なんてやさしい響き。
こごみちゃん、なんて名前も今はありそうだな。
最近ではスーパーでもたまに見かけるようになりました、流通手段の発達のおかげでしょう。
生協さんのカタログにも載っていたので、初めてこごみを自分の手でゆがいたのでしたが、あの懐かしい味とはちょっと違うように思いました。
おかあさんは若いころ、スキー場のスナックで居候をしていたことがあるのですが、そのお店の25周年記念パーティに招待されたのが15年ほど前の5月の連休のころ。
ということは、スキー場にいたのはもう40年も前のことになります。
初代居候ということで厚遇され、記念パーティのあとも、春スキーを楽しみ、マスターのお家に泊めてもらって数日を過ごしました。
そこで初めてこごみと出会いました。
特に味が気に入ったわけでもなく(もともと何の癖もない)、形のかわいらしさと物珍しさだけ覚えていたのです。
その記念パーティのあと、夏にゴルフをしに家族で何度かお邪魔しました。
そのお礼にと盆暮れには、マスターの好物のそうめんを贈ったりしていました。
年賀状のやりとりと、贈り物のお礼の奥さんからの電話くらいで、ここしばらくは行っていなかったのでしたが、一昨年の暮に喪中のはがきが届いたのです。
差出人はマスターの名前で、でも、誰が亡くなったかも書いていませんでした。
もう、暮ぎりぎりで切羽詰まってのことだったからでしょう、でも、おかあさんはもしや、一番大切な人を亡くされたのでは、と勝手に思い込んでいました。
年が明けて、すぐに電話でもすればよかったのに、ぐずぐずしていて、なんだかこわくて連絡がとれませんでした。
夏、そうだ、そうめんを送ろう、奥さんなら、きっとお礼の電話をしてくる。
・・・電話はかかってきませんでした。
もうだいぶ前から、そのお店は息子さん夫婦が後を継いでいます。
おねいちゃんが、ケンケン(息子さん)が母の日に一緒に出かけたとfacebookに書いてるけど、奥さんの方のお母さんかもしれないしね、と。
高校生だったおねいちゃんはその25周年記念のときに、おかあさんと一緒に行って以来、2代目居候をやったのです。
じゃ、そこでケンケンに訊いてよとおかあさんが頼んでも、そんなんいややー、とおねいちゃん。
マスター夫婦は秋に結婚式を挙げて、その冬からスキー場でお店を始めたのでした。
マスターは気はいいけどクマゴローみたい、奥さんは東京から山登りに来て知り合ったというモデルさんみたいな美人でした。(ただし、結構気が強くてしっかりもの)
居候といえども同志のような間柄でもあり、居候同士とのいろいろな思い出、スキーインストラクターとのロマンス(だったのかな?)、風邪をこじらせて急きょ山を下りて入院、、、
こごみはいろいろなことを思い出させてくれました。