工できてしまいます。







一週間ほどかけて部材の加工が終わりました。
加工が済んだ部材を並べて眺めるのが好きです。







横側から組み立てます。並べて最終確認。
組む順番を間違えると恐ろしいことが起きるので気をつけよう。
ホゾの加工精度などもよく確認します。







組み立てて一晩置きます。
ここではみ出た糊などはきれいにしておきます。
ホゾ穴は次のホゾが入るようにノミでつついて固まった糊を除きます。






最後の組立ては横に立ててやります。
今回のベンチは肘掛もあらかじめ組んであるので、あとから座面を入れることができません。
前後の貫、背もたれと一緒に座面も組むので面倒くさい。
糊を付けての組み立ては大忙しです。
本当はこんなふうにスタンド立ててセルフで写真を撮っている場合ではないんですが、、、







ハタガネで締めて一晩置きます。
締めてるハタガネは2mのものです。







組み立て終了。
後は塗るだけです。







このベンチのデザイン的なこだわりはこの辺りのディテールです。





駆け足でベンチの制作のあらましでした。