ロック探偵のMY GENERATION

ミステリー作家(?)が、作品の内容や活動を紹介。
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77年前のこと

2018-12-08 12:57:53 | 日記
今日は12月8日です。
去年は、ジョン・レノンの命日ということで記事を書きましたが……12月8日というのは、真珠湾攻撃によって太平洋戦争が始まった日でもあります。77年前の今日のことです。今年は、そっちについて書きましょう。

日本が太平洋戦争にいたるまでの歴史については、このブログでこれまで何度か書いてきました。

その一連の経緯をみていてつぶさに感じるのは、指導者の無責任体質ですね。
組織の上のほうにいくほど責任をとらない、という……
それは、開戦のまさにそのときまでそうだったと思うんです。
陸軍も、海軍も、アメリカと戦争したって勝てるわけがないということはわかっていました。しかし、どちらも、自分から「やめよう」とは言い出せない。誰か止めてくれないかな……と思いながら、自分は何もせずに、結局ずるずると開戦にひきずられていったといいます。そしてそこを正当化するために、彼らは「序盤で敵に大打撃を与えれば有利な状態で講和に持ち込める可能性がある」というような甘い見通しを語るのです。日米の軋轢を数十年というスケールで眺めてみれば、そんな可能性はほとんどないにもかかわらず。

大きい船ほど、一度一つの方向に進みだすと、止まったり方向転換することが難しい……以前、そういった意味のことを書きました。日本という国は、まさにそれだと。

戦前の日本は、そんなふうにして戦争に突き進んでいったんだと思います。
止めなきゃいけないのに、止められる立場にいる人間たちが、そのために引き受けなければならないリスクやコストを考えて、止めようとしない。そうして、やがて岸壁に衝突してしまう……

問題なのは、そういう体質を、この国はいまでも引きずってるんじゃないかというところです。

一度一つの方向に動き出してしまうと、それを止めることができない。
そういう話は、政治とか経済のあちこちに見受けられます。また、偽造、偽装といった類のこともしょっちゅう出てきます。
こういう無責任体質の背景に戦後の日本の体制があるという人も世の中にはいますが、それは違うと思うんです。
無責任体質は、戦前の日本にこそはびこっていたもので、それこそが日本を無謀な戦争に追いやったものなんじゃないでしょうか。その根は深く、ひょっとすると江戸時代ぐらいにまでさかのぼるんじゃないかと私は思ってます。
この体質をなんとかしないと、この国はまたいずれとんでもない破滅の淵に落ちてしまうのではないか……そんなことを心配せずにはいられません。