ロック探偵のMY GENERATION

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スティーヴ・アール「エルサレム」(Steve Earle, Jerusalem)

2017-12-11 16:17:34 | 音楽批評
 

今回は、音楽評論記事として、スティーヴ・アールのエルサレムという歌をとりあげます。

今この歌をとりあげる理由は、おわかりでしょう。
昨日も書いた、エルサレムの問題と関連してです。

以下、歌詞を抜粋して紹介します。


 今朝起きてみたら いいニュースなんてありはしなかった
 死の機械が イエス・キリストの立った土地を荒らしまわり
 テレビの男はこういった これまでずっとこうだったし
 何をいうことも 何をすることもできはしないんだと

 ほとんど僕は 彼に聞き入っていた
 おかしくなってしまいそうだった
 それから 正気を取り戻して
 自分の心をのぞきこみ 気づいたんだ

 僕は信じる ある晴れた日にすべてのアブラハムの息子たちが
 エルサレムで 永遠に剣を捨て去ることを

 僕は信じる いつの日か エルサレムで
 獅子と子羊が穏やかに身を横たえる日がくることを

 バリケードはどこにもなく
 鉄条網も壁もなく
 手から血を洗い流し
 魂から憎しみを洗い流す

 僕は信じる その日 すべてのアブラハムの子どもたちが
 エルサレムで永遠に剣を捨て去ることを  
 

この歌が発表されたのは、今から15年前の2002年のことです。
なのに、まるで今起きていることを歌っているかのように聞こえます。
それだけ、パレスチナを取り巻く状況は変わっていないということです。
「ある晴れた日」は、やってきていません。
それどころか、はるか遠くへ遠ざかっていっているようでさえあります。
そんな状況に、この歌は悲しく響いてくるのです。