ヤマアカガエルの産卵に春を知る日

山里の日々の生活と自然、そして稼業の木工の話

クリのテーブルセットの制作 その3

2014年07月09日 | 木工
お昼に食事に帰ろうとしたら、工房の庭に何かいます。





アナグマの子供でした。(また!?)




近づいても逃げません。
しばらく腹ばいになってアナグマの子供と遊びました。
フガフガ鼻を鳴らして、アナグマも私に興味があるようでした。






椅子ができたのでテーブルを作りました。









この2枚の板を剥いでテーブルトップを作ります。
材はクリ。厚さは7cmの板です。
長さは1.8mですが、幅が1mというお客様のご希望です。
板を剥ぐとき、普通は幅をそろえて平行に接着します。
例えば50㎝と50㎝で1mとか。

しかし今回の板はそれほど幅がありません。
そこで縦長台形の板を互い違いにして剥ぎます。
狭い方と広い方をくっつけて、なんとか1mの幅の板を作ります。





板は大きく捻じれています。
捻じれを確認して、平らな面を作るとこから作業は始まります。
板の両端に定規を置いてみました。
2㎝ほど隙間ができるほどの捻じれです。





高いとこから削ります。
削ったところが白く見えるので、捻じれているのがよくわかります。





苦労して2枚の板を平らにして厚さをそろえて剥ぎ合わせます。
7㎝の厚さの板が5㎝になってしまいました。





四隅をそろえ、鉋で仕上げ、面を取ったりしてテーブルトップを仕上げ、オイルを塗りました。




この板、木口を検分した時に染みがあったので、それほど良い板ではないかもと思ったのですが、
仕上げてみると個性的な木目の素晴らしいテーブルになりました。

この「木の味」のようなことはなかなか写真ではお伝えしにくいです。
実物を見て、触れていただければ、この木の持つ表情や質感の美しさがお分かりになっていただけると思います。
このような素材に出会ってお客様にお渡しすることができるのが、
無垢の仕事をする者にとっての大きな喜びの一つです。



せめて木目のわかる写真を載せてみましょう。











コメント
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