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2021年の年始めは“しぶんぎ座流星群”から! 見ごろはいつ? どこを見ればいいの?

2020年12月12日 | 流星群/彗星を見よう
まだ、“ふたご座流星群”が終わっていないのに次の流星群の話です。
年が明けてすぐには三大流星群のひとつ“しぶんぎ座流星群”が控えているんですねー
“しぶんぎ座流星群”も、8月の“ペルセウス座流星群”、12月の“ふたご座流星群”と並ぶ三大流星群のひとつ。
ただ、毎年安定して多くの流星が出現する“ペルセウス座流星群”や“ふたご座流星群”と比べると、“しぶんぎ座流星群”は活動が活発な期間が短い上に、流星の出現数が年によって変化することで知られています。

見ごろはいつ? どこを見ればいいの? 観察の条件は?

2021年の“しぶんぎ座流星群”の極大は、1月4日の17時頃と予想されています。
極大とは、流星群の活動が最も活発になること。ある場所で見える流星の数には、流星群自体の活動の活発さだけでなく、その場所での放射点の高度や月明かりなども影響する。そのため、極大の日時と、それぞれの場所で多くの流星が見える日時とは、必ずしも一致しない。

ただ、夜半前は放射点の高度が低いので観察には適さず…
観察に適した時間帯は、5日の夜明け前2~3時間になります。
放射点とは、流星群の流れ星が、そこから放射状に出現するように見える点。流れ星の数は、放射点の高度が高いほど多くなり、逆に低いほど少なくなる。
黄色の矢印は“しぶんぎ座流星群”の放射点(2021年1月5日AM3:00)。放射点は“うしかい座”と“りゅう座”の境界付近にある。
黄色の矢印は“しぶんぎ座流星群”の放射点(2021年1月5日AM3:00)。放射点は“うしかい座”と“りゅう座”の境界付近にある。
日本で観察しやすい時間帯が極大から大きくズレているので、それだけ流星の数は少なくなると思われています。

でも、月明かりの影響はなく、観察にはまずまずの条件になりそうです。
見える流星の数は、空の暗い場所で1時間当たり最大20個ほどと予想されています。

流星は放射点の方向だけに現れるのではなく、空全体に現れます。
いつ、どこに出現するかは分からないので、なるべく空の広い範囲を見渡すようにしましょう。

街明かりの中で観察したり、極大ではない時期に観察すると、見ることのできる流星の数は減ってしまうので注意してください。

流星の元になるチリを放出した天体は?

実は、流星群の由来になっている“しぶんぎ座”という名前の星座は今は存在していません。

“しぶんぎ座流星群”の放射点があるのは、“うしかい座”と“りゅう座”の境界付近。
かつて、この辺りに“へきめんしぶんぎ(壁面四分儀)座”という星座が設定されていたので、この名前が付けられています。

また、“しぶんぎ座流星群”の母天体には諸説あり、まだ確定していません。
母天体とは、チリを放出して流星群の原因作っている天体のこと。
最近有力視されているのは、2003年に発見された小惑星番号196256の小惑星です。
でも、この小惑星がどのように流星の元になるチリを放出したのかは分かっていません。

なぜ活動期間が短いの?

地球が彗星の通り道を、毎年同じ時期に通過することで流星群が現れます。

彗星の通り道にはチリの帯が残されているので、それらが地球の大気に飛び込むことで、上空100キロ前後で発光して流れ星として見えるんですねー

ただ、“しぶんぎ座流星群”の元となるチリの帯は、地球の公転面と直角に近い角度で交差するので、地球はチリの帯を短時間で抜けてしまうことに…

このため、“しぶんぎ座流星群”の活動は、“ふたご座流星群”や“ペルセウス流星群”などほかの流星群に比べて、活動が活発な時間(流れ星を多く観測できる時間)が短いという特徴を持っています。


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