宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

【三大流星群】この夏もペルセウス座流星群がやってくる! 2023年の見頃はいつ? どの方角を見ればいいの?

2023年07月27日 | 流星群/彗星を見よう
夏の風物詩“ペルセウス座流星群”が今年もやってきます!

12月の“ふたご座流星群”や1月の“しぶんぎ座流星群”と共に三大流星群と呼ばれているのが“ペルセウス座流星群”なんですねー
年間でも1,2を争う流星数を誇っています。

2023年の“ペルセウス座流星群”の活動が最も活発になる“極大”を迎えるのは、8月13日(日)17時頃だと予想されています。

ただ、この時間帯は、まだ日も高く日本では観察できません…
でも、前後の時間帯にはそれなりに多くの流星が見られるはずです。

普段より目立って多くの流星を見ることができるのは、11日の夜から14日の夜までの4夜ほど。
いずれの夜も、21時頃から流星が出現し始め、夜半を過ぎて薄明に近づくにつれて流星の数が多くなると予想されています。

最も多く流星が見られると考えられているのは、14日の夜明け近く
このときに空の暗い場所で観察すると、1時間当たり30個程度の流星を見ることができそうです。

この前日の13日の夜明け近くにも多めの流星が期待され、こちらは空の暗い場所で1時間当たり25個ほどの流星が見られそうです。

“ペルセウス座流星群”の放射点は日没後には北の空に昇ってきます。
時間とともに北の空高くに昇るので観察しやすくなります。

気になるのは、各夜とも夜半過ぎから明け方の時間帯に月が昇って来ること。
でも、下弦(半月)を過ぎた細い月で、月明かりの影響はそれほど気にせず観察ができそうです。

2023年8月10日現在、台風7号の動向や、他の熱帯低気圧の動向、太平洋高気圧の勢力などの予想が難航しているようです。
傾向としては、日本列島付近には南から湿った空気が流れ込みやすいことが予想されるので、晴れる所はあっても雲の出やすい状況になりそうです。
場合によっては雨の降る所もあるかもしれません。
日が近づくにつれて予報が確かになっていくので、こまめに最新の天気予報を確認するのがイイですね。

ペルセウス座流星群と放射点(Credit: 国立天文台)
ペルセウス座流星群と放射点(Credit: 国立天文台)

夜空のどこを見ればいいの?

流星が、そこから放射状に出現するように見える点を“放射点”と呼びます。

流星群には、放射点の近くにある星座や恒星の名前が付けられています。
“ペルセウス座流星群”の場合はペルセウス座の辺りに放射点があるので、この名前が付けられたというわけです。

ただ、流星が現れるのは、放射点付近だけでなく、空全体なんですねー

流星は、放射点から離れた位置で光り始め、放射点とは反対の方向に移動して消えます。
いつどこに出現するかも分からないので、なるべく空の広い範囲を見渡すようにします。

あと、流星の数は放射点の高度が高いほど多くなり、逆に低いほど少なくなります。
なので、放射点が地平線の下にある時間帯には、流星の出現は期待できません。

また、目が屋外の暗さに慣れるまで、最低でも15分間ほどは観察を続けるといいですよ。

レジャーシートを敷いて地面に寝転んだり、背もたれが傾けられるイスに座ったり… 楽な姿勢で観察を楽しんでください。

“ペルセウス座流星群”とは?

“ペルセウス座流星群”は、少なくても2000年近くは継続して観測されている歴史ある流星群です。

記録も紀元前から始まり、様々なところで記録に残っていて、その量はかなり膨大なものになります。

約135年周期で太陽系を巡っているスイフト・タットル彗星(109P/Swift-Tuttle)が“ペルセウス座流星群”の母天体になります。
母天体とは、チリを放出して流星群の原因作っている天体のことです。

現在スイフト・タットル彗星は地球から遠く離れた位置にありますが、彗星から放出されたチリは彗星の軌道に広がって分布しているんですねー

地球は毎年同じ時期に、このスイフト・タットル彗星の軌道を通過。
軌道に残されたチリの帯に突入することで、チリが地球の大気圏に飛び込んで燃え尽きるところを流れ星として見ることになります。


こちらの記事もどうぞ


見ごろはいつ? 活動は? 月明りの影響は? 2022年の“ふたご座流星群”

2022年12月12日 | 流星群/彗星を見よう
今年もあとわずか、三大流星群のひとつ“ふたご座流星群”の時期が近づいてきました。

“ふたご座流星群”は、1月の“しぶんぎ座流星群”や8月の“ペルセウス座流星群”と並び、活動が安定していて流れ星が多いのが特徴です。

今年の極大は12月14日の午後10時頃。
この時間帯に最も活発に流星が流れると予想されています。
極大とは、流星群の活動が最も活発になること。ある場所で見える流星の数には、流星群自体の活動の活発さだけでなく、その場所での放射点の高度や月明かりなども影響する。そのため、極大の日時と、それぞれの場所で多くの流星が見える日時とは、必ずしも一致しない。
ただ、極大予想の14日22時ごろはちょうど月の出のタイミング。
15日の明け方まで、ずっと月明かりの影響を受けることになるんですねー
狙い目は12月14日の空が暗くなってから、東の空から月が出てくるタイミングまで(午後10時頃)。
狙い目は12月14日の空が暗くなってから、東の空から月が出てくるタイミングまで(午後10時頃)。

なので狙い目は、14日の空が暗くなってから月の出まで。
この時間だと暗い空の下で観察することができるので、見晴らしの良いところで1時間当たり20~25個程度の流れ星を見ることができそうです。

22時以降になってしまうと、月明かりの影響を受けることになってしまいます。
暗い流れ星は見えなくなってしまうので、目にできる数は減ってしまうことに…
一晩を通じて、見晴らしの良いところで1時間当たり15~20個程度の流れ星が見えると予想されています。

流星は放射点の方向だけに現れるのではなく、空全体に現れます。
“ふたご座流星群”の“放射点”はふたご座の2等星カストルの近く。
いつ、どこに出現するかは分からないので、なるべく空の広い範囲を見渡すようにしましょう。

月が昇ってきた後の時間帯には、月から離れた方向を広く見渡すと流れ星が見える確率が高くなりますよ。
放射点とは、流星群の流れ星が、そこから放射状に出現するように見える点。流れ星の数は、放射点の高度が高いほど多くなり、逆に低いほど少なくなる。

“ふたご座流星群”の母天体は彗星ではなく小惑星“フェートン”

チリを放出して流星群の原因を作っている天体を母天体といいます。

この母天体の軌道と地球の軌道が交差していると流星群が出現することになります。

そう、地球が母天体の通り道を毎年同じ時期に通過する際に、通り道に残されたチリが地球の大気に飛び込んでくるんですねー
チリは上空100キロ前後で発光、これが流星群です。

母天体の多くは彗星なんですが、“ふたご座流星群”の場合は約1.4年周期で太陽系を巡っている小惑星“フェートン”になります。

一般的に小惑星は彗星のように尾をたなびかせチリを放出することはなく、“フェートン”も現在は活動を停止していると考えられています。
2017年のレーダーによる観測では、“フェートン”のおおよその形や自転周期求められた。さらに、2019年には、“フェートン”が恒星の光を遮る掩蔽が観測され、その直径や形を詳しく探ることができた。
チリが多く集まっていれば流れ星の数も増えます。
ただ、“ふたご座流星群”の場合に考えられるのは、チリが“フェートン”の軌道上の一部に遍在しているのではなく、軌道全体に広がって分布していること。

チリも“フェートン”と同じ軌道を運動しているので、地球は毎年のように多くのチリとぶつかることになります。
なので、“ふたご座流星群”の流れ星は“フェートン”の位置に関わらず毎年多く見られるわけです。


こちらの記事もどうぞ


2021年の年始めは“しぶんぎ座流星群”から! 見ごろはいつ? どこを見ればいいの?

2020年12月12日 | 流星群/彗星を見よう
まだ、“ふたご座流星群”が終わっていないのに次の流星群の話です。
年が明けてすぐには三大流星群のひとつ“しぶんぎ座流星群”が控えているんですねー
“しぶんぎ座流星群”も、8月の“ペルセウス座流星群”、12月の“ふたご座流星群”と並ぶ三大流星群のひとつ。
ただ、毎年安定して多くの流星が出現する“ペルセウス座流星群”や“ふたご座流星群”と比べると、“しぶんぎ座流星群”は活動が活発な期間が短い上に、流星の出現数が年によって変化することで知られています。

見ごろはいつ? どこを見ればいいの? 観察の条件は?

2021年の“しぶんぎ座流星群”の極大は、1月4日の17時頃と予想されています。
極大とは、流星群の活動が最も活発になること。ある場所で見える流星の数には、流星群自体の活動の活発さだけでなく、その場所での放射点の高度や月明かりなども影響する。そのため、極大の日時と、それぞれの場所で多くの流星が見える日時とは、必ずしも一致しない。

ただ、夜半前は放射点の高度が低いので観察には適さず…
観察に適した時間帯は、5日の夜明け前2~3時間になります。
放射点とは、流星群の流れ星が、そこから放射状に出現するように見える点。流れ星の数は、放射点の高度が高いほど多くなり、逆に低いほど少なくなる。
黄色の矢印は“しぶんぎ座流星群”の放射点(2021年1月5日AM3:00)。放射点は“うしかい座”と“りゅう座”の境界付近にある。
黄色の矢印は“しぶんぎ座流星群”の放射点(2021年1月5日AM3:00)。放射点は“うしかい座”と“りゅう座”の境界付近にある。
日本で観察しやすい時間帯が極大から大きくズレているので、それだけ流星の数は少なくなると思われています。

でも、月明かりの影響はなく、観察にはまずまずの条件になりそうです。
見える流星の数は、空の暗い場所で1時間当たり最大20個ほどと予想されています。

流星は放射点の方向だけに現れるのではなく、空全体に現れます。
いつ、どこに出現するかは分からないので、なるべく空の広い範囲を見渡すようにしましょう。

街明かりの中で観察したり、極大ではない時期に観察すると、見ることのできる流星の数は減ってしまうので注意してください。

流星の元になるチリを放出した天体は?

実は、流星群の由来になっている“しぶんぎ座”という名前の星座は今は存在していません。

“しぶんぎ座流星群”の放射点があるのは、“うしかい座”と“りゅう座”の境界付近。
かつて、この辺りに“へきめんしぶんぎ(壁面四分儀)座”という星座が設定されていたので、この名前が付けられています。

また、“しぶんぎ座流星群”の母天体には諸説あり、まだ確定していません。
母天体とは、チリを放出して流星群の原因作っている天体のこと。
最近有力視されているのは、2003年に発見された小惑星番号196256の小惑星です。
でも、この小惑星がどのように流星の元になるチリを放出したのかは分かっていません。

なぜ活動期間が短いの?

地球が彗星の通り道を、毎年同じ時期に通過することで流星群が現れます。

彗星の通り道にはチリの帯が残されているので、それらが地球の大気に飛び込むことで、上空100キロ前後で発光して流れ星として見えるんですねー

ただ、“しぶんぎ座流星群”の元となるチリの帯は、地球の公転面と直角に近い角度で交差するので、地球はチリの帯を短時間で抜けてしまうことに…

このため、“しぶんぎ座流星群”の活動は、“ふたご座流星群”や“ペルセウス流星群”などほかの流星群に比べて、活動が活発な時間(流れ星を多く観測できる時間)が短いという特徴を持っています。


こちらの記事もどうぞ


2020年“ふたご座流星群”の見ごろはいつ? 活動は? 月明りの影響は?

2020年11月02日 | 流星群/彗星を見よう
1月の“しぶんぎ座流星群”、8月の“ペルセウス座流星群”と並び、活動が安定していて流れ星が多い“ふたご座流星群”。

今年の極大は12月14日の午前10時頃。
この時間帯に最も活発に流星が流れると予想されています。

ただ、この時間帯は日中にあたるので、狙い目は13日の夜から14日の明け方にかけて。
12月15日が新月にあたるので、月明りの影響がなく、かなり好条件で流星の観測ができます。

日付が14日に変わるころ、空の暗い場所で観察すれば、最大で1時間当たり55個前後の流星を見ることができるかも。
また、12日や14日の夜も、最大で1時間当たり20個を超える流星が出現すると考えられています。
黄色の矢印は“ふたご座流星群”の放射点。(12月14日AM0:00)
黄色の矢印は“ふたご座流星群”の放射点。(12月14日AM0:00)
いずれの夜も流星は、20時頃から現れ始め、本格的な出現は22時頃から。
夜半を過ぎたころに数が最も多くなり、薄明が始まるまで流星の出現は続くようです。

流星は放射点の方向だけに現れるのではなく、空全体に現れます。
“ふたご座流星群”の“放射点”はふたご座の2等星カストルの近く。
いつ、どこに出現するかは分からないので、なるべく空の広い範囲を見渡すようにしましょう。
街明かりのない空の暗い場所で観察すると、見られる流れ星の数も多くなります。

“ふたご座流星群”の特徴はもう一つあって、それは夜半前からほぼ一晩中流星が出現すること。
“ペルセウス座流星群”と“しぶんぎ座流星群”は、どちらも夜半から未明の時間帯を中心に流星が出現します。

でも、“ふたご座流星群”の流星が出現し始めるのは20時頃という早い時刻。
なので、夜更かしや早起きをしなくても流星観察を楽しむことができますよ。


“ふたご座流星群”の母天体は彗星ではなく小惑星“フェートン”

チリを放出して流星群の原因となる天体を母天体といいます。

この母天体の軌道と地球の軌道が交差していると、地球が母天体の通り道を毎年同じ時期に通過する際に、通り道に残されたチリが地球の大気に飛び込んでくるんですねー
チリは上空100キロ前後で発光、これが流星群です。

母天体の多くは彗星なんですが、“ふたご座流星群”の場合は約1.4年周期で太陽系を巡っている小惑星“フェートン”になります。

一般的に小惑星は彗星のように尾をたなびかせチリを放出することはなく、“フェートン”も現在は活動を停止していると考えられています。
2017年のレーダーによる観測では、“フェートン”のおおよその形や自転周期求められた。さらに、2019年には、“フェートン”が恒星の光を遮る掩蔽が観測され、その直径や形を詳しく探ることができた。

チリが多く集まっていれば流れ星の数も増えます。
ただ、“ふたご座流星群”の場合に考えられるのは、チリが“フェートン”の軌道上の一部に遍在しているのではなく、軌道全体に広がって分布していること。

チリも“フェートン”と同じ軌道を運動しているので、地球は毎年のように多くのチリとぶつかることになります。
なので、“ふたご座流星群”の流れ星は“フェートン”の位置に関わらず毎年多く見られるわけです。


2020年を締めくくる流星群“こぐま座流星群”

もし、“ふたご座流星群”を見逃してしまった時には、12月22日~23日かけて見ごろを迎える“こぐま座流星群”にチャレンジるするのはどうでしょうか。

毎年、12月下旬に活発になる小さな流星群で、極大時刻は22日の午後6時ころ。
ただ、1時間に数個ほどの流星が見られるだけで、見られない年も… 反対に急に活発になる年もあるギャンブルのような流星群なんですねー
母彗星はタットル彗星になります。
黄色の矢印は“こぐま座流星群”の放射点。(12月23日AM0:00)
黄色の矢印は“こぐま座流星群”の放射点。(12月23日AM0:00)
放射点は“こぐま座”の中にあり高度はやや低めですが、一晩中見ることができる流星群。
今年は上弦の月が夜半まであるので、月を視界に入れないように観測してください。


こちらの記事もどうぞ


2020年 オリオン座流星群の見ごろはいつ? 10月21日放射点が高く昇る深夜からがオススメ

2020年10月20日 | 流星群/彗星を見よう
10月21日の水曜日にオリオン座流星群の活動が極大になります。
今年は月明かりが邪魔をすることはないのですが、出現数は少ないようです。
黄色の矢印は“オリオン座流星群”の放射点。(10月22日AM1:00)
黄色の矢印は“オリオン座流星群”の放射点。(10月22日AM1:00)
オリオン座流星群の母天体は、5月の“みずがめ座η流星群”と同じハレー彗星です。

地球はハレー彗星の通り道を毎年この時期に通過しています。
すると、彗星の通り道に残されたチリが地球の大気に飛び込んでくるんですねー
チリは上空100キロ前後で発光、これがオリオン座流星群です。

今年の極大時刻の予想は、10月21日の日の入り前(15時頃)になるので、見ごろは21日の深夜から22日の明け方にかけて。
流星の出現は21日の22時ごろからですが、真夜中になるほど放射点が高く昇っているので観測には好都合です。

ただ、今年のオリオン座流星群は月明かりの影響はなくても活動は低調…
条件の良い場所でも1時間あたり5~10個程度になりそうです。
ちなみに、流れ星が出現する放射点はオリオン座の右腕のあたりです。

オリオン座流星群は速度が速いので明るい流星が多く見れるのが特徴で、火球と呼ばれる明るい流星や流星痕と呼ばれる痕を残す流星が出現することがあります。
また、ピークがなだらかな流星群なので、21日の極大を中心に4~5日間は観測のチャンスがありそうです。

朝晩の冷え込みが増してきているので、防寒に気を使って観測してください。


こちらの記事もどうぞ