motoryama7011fの鉄ヲタ日記

おでかけしたい

SEA PASEOでミタイケンひろしま(広島DC)

2020-10-23 15:24:45 | 旅行

当ブログでは何度も取り上げていておなじみと化したデスティネーションキャンペーン。
簡単に言うとJRが主催の大型観光キャンペーンです。

群馬DCは不参加でしたので前回紹介したのは1年前の新潟・庄内DC「日本海美食旅」
新潟の美味しいお酒とB級グルメ、観光列車が楽しい旅行でした。ちょうど1年前ということで現在はアフターキャンペーンを実施中。新潟もおすすめです。
その前の静岡DC信州DCも楽しかったので皆様ぜひどっかのタイミングでデスティネーションキャンペーンに参加していただきたいなぁと思います。

今回のせとうち広島DCの範囲は広島県及び瀬戸内の島々がメインの範囲となっています。
デスティネーションキャンペーンの一番の目玉はJRの新型観光列車になることが多いのですが、今回はちょっと違うのが面白いところ。


パンフレットなどで新型観光列車etSETOra(エトセトラ)のPRはもちろんされているのですが、それより推していると思われるのが瀬戸内海汽船の新型クルーズ船「SEA SPICA(シースピカ)」
こちらは三原から広島までの間、大久野島・御手洗・呉などに寄港しながら巡る観光特化の航路になっています。

せっかくならこれに乗りたいなぁと思っていたのですが旅程に組み込むことはできませんでした。


ただ、松山観光港から呉・広島へ向けて出ている航路に姉妹船ともいえる「SEA PASEO(シーパセオ)」が就航していることが分かったのでこれに乗ってみることにしました。
2019年8月にデビューしたSEA PASEOの1年後、2020年8月にデビューしたばかりのがこのSEA PASEO2。
「海上移動を公園のように楽しむ」をコンセプトに設計されたこの船。結構楽しみにしていたんですよね。

なお、松山観光港から呉・広島へは9:35発のこのフェリーに乗るより、10:00発のスーパージェットに乗ったほうが早く途中で抜かされるのですがその分向こうのほうがお値段は高くなります。
最初はスーパージェットに乗るつもりで旅程を組んでいたのですが、近い時間でSEA PASEOに乗れることが判明してこっちに乗ることにしました。




グリーン車みたいなマークが描かれたSEA PASEO2
全体のデザインは京阪電車のデザインで有名なGKデザイングループが手掛けています。これは期待できます。
てっきりSEA SPICAと同じでえちごトキめきリゾート雪月花やWESTEXPRESS銀河を担当したICHIBANSENの川西 康之氏が手掛けているのかと思っていましたが違うんですね。


船内に入るとこんな感じ。船の中って感じがあんまりなく凄くおしゃれな雰囲気です。






デッキに出てみました。円形の吹き抜け構造がかっこいい。
そよ風のパディオ(=中庭)という名称がつけられているみたいです。




上から見ても、下から見てもかっこいいそよ風のパディオ。
乗船時間は呉まででも2時間ほどはかかるので、ちょっと散策にここで風に当たるのも船旅を盛り上げてくれる気がします。




座席の種類も豊富です。リクライニングシートのほか最前部にはパノラマソファが、またカーペット敷きのGORONEエリアなど多くの座席が設けられています。


そんな中、一番に埋まっていたのがOZASEKIエリア。靴を脱いで上がる座席で、スリッパが用意されているのが特徴的です。
他の船でこういった座席はあんまり見たことが無い気がするので、この区画が一番人気なのも納得な気がします。


おなかが空いたので、船内の売店へ。この売店が結構充実しているんですよ。
船旅をおしゃれに演出してくれるノンアルコールカクテルやパフェのほか、カレーやオムライス、おむすびなども取り揃えています。


そんな中私が選んだのは肉うどん。やっぱり瀬戸内航路といえば船内でうどんが食べられることですよね。
デザイン的でおしゃれな船になりましたが、先代のフェリーで人気だった麺とだしを引き継いでいるそうです。


器にもSEA PASEOのロゴマークが。ごちそうさまでした、美味しかったです。




肉うどんを食べた後、私はパノラマソファでくつろぎました。




瀬戸内海は船がたくさん行き交っておりいろいろすれ違います。
後方からやって来たのは松山観光港を25分後に出発したスーパージェット。颯爽と抜いていきました。






11:13頃 音戸の瀬戸を通ります。
最も狭いところで80mしかない海峡となっています。


この狭い音戸の瀬戸などから呉が自然と守られた構造になっていて、それゆえ軍港に適していたというのが分かるかと思います。




音戸の瀬戸を越えると呉港はもうすぐ。




日本製鉄の工場群のいかついクレーン群や




IHIやジャパンマリンユナイテッドの大型タンカーの造船所






海上自衛隊呉地方隊の艦艇が並んでいます。
あいにく詳しくないのですがかっこいい眺めですね。




11:30 呉港に到着。ここで下船します。


呉港で客扱いを速やかに終えるとすぐにSEA PASEOは広島港へ向けて出ていきました。


呉といえばこれですよね、一度来てみたいと前から思っていた大和ミュージアム。


いろいろ展示を見てきましたが、義務教育で歴史をまじめに勉強していなかったことを後悔しました。
阿片戦争とか日米修好通商条約とか、名前は聞いたことあっても流れが全然頭に入っていなくて…


これが館内一番の目玉、戦艦大和の大型模型。これでも1/10スケールというから驚きです。
大和は日本一の大きさを誇っていましたが、戦時中は軍事秘密とされ一般人には知られていなかったそうです。


呉鎮守府が廃止されたのち、造船や整備で培った技術は生かされることとなります。
ジャパンマリンユナイテッド(建造時は石川島播磨重工)で作られた、当時世界最大を誇ったタンカー日精丸の模型も展示されています。
軍事産業の技術を平和産業に転用した呉の変遷を見られるのもこの博物館のいいところなのかなと思いました。


また、高い技術力は鉄道にも生かされていたんですね。国鉄の鉄道技術研究所が呉に設けられていたのは初めて知りました。






零戦とかも見てきました、申し訳ないですがこの辺は知識が全然なくて…よくわからなかったです…


不勉強が身に染みる結果になりましたが、いい博物館だなって思いました。
もとは小さな漁村だった呉が、その地形を活用した軍港になって一時期は広島駅より呉駅のほうが利用客が多くなったりして現在の街に発展していったんですよね。
街の成り立ちを観察するだけでも面白い場所だなぁと思いました。


大和ミュージアムのショップでいくつかお土産を買ってきました。写真はこのあと広島駅で買ったものなども含んでいますが。


特に呉らしいなと思ったのがこの2つ。間宮羊羹と旅行の友です。
間宮というのは呉鎮守府に所属した給糧艦(補給艦)。
18,000人×3週間分の食料を貯蔵できるだけでなく艦内で本格的な調理が可能で、パンや甘味を製造したり生きた牛を積み込んで艦内で加工したりと何でもできるすごい艦船。
巨大な食品加工工場が海の上にあるといった感じでしょうか。どの港でも間宮は大人気で、来ると大喜びで迎えられたそうです。
購入した間宮羊羹に添えられていたお品書きには、当時艦内で「と〇やより大きく!」との指示があったことが記載されていたりもします。
そんなわけで間宮羊羹は当時国内最高の品質と大きさを誇るもので、甘未だけでなく日々の食料に苦労する戦時下においての希望の光だったそうです。

もう一つ、復刻缶で売っていたのは田中食品の旅行の友(たびのとも)
ふりかけの元祖は3つあり、どれも近い時期に誕生しているのですがこれはその1つ。今でも人気のふりかけですよね。
元々戦時中にもっていくご飯のお供には漬物やみそが使われていましたのですが、サイパンなどへ南進するにあたっては気温・湿度が高くこれらが腐ってしまうことが問題になりました。
そこで呉の海軍から漬物商の田中食品に何とかできないかと依頼して生まれたのがこのふりかけ。高温多湿でも腐らないことだけでなく、栄養価が高いことを重視したもので当時高級であった鰹節や海苔を多用しています。
白米すら満足に与えられなかった当時、栄養補助食品としてこのふりかけが果たした役割も大きかったのかなぁと思ったりします。
また、缶には戦艦と戦闘機のイラストと合わせて東京~下関を結び連絡船を介しアジアとヨーロッパを結んだ特別急行列車富士のC55が描かれています。
流線形デザインの蒸気機関車には空気抵抗削減の効果はほとんどなかったとされていますが、当時の子供の関心の対象になっていたというのがこのデザインからも読み取れます。




歩いてすぐで駅に到着。呉駅と呉港は徒歩5分くらいの至近に位置していて観光するにも便利です。


呉駅の目の前にある喫茶レストさんでお昼ご飯にします。


名物の呉海軍カレーをいただきました。味はもちろん、レトロな喫茶店の雰囲気も非常に良かったです。
辛すぎず程よい感じが甘党の私にはちょうど良かったです。サラダと一緒についてくるパインがカレーを食べた後の辛さを緩和するデザートになっているのもいいですよね。

海軍、また現在の海上自衛隊は海上の勤務で曜日感覚が失われがちということで金曜日はカレーと決めて曜日感覚を失わないようにしている。というのは有名な話ですよね。
なるほどなぁと思って調べていたのですが、Wikipedia‐海軍カレーを読むと
…という説明が伊藤俊幸海将のときに広報から誤って発せられ世間に広まってしまったが、本当のところは翌週に持ち越せない残り物の食材を休み前の最後のメニューで使い切るためであり、大抵の食材を混ぜて入れても味が破綻しないからカレーなのである。
と書かれています。あれ…?

長い海上勤務で曜日感覚を失わないため、と言いつつ休みはカレンダー通りで最終日の土曜日(週休2日になってからは金曜日)に曜日狂い防止メニューを設定するのは確かに不自然です。
明日は休みだっていうタイミングじゃなくて、折り返し地点の水曜日あたりにカレーを設定しないと曜日補正の効果は得られそうにありませんね。
調味料を変えれば肉じゃがにも転用できる万能なタネを最終日に使い切っちゃおうというのがどうやら本当のところだったみたいですね。これは驚き。

そんな海軍カレーを満喫後、安芸路ライナーに乗って次は広島へ向かいます。


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