徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

中山さん

2007-07-12 00:27:49 | 漣流 sazanami-ryu
次の取材先の恵比寿へ移動。取材に同行して頂いているサザナミレーベルのカマチさんと遅い昼食を取りつつ、いろいろ話している間にちょっとした企画が浮かんでくる。まだまだイケるかもね、この路線。

で、夕方から元プリンセス・プリンセスのギタリスト中山加奈子さんの取材。以前お話を伺った元マネージャーのⅠさんも加わっての取材になった。予定していたホテルのカフェが激混みだったので急遽近くの喫茶店を探して1時間半ほど。詳しくはカマチさんのブログ参照。もうちょっと取材して掘り下げてみたいネタがいくつか出てきた。何よりもプロダクションのボスとしての草野昌一だけではなく、訳詞家(作詞家)漣健児と中山さんの接点が見つかったのはよかった。
パズルのピースはそれなりに埋まってきた。この辺が取材の折り返し地点か。

Blue King Brown『Stand Up』、Missy Higgins『The Sound Of White』購入。

バラカンさん

2007-07-11 22:20:39 | 漣流 sazanami-ryu
今日も午前中は取材準備をしながら作業。しかし終わらず、途中で打ち切って渋谷へ向かう。
昼からアプレ・ミディでピーター・バラカンさんの取材。ロンドンでの『ハイ・フィデリティ』な生活から急転直下のシンコー・ミュージック入社、国際部で働いていたスタッフ時代、そして退社、独立までを語っていただいた。
今やレココレの顔みたいになっているバラカンさんだが、個人的には80年代にMCをしていたポッパーズMTVとCBSドキュメントの影響大なので感慨深いっす。これはまた改めて聞きたいところ。
画像はバラカンさんが愛用するチェスレコードの革製レコードケース(?)。マーシャル・チェスが来日したときにミュージック・ライフ編集部にお土産として置いていったチェスのオフィシャル(!)。編集部が引っ越したときに出た“ガラクタ”の山の中からバラカンさんが発見して以来、30年愛用しているバッグなのだという。ちなみにチェス50周年にリリースされた『マイ・チェス・ボックス』のジャケットにも使用されている(バラカンさんが選曲したコンピレーションCD)。

鎌倉

2007-07-11 00:58:30 | Works
東京から東海道線に乗り鎌倉へ向かう。車内で検索しながら何件かメールを送って、鎌倉駅に着いてからいくつかアポを取り、ひとまず作業は終了。

鎌倉の創作ランプ・アンティーク食器の店「龍潭窯」さんの取材。昭和初期に建てられた民家を利用した店内はこじんまりとしながらも趣きがある。一見するとハロウィンのデコレーションのような創作ランプは見ているだけでも楽しい。先に現場に入っていたカメラマンの大甲君と白木に撮影は任せて、創作ランプに見入る(手持ちが心許なかったのでこの日の購入は断念)。取材中には5、6人のお客さんがご主人の指導でオリジナルランプを制作中だった。いや、時間があったらもう少しゆっくりしてみたかったな。
小腹が空いたので駅前にあった学食のような食堂で食事…と思ったら、外は22度程度だってのに轟音を立て全開で運転するクーラーで雨で濡れた身体は冷え切り、日替わりメニューらしき「お袋の今日の煮物」を頼もうとしたら、やる気がないお店のおばちゃんはあからさまに困った顔をした。仕方がないので、おばちゃんに言われるがままに餃子と焼豚を注文。
そんなわけで、駅で鎌倉名物の鯵の押し寿司を買って、帰りの車内で食べたのも当然なのである。

ま、おかげでちょっと旅情も味わえたが。

さぼる

2007-07-11 00:16:10 | Works
8時に目が醒めて焦って作業。んー間に合わん…ということでPCを持って神保町へ向かう。

2年ほど続いた連載の最終回、最後は神保町の老舗喫茶店「さぼうる」の取材。最終回に相応しい場所ではないか。いや、しかし。実は“さぼうる”という店名は大方の人が想像する「さぼる」ではなくて、スペイン語で「味」という意味。昭和30年オープン、さすがに年季の入った“さぼり場”である。
普段は現場に来ないイラストレーターのゴローも最後は来て合流。予定時間よりもずっと長く取材。最後に取材班全員で記念撮影して、これで取材は終了。お疲れ。まあなかなか行けないスポットにも行けたし、いい経験でした…ってまだ原稿が残っているんだが。
次があるので余韻もなく、郵便局に寄ってから移動。

ヴァイブ

2007-07-10 01:31:26 | LB中洲通信2004~2010
7時に飛び起きて諸々の作業。いつもの月曜日。そろそろ取材の準備…と思っていたら谷やんからLBについてかなりスクランブルなメール。一瞬迷ったが、担当者に連絡してひとまず事なきを得る。話せば判る。むしろ内容的にはスクランブルでも良かったかも、ということで急いでアポ。

ひと通り作業が終わり、渋谷のアップリンクへ向かう。ビルの前で村松と待ち合わせ、昼過ぎから『ルーツ・タイム』のシルベストレ・ハコビ監督のインタビュー。7月23日、ハイレ・セラシエ生誕の日にジャマイカを移動式レコードショップ(という名のボロ車)で旅するラスタファリアンズ2人を描いたロードムービー。世の中はトラブルだらけでヴァイブしているが、ラスタの人々の信じる道はただひとつ。To be a rock and not to roll ゆるい笑いと心地よい気だるさがレゲエと共に1時間弱のフィルムに収められている。ツェッペリンは関係ありませんが。
今回のインタビューはこの映画の話なんだが、いずれリリースされるであろう、映画に関する掌編のドキュメンタリー、サントラなど諸々を含めたDVD版「ルーツ・タイム」プロジェクトについての話も。いろいろ話が広がってしまって直接話せないもどかしさはあったけれども、通訳の人がとてもナイスガイだったのでいい感じで話が訊けた。
ジャマイカ、アルゼンチン(監督はアルゼンチン人)、そして日本。もしクロアチアが絡んでいたらフランス98である。それを話したら監督も笑っていた。
10月号に掲載予定。

シドニー賛/ライブアース

2007-07-08 23:23:37 | Music
結局この週末は、ずっとライブアースを観続けてしまった。
さいたまスタジアムの浦和ガンバ戦のチケットを持っていたけれども行くのも止めた。クラウデットハウスがヘッドライナーだったシドニー会場のオーラスが、とてもピースフルで、幸せな、最高の雰囲気を醸し出していた。盛り上がりの点ではロンドン、ドイツも捨てがたい。21日までネット上で公開されているそうなので、是非上記3会場はチェックしていただきたい。
さて翻って日本である。それも京都・東寺はともかく、東京だ。これはちょっといただけない。シドニーと比較して観ればわかると思うが、正直言って悲しくなるような内容だったと思う。もちろん、あのリンキン・パークのトラブルのせいではない。もう、なんと言うか、言葉がストレートにわかるだけ(もちろんそれだけれはないのだけれども)違和感を覚えてしまうのだ。本当に僕ら日本人は“音楽”が好きなんだろうか。
シドニーでオーディエンスとクラウデッドハウスがしたように、音楽を楽しみ、音楽で何か伝え、何かを共有することができるようになるまで、まだまだ時間がかかるのだろうか。まあ、シドニーは観た方がいいです。間違いなく。
いまちょうど動画ストリーミングでクラウデットハウスとオーディエンスが歌っている。

酒井康『売名行為』(シンコー・ミュージック)購入。

コメットさん

2007-07-06 00:58:11 | 漣流 sazanami-ryu
三軒茶屋で田邊靖雄さんと九重佑三子さんの取材。おふたりがカヴァーポップスを歌っていた60年代当時は、訳詞家・漣健児とはほとんどコンタクトはなかったそうだが、最後の仕事である「シャンテ」シリーズに九重さんが参加したことで、晩年の数年間は家族ぐるみでとても濃密なお付き合いをされたようだ。2005年12月にリリースされた、漣健児作詞のシングル『いっしょ』の制作エピソードも不思議な縁を感じさせる。おふたりの話を伺っていて、やはり「シャンテ」シリーズとカヴァーポップスの世界はもう少し掘り起こしてみたいと思った。

6月までチャンネルNECOで初代『コメットさん』が連続放送されていて、毎週欠かさず観ていた。九重さんの若々しさには驚くよ。インタビュー中に時折見せる表情も、あの!『コメットさん』で感動した。マジで。漣(草野)さんのお話のあと、おふたりの馴れ初めや婚約の経緯も少々お聞きした。ちょっとした学園ドラマみたいで(そして当時の芸能界の雰囲気が伝わる)、とても面白かったのだけれどもこれはまた改めて訊きたいものだ。

水上はる子『さよならホテル・カリフォルニア』(シンコー・ミュージック)購入。

三ノ輪周辺

2007-07-05 10:57:34 | LB中洲通信2004~2010
今日もアポをいくつか。夕方からコの字取材。小雨だったので自転車で三ノ輪へ向かい、北野さんと待ち合わせ。お目当ての店はまだ開店前だったので、泪橋・清川辺りを歩いてコの字を物色。酒場ではなかったのだけれども明治通り沿いにあったコの字、大衆食堂のご主人、おかみさんに話を伺う。50年前、この場所で飲食店をはじめ、かつてはヤクザや流れ者たちを相手に厨房にドス(包丁ではない)を置いて商売していたというご主人が、往時の山谷のようすを話してくれた。60年代の山谷騒乱の目撃者である。おかみさんはこの地区の、日本ではスペシャルに篤い生活保護について一言。まあここで気の荒い労働者相手にずっと商売していれば言いたいこともあるだろう、という話。
三ノ輪に戻り、お目当てのコの字酒場にいくが、あっさり取材を断られ撃沈。決め打ち取材はこういうことがあるから怖い。さらに都電辺りをまわって見たが目ぼしい店が見つからず。これ以上ピンポイントで探すのは危険なので、ひとまず浅草へ向かい気分転換に銭湯に入ることにした。その前にTシャツを買いに行ったら自転車で派手に転倒して、膝を強打。ん~今日はダメかなァ……と思っていたので銭湯でリフレッシュできた。
銭湯を上がり、WINS裏通りのコの字「居酒屋浩二」さんでやっと落ち着く。牛スジの煮込みが旨い。入りやすい、オーダーしやすいオーソドックスなコの字酒場。今回はすっかり町歩き取材になってしまった。9月号に掲載です。

MICOさん

2007-07-04 00:22:51 | 漣流 sazanami-ryu
晴海で日本のクイーン・オブ・ソウル弘田三枝子さんの取材。
魅入られるというのはこのことか、という感じでインタビューは進行。60年代前半のカヴァーポップスの時代、最強のコンビであった草野ブラザーズに支えられ、MICOさんが自由にスイングしていくようすが語られる。これまた伝説的な65年のニューポートジャズフェスティバルの事情もご本人から訊けた。この人もまた生ける伝説なんだよなあ…まあ今やライブのみならず、スタジオワークも大好きで、まったく現役感を失っていないのが凄いのだが。
インタビューの終盤にはデビュー45周年の昨年にリリースした『弘田三枝子 じゃずこれくしょん』の中に収録された「砂に消えた涙 (Good bye Kenji Sazanami Version) 」の話へ。これがMICOさんによる最高のトリビュートなのだろう。

せっかくなのでスタッフの方にLB最新号を手渡して特集のオファーも。こちらはまた改めて。

ボルさん

2007-07-03 00:49:49 | 漣流 sazanami-ryu
目白で音楽評論家の東郷かおる子さんの取材。70年代末から80年代前半に熱中していたミュージック・ライフのボルさんですよ、ボル編集長。星加ルミ子さんのMLとなるともはや伝説でしかないが、東郷さんの頃はリアル読者だったので感慨深い。といってもロッキング・オンとの併読だったのだけれどもね、バカな男子中学生ですみません。60年代末から70年代に、日本に登場したロック少女の視点というのはミュージック・ライフの功績だったのだなと実感。日本のポップミュージックに対するシンコー(草野昌一氏)とMLの影響というのは本当に侮れない。
しかしさらに東郷さんの話を訊けば訊くほど、ビートルズ以降、ブルドーザーのように日本の洋楽ロックファンを引っ張り続けてきたMLも、やはり90年に東郷さんが編集長を辞した時点で(実質的にはその数年前に)その役割を終えていたと思える。しかし、終わっていたのかもしれないが、雑誌は続いていく。しかも度重なるリニュアルを繰り返し、8年も続く。これは編集者としてはかなりスリリングな状態である。まあ、東郷さんはそれ以降のMLに関しては多くを語らず、ガハハと笑いながら草野さんのエピソードを楽しく話してくれたのだけれども……。

8月号到着

2007-07-02 23:57:01 | LB中洲通信2004~2010
8月号到着。今月の特集は吼えるディナーショーキング松崎しげるさんの「永遠の青春」。一見、とてもベタでクサいタイトルなのだけれども、キングの話を訊けば訊くほど、この言葉が相応しいと思えてくる。60年代から70年代、80年代、90年代、そして21世紀、それぞれのディケイドと年齢に相応しい「青春」を過ごしているのがキングなのである。まあビートルズにやられてバンドを組み、歌謡曲全盛時代にシャウトする実力派ソロシンガーとして脚光を浴び、まったく畑違いのドラマで人気者になり、夜の六本木の帝王と言われるほど遊びまくり、2度の離婚(そして2度の離婚パーティー)、3度の結婚の末に、50歳を目前に初めてのジュニアを授かる…と、こんな人生なかなかないのである。そしてキングは今も歌い続ける。20年数年前に『その後の仁義なき戦い』を観て以来、個人的にディナーショーキングのフェイバリットソングだと思っている『私の歌』を聴くと、今、そのリアルさに胸が熱くなる。
この他、『サイドカーに犬』の根岸吉太郎監督、ジャズ・ピアニストの大口純一郎さん、『じょっぱり魂』の吉沢康一さん等などが登場。
関係者、協力者の皆様、ありがとうございました。明日以降、続々発送です。

第18節 ひとまず理想的

2007-07-01 02:55:54 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
健太「『彼らがいないと試合が成立しない』と言われるのはもう、彼ら(2人以外の選手)にとっても一番屈辱だという風に思いますし、自分たちの力をこのゲームで発揮しようという気持ちで試合に臨んだという風に思います。まあそういう意味では今後ホントに高いレベルの競争がチームに起すというか起きることが、やっぱり更なる上を目指す最大のポイントだという風に思ってますから、彼らがこういうゲームをしてくれたというのは非常に、チームにとっては大きな収穫だったという風に思ってます」(Sの極み 6月30日付)

日立台で柏戦。名古屋、浦和戦はライブで観られなかったので3試合ぶり。
今回はJJ(代表召集)、フェル(累積)が出られなかったが、素晴らしい内容で完勝した。3得点すべてに絡んだ岡ちゃんはトップに本格的に定着してきたし、その動きを共に引き出した矢島もベストパフォーマンスだったかも。どう考えてもレフリーがバランスを取ったとしか思えない岩下のPKで、今回も無失点にはできなかったけれども、ほぼ危なげないゲームコントロールができていたと思う。ゲームは相対的なものだから一概には言えないのだけれども、このメンバーで、このパフォーマンスを見せ続けることができれば、後半戦も期待できるんじゃないか(少なくとも下位に取りこぼすことはないだろう)。こういう内容だとさすがにゴール裏の雰囲気もよくて、ゲームが見えている人が多かったので、こちらの方もストレスフルでした。
これでアジアカップでのリーグ中断を前に理想的な形で前半戦を終わることができた。リーグ中断の7月には賛否両論な国際大会への参加も決まっている。こちらもさまざまな意味で有意義な内容になってくれればいいのだが。

数分しかピッチに立てなかった新加入のアンデルソンが、ゲーム終了後、ものすごい笑顔で喜んでいたのが印象的だった。やはりフロントは性格で外国人を選んでいるのか。いや、しかし短い時間とはいえ献身的に走り続ける姿はとても好印象だった。親友だというフェルとの組み合わせも早く見てみたいものだ。