ヤマアカガエルの産卵に春を知る日

山里の日々の生活と自然、そして稼業の木工の話

食器棚の制作 その2

2015年10月18日 | 木工
雨上がりの早朝、打ち合わせのために県境を越えて秩父地方に行きました。





トンネルをくぐって見下ろすと、これから通って行く谷筋が見えます。

遠くに武甲山があり、秩父の市内はまだ霧の中にあるのがわかります。






途中に名峰・二子山もあります。







今回のお話はまず丸太があり、作るものの図面をひいてからそれに合わせて丸太を製材をするというものです。

何を作るかを決めて、そのための材を丸太の製材から始めるというようなことは初めてです。
ワクワクします。





これがそのためのケヤキの丸太です。

色が濃くて目の詰んだ丸太です。




この切り口をよく見て木の質を吟味します。



どのような板が必要なのかは図面が決まればわかりますので、
この丸太をどう製材すればそのような板がとれるのかを検討します。

もっとも、製材した後に材を十分に乾燥させる必要があるので、
実際の制作は何年も先になります。






この丸太はついでに頂けることになりました。
槐(えんじゅ)です。




伐った後にもこのように葉っぱが生えてくることがあります。








さて食器棚の制作ですが、なかなか苦労をしています。







一週間以上かけて、ひたすら家具の部品になるパネルを作る作業をしてきました。

部品が数も種類もとても多く、かなり頭がこんがらがっています。






パネルの部品をを一組並べてみました。





それがこのようなパネルに組みあがります。

クラシックなドアのような構造です。

写真のもので長さが165cm、幅が65cmあります。


このパネルが食器棚の側板や天板、棚板などの部品になります。

65cmという深い奥行きの食器棚ですので、手をかけてこのような構造にすることにより無垢の木の収縮の影響を最小限に抑えることができるのです。

よくある家具ならばべニアを買ってきて切ればできてしまうようなところなのですが、
無垢材にこだわる家具製造業者としてはそういうわけにはいきません。





それぞれの部品になるパネルを作り終え、箱状に組み立てる前の段階までは出来上がりました。


まだまだ家具としての形が見えてきませんね。