ルイジアナ南部の文化に欠かせない、ケイジャンとクレオールって御存知ですか?
カナダ南東部アカディアに住むフランス系住民がフレンチ・インディアン戦争により追放され、ルイジアナ南部に辿り着きました。1750〜60年代のお話。彼らがケイジャンと呼ばれるそう。そしてクレオールとは、植民地時代に大陸へ渡ってきたフランス人、スペイン人達の子孫のこと。とは言え、クレオールやケイジャンの詳しい定義や成り立ちとなると、難しい世界史の話になってしまうので、実は私も漠然とルイジアナに根付いたフランス系住民、ぐらいにしか理解出来ていません。なにはともあれ、彼らクレオールやケイジャン達が、音楽や料理など独特の文化を花開かせたのです。
なんて、ちょっぴり堅苦しく始まりましたが、グラミー特集です。グラミー賞の部門の中で、「ルーツな日記」的に最も気になる部門が『Best Regional Roots Music Album』です。いまいち分らない部門ですが、「Regional」は直訳すると「地域」とか「地方」ということのようなので、つまり地域色の濃い米ルーツ・ミュージックってことでしょうね。ここに、ハワイアンとかネイティヴ・インディアン系に交じって、ルイジアナ土着の音楽も入ってくるんです。つまりケイジャンとか、ザディコとか。という訳で、今回の気になるノミネートは以下の5組。
Barry Jean Ancelet & Sam Broussard / Broken Promised Land
Northern Cree / It's A Cree Thing
Kalani Pe'a / E Walea
Roddie Romero And The Hub City All-Stars / Gulfstream
Various Artists / I Wanna Sing Right: Rediscovering Lomax In The Evangeline Country
期待通りに、ルイジアナ原産の興味深いアルバムが3点ノミネートされました。
Barry Jean Ancelet & Sam Broussard / Broken Promised Land
まず、Barry Jean Ancelet とSam Broussard による「Broken Promised Land」。ケイジャン文化研究の第一人者という Barry Jean Ancelet と、ケイジャンを代表するグループの一つ、スティーヴ・ライリー&ザ・マムー・プレイボーイズのギタリスト、Sam Broussard 。Barry Jean Ancelet の作詞にSam Broussard が曲を付けたというこの作品。オープニングの「Conte De Faits」からSam Broussard のアコースティック・ギターが素晴らしい!まるで生き物のように6本の弦が縦横無尽に響き渡る。
「Promised Land」や「Trop De Pas」でのスライド・ギターも味わい深い。ルイジアナと言えばサニー・ランドレスが有名ですが、このSam Broussard も、確かなテクニックと型にはまらないユニークさではひけをとりません。何せこのアルバムでは、3曲のみにゲスト・ミュージシャンを加えただけで、他のアコースティック・ギター、エレクトリック・ギター、ラップ・スチールはもちろん、フィドル、ベース、ハーモニカ、フルート、サックスまでを一人でこなし、さらにパーカッションのプログラムまで。すべて彼のホームスタジオで録音されたそうです。
ヴォーカルは2人で分け合っていますが、その歌心の違いも面白いですし、ルイジアナの風土を伝えてくれるフランス語詩もまた味わい深い。「Cœur Cassé」ではケイジャン・グループのFeufollet のメンバーだったAnna Laura Edmiston が美声を聴かせてくれています。
Sam Broussard のメロディアス且つ想像力豊かなギター・ワークが、しっとりと聴かせるルイジアナの物語。最後は伝説的なザディコ・オリジネイターである、アメディ・アルドワンを歌った「Une Dernière Chanson」で、Barry Jean Ancelet の朗らかながら飾らない歌声が胸に沁みます。
VA / I Wanna Sing Right: Rediscovering Lomax In The Evangeline Country
こちらは1934年に、ジョン・A・ロマックスとアラン・ロマックスの親子がルイジアナで行ったフィールド・レコーディングに関する、著書、ウェブサイト、新録CDによるプロジェクトだそう。もちろんグラミーにノミネートされているのはCDです。ちなみに著書は「Traditional Music in Coastal Louisiana: The 1934 Lomax Recordings」というタイトルで、CDのプロデューサーでもあるJoshua Clegg Caffery が著わしています。ちなみに、はしがきを書いているのはBarry Jean Ancelet だそう。そしてウェブサイトは多分こちら→「John and Alan Lomax in Louisiana, 1934」。いにしえのルイジアナそのものを録音したようなフィールド・レコーディングを大量に試聴出来る素晴らしいサイトです。
さて、肝心のCD。こちらは多彩なケイジャン・アーティストが参加していまして、パート1〜パート4の4種リリースされています。写真はパート3です。4枚組のボックス・セットもあるようですが、なかなか手が出ないので、とりあえず iTunes で、ジャケが美しいパート3のみを買いました。マグノリア・シスターズのAnn Savoy が歌う「Aux Illinois」、元スティーヴ・ライリー&ザ・マムー・プレイボーイズのDavid Greely によるフィドル・ソロ「Wayne Perry Tunes」、ケイジャンの代表ボーソレイユのMichael Doucet がフィドルを弾き歌う「Je M'ai Fait une Maîtresse」、Zachary Richard がアカペラで歌い、最後にRoddie Romero のスライドが遠くで唸る「Tout un Beau Soir」など。プロデュースはJoel Savoy とJoshua Caffery の2人。どのトラックもトラディショナルな香りが濃厚で素晴らしい!
やっぱり他の3枚も買いたくなっちゃいますね。
Roddie Romero And The Hub City All-Stars / Gulfstream
そしてもう1枚。Roddie Romero And The Hub City All-Stars です! 先の2枚がアカデミックな作品だったので、最後は楽しいアルバムで締めましょう。とは言え、正直、このグループがグラミー賞にノミネートされたのには驚きましたよ! だってルイジアナ・ローカルなイメージが強かったですからね。ですが実は、07年度のグラミーでも『Best Zydeco or Cajun Music Album』部門にノミネートされていたんです。実はその部門は07年度に新設された部門でして、その時はケイジャンとザディコの部門が出来た!と喜んだものですが、わずか4年で無くなってしまったんです…。まあ、無くなったと言うより、おそらく、ハワイアンやネイティヴ・アメリカン等の部門と統合されて現在の『Best Regional Roots Music Album』部門になったんでしょうけどね。
まあ、それはさておき、ケイジャン文化の残るラファイエット出身のRoddie Romero And The Hub City All-Stars による最新作「Gulfstream」です。ニューオーリンズのOFFBEAT MAGAZINE による「The 50 Best Albums Of 2016」でもアーロン・ネヴィルに次いで第2位に選ばれていたアルバムですからね。まさに大躍進。ですがそれも頷ける快作です!
タメの効いたグルーヴに南部の風を感じるミドル・テンポのロック・チューン「My Baby Is the Real Thing」に始まり、ヴードゥー風味の妖しげなニューオーリンズ・ファンク「The Creole Nightingale Sings」、スワンプ・ポップなロックン・ロール「Rock 'n' Roll & Soul Radio」、Roddie Romero の弾くアコーディオンがルイジアナのローカル臭を醸す「Donne-Moi, Donc」や「Po' Boy Walk」。またRoddie Romero はアコーディオンとギターの両刀使いなのですが、スワンピーにハネる「Ma Jolie」や豪快なサザン・ロック「Windmill in a Hurricane」で聴けるキレの良いスライドギターが格好良い!!そしてニューオーリンズ流スローの「I Hope」や「I Must Be in a Good Place Now」の味わいも格別。
アコーディオンやエレキギターとの絡みでルイジアナ流のミクスチャー・グルーヴを作り出す鍵盤奏者は、Roddie Romero とならぶもう一人の重要人物Eric Adcock 。彼の鍵盤がまた良いんですよ! また多彩な楽曲群も多くがRoddie Romero とEric Adcoc との共作だそうです。
プロデュースは名匠ジョン・ポーター。ポップでロックでファンキーなルイジアナ・グルーヴ満載の傑作。ちなみに南部の哀愁豊かなタイトル・トラック「Gulfstream」は今回のグラミー賞『Best American Roots Song』にもノミネートされています。
さて、では本命はどれなのか?グラミー賞にはアカデミックな作品が好まれそうな気がするんですよね。ですが敢えてRoddie Romero And The Hub City All-Stars の「Gulfstream」を本命としたいと思います。やっぱり1枚のアルバムとしての完成度はこれが抜き出ているように感じます。そして単純に私が大好きだから!! そして対抗はBarry Jean Ancelet & Sam Broussard の「Broken Promised Land」しておきます。やっぱりね、「I Wanna Sing Right: Rediscovering Lomax In The Evangeline Country」は1/4しか聴いてないのに偉そうに選べないですからね…。
ですけど、この部門、先にもちらっと触れましたが、2011年度に創設された新しい部門なんです。そして創設以来、昨年まで連続してルイジアナ勢が受賞しているんです。ちなみに今回ノミネートされているNorthern Cree はインディアン系、Kalani Pe'a はハワイアンのようですので、そろそろそっち系が受賞しないと色々問題になりそう…。
↓宜しければこちらもぜひ!
グラミー賞 ノミネート 『Best Americana Album』
グラミー賞 ノミネート 『Best Folk Album』
グラミー賞 ノミネート 『Best Roots Gospel Album』
グラミー賞 ノミネート 『Best Traditional R&B Performance』
グラミー賞 ノミネート 『Best R&B Performance』
グラミー賞 ノミネート 『Best Urban Contemporary Album』
グラミー賞 ノミネート 『Best Traditional Pop Vocal Album』
グラミー賞 ノミネート 『Best Rock Album』
グラミー賞 ノミネート 『Best Rock Performance』
グラミー賞 ノミネート 『Best Rock Song』
グラミー賞 ノミネート ビヨンセ!!
カナダ南東部アカディアに住むフランス系住民がフレンチ・インディアン戦争により追放され、ルイジアナ南部に辿り着きました。1750〜60年代のお話。彼らがケイジャンと呼ばれるそう。そしてクレオールとは、植民地時代に大陸へ渡ってきたフランス人、スペイン人達の子孫のこと。とは言え、クレオールやケイジャンの詳しい定義や成り立ちとなると、難しい世界史の話になってしまうので、実は私も漠然とルイジアナに根付いたフランス系住民、ぐらいにしか理解出来ていません。なにはともあれ、彼らクレオールやケイジャン達が、音楽や料理など独特の文化を花開かせたのです。
なんて、ちょっぴり堅苦しく始まりましたが、グラミー特集です。グラミー賞の部門の中で、「ルーツな日記」的に最も気になる部門が『Best Regional Roots Music Album』です。いまいち分らない部門ですが、「Regional」は直訳すると「地域」とか「地方」ということのようなので、つまり地域色の濃い米ルーツ・ミュージックってことでしょうね。ここに、ハワイアンとかネイティヴ・インディアン系に交じって、ルイジアナ土着の音楽も入ってくるんです。つまりケイジャンとか、ザディコとか。という訳で、今回の気になるノミネートは以下の5組。
Barry Jean Ancelet & Sam Broussard / Broken Promised Land
Northern Cree / It's A Cree Thing
Kalani Pe'a / E Walea
Roddie Romero And The Hub City All-Stars / Gulfstream
Various Artists / I Wanna Sing Right: Rediscovering Lomax In The Evangeline Country
期待通りに、ルイジアナ原産の興味深いアルバムが3点ノミネートされました。
Barry Jean Ancelet & Sam Broussard / Broken Promised Land
まず、Barry Jean Ancelet とSam Broussard による「Broken Promised Land」。ケイジャン文化研究の第一人者という Barry Jean Ancelet と、ケイジャンを代表するグループの一つ、スティーヴ・ライリー&ザ・マムー・プレイボーイズのギタリスト、Sam Broussard 。Barry Jean Ancelet の作詞にSam Broussard が曲を付けたというこの作品。オープニングの「Conte De Faits」からSam Broussard のアコースティック・ギターが素晴らしい!まるで生き物のように6本の弦が縦横無尽に響き渡る。
「Promised Land」や「Trop De Pas」でのスライド・ギターも味わい深い。ルイジアナと言えばサニー・ランドレスが有名ですが、このSam Broussard も、確かなテクニックと型にはまらないユニークさではひけをとりません。何せこのアルバムでは、3曲のみにゲスト・ミュージシャンを加えただけで、他のアコースティック・ギター、エレクトリック・ギター、ラップ・スチールはもちろん、フィドル、ベース、ハーモニカ、フルート、サックスまでを一人でこなし、さらにパーカッションのプログラムまで。すべて彼のホームスタジオで録音されたそうです。
ヴォーカルは2人で分け合っていますが、その歌心の違いも面白いですし、ルイジアナの風土を伝えてくれるフランス語詩もまた味わい深い。「Cœur Cassé」ではケイジャン・グループのFeufollet のメンバーだったAnna Laura Edmiston が美声を聴かせてくれています。
Sam Broussard のメロディアス且つ想像力豊かなギター・ワークが、しっとりと聴かせるルイジアナの物語。最後は伝説的なザディコ・オリジネイターである、アメディ・アルドワンを歌った「Une Dernière Chanson」で、Barry Jean Ancelet の朗らかながら飾らない歌声が胸に沁みます。
VA / I Wanna Sing Right: Rediscovering Lomax In The Evangeline Country
こちらは1934年に、ジョン・A・ロマックスとアラン・ロマックスの親子がルイジアナで行ったフィールド・レコーディングに関する、著書、ウェブサイト、新録CDによるプロジェクトだそう。もちろんグラミーにノミネートされているのはCDです。ちなみに著書は「Traditional Music in Coastal Louisiana: The 1934 Lomax Recordings」というタイトルで、CDのプロデューサーでもあるJoshua Clegg Caffery が著わしています。ちなみに、はしがきを書いているのはBarry Jean Ancelet だそう。そしてウェブサイトは多分こちら→「John and Alan Lomax in Louisiana, 1934」。いにしえのルイジアナそのものを録音したようなフィールド・レコーディングを大量に試聴出来る素晴らしいサイトです。
さて、肝心のCD。こちらは多彩なケイジャン・アーティストが参加していまして、パート1〜パート4の4種リリースされています。写真はパート3です。4枚組のボックス・セットもあるようですが、なかなか手が出ないので、とりあえず iTunes で、ジャケが美しいパート3のみを買いました。マグノリア・シスターズのAnn Savoy が歌う「Aux Illinois」、元スティーヴ・ライリー&ザ・マムー・プレイボーイズのDavid Greely によるフィドル・ソロ「Wayne Perry Tunes」、ケイジャンの代表ボーソレイユのMichael Doucet がフィドルを弾き歌う「Je M'ai Fait une Maîtresse」、Zachary Richard がアカペラで歌い、最後にRoddie Romero のスライドが遠くで唸る「Tout un Beau Soir」など。プロデュースはJoel Savoy とJoshua Caffery の2人。どのトラックもトラディショナルな香りが濃厚で素晴らしい!
やっぱり他の3枚も買いたくなっちゃいますね。
Roddie Romero And The Hub City All-Stars / Gulfstream
そしてもう1枚。Roddie Romero And The Hub City All-Stars です! 先の2枚がアカデミックな作品だったので、最後は楽しいアルバムで締めましょう。とは言え、正直、このグループがグラミー賞にノミネートされたのには驚きましたよ! だってルイジアナ・ローカルなイメージが強かったですからね。ですが実は、07年度のグラミーでも『Best Zydeco or Cajun Music Album』部門にノミネートされていたんです。実はその部門は07年度に新設された部門でして、その時はケイジャンとザディコの部門が出来た!と喜んだものですが、わずか4年で無くなってしまったんです…。まあ、無くなったと言うより、おそらく、ハワイアンやネイティヴ・アメリカン等の部門と統合されて現在の『Best Regional Roots Music Album』部門になったんでしょうけどね。
まあ、それはさておき、ケイジャン文化の残るラファイエット出身のRoddie Romero And The Hub City All-Stars による最新作「Gulfstream」です。ニューオーリンズのOFFBEAT MAGAZINE による「The 50 Best Albums Of 2016」でもアーロン・ネヴィルに次いで第2位に選ばれていたアルバムですからね。まさに大躍進。ですがそれも頷ける快作です!
タメの効いたグルーヴに南部の風を感じるミドル・テンポのロック・チューン「My Baby Is the Real Thing」に始まり、ヴードゥー風味の妖しげなニューオーリンズ・ファンク「The Creole Nightingale Sings」、スワンプ・ポップなロックン・ロール「Rock 'n' Roll & Soul Radio」、Roddie Romero の弾くアコーディオンがルイジアナのローカル臭を醸す「Donne-Moi, Donc」や「Po' Boy Walk」。またRoddie Romero はアコーディオンとギターの両刀使いなのですが、スワンピーにハネる「Ma Jolie」や豪快なサザン・ロック「Windmill in a Hurricane」で聴けるキレの良いスライドギターが格好良い!!そしてニューオーリンズ流スローの「I Hope」や「I Must Be in a Good Place Now」の味わいも格別。
アコーディオンやエレキギターとの絡みでルイジアナ流のミクスチャー・グルーヴを作り出す鍵盤奏者は、Roddie Romero とならぶもう一人の重要人物Eric Adcock 。彼の鍵盤がまた良いんですよ! また多彩な楽曲群も多くがRoddie Romero とEric Adcoc との共作だそうです。
プロデュースは名匠ジョン・ポーター。ポップでロックでファンキーなルイジアナ・グルーヴ満載の傑作。ちなみに南部の哀愁豊かなタイトル・トラック「Gulfstream」は今回のグラミー賞『Best American Roots Song』にもノミネートされています。
さて、では本命はどれなのか?グラミー賞にはアカデミックな作品が好まれそうな気がするんですよね。ですが敢えてRoddie Romero And The Hub City All-Stars の「Gulfstream」を本命としたいと思います。やっぱり1枚のアルバムとしての完成度はこれが抜き出ているように感じます。そして単純に私が大好きだから!! そして対抗はBarry Jean Ancelet & Sam Broussard の「Broken Promised Land」しておきます。やっぱりね、「I Wanna Sing Right: Rediscovering Lomax In The Evangeline Country」は1/4しか聴いてないのに偉そうに選べないですからね…。
ですけど、この部門、先にもちらっと触れましたが、2011年度に創設された新しい部門なんです。そして創設以来、昨年まで連続してルイジアナ勢が受賞しているんです。ちなみに今回ノミネートされているNorthern Cree はインディアン系、Kalani Pe'a はハワイアンのようですので、そろそろそっち系が受賞しないと色々問題になりそう…。
↓宜しければこちらもぜひ!
グラミー賞 ノミネート 『Best Americana Album』
グラミー賞 ノミネート 『Best Folk Album』
グラミー賞 ノミネート 『Best Roots Gospel Album』
グラミー賞 ノミネート 『Best Traditional R&B Performance』
グラミー賞 ノミネート 『Best R&B Performance』
グラミー賞 ノミネート 『Best Urban Contemporary Album』
グラミー賞 ノミネート 『Best Traditional Pop Vocal Album』
グラミー賞 ノミネート 『Best Rock Album』
グラミー賞 ノミネート 『Best Rock Performance』
グラミー賞 ノミネート 『Best Rock Song』
グラミー賞 ノミネート ビヨンセ!!