6月2日(金)
【予報通り雨の朝。本降りが続き、夕方には、風も強まり、ヒュウヒュウと音を立てている。今夜から、明日の午前中にかけてがピークとなるようだ。特に大雨が心配され、雨に弱い当地では、自主避難所の開設、JR列車の運休予定が、広報で流された】
稲刈りが始まると、刈り終わるまで、毎日続けられる。よほどの大雨以外は、少々の雨ふりも休めない。乾くまでは、稲架かけを続けるから、雨でぬれても、稲刈りは行われた。稲わらは染みて重くなり大変だったろうが、短い秋にせかされて、仕事は続いた。
稲刈りが続くと、集落の風景は一変する。村のあちこちに稲架が高い壁のように現れる。10段ほども稲束をかける稲架の高さは、3~4mにもなり、家の二階を超えるほどになる。家の周りに稲架場がある農家では、正面から脇にかけて、ぐるりと稲架が擁壁のように囲み、くぐってはいる入り口だけが、小さく開いており、まるで、要塞のようになる。「一郎どんにいごうとして、次郎どんにへえったがんに」 などと笑う話も言われるほどに、誰の家だかわからないような、稲架かけ通りとなっていた。
秋の晴天が続き、稲束の穂がよく乾くと、いよいよ脱穀だ。