昨夜、NHKの『歴史秘話ヒストリア』で特攻を扱った回「特攻 なぜ若者は飛び立ったか」を観ました。
厳密にいうと、NET BUZZ という番組で、過去に放送されたものをもう一度放送するというもの。
EXILE、三代目J SOUL BROTHERS の岩田剛典さんが朗読で出演していることでも話題になった回ですが……あらためて、特攻というもののおそろしさを感じさせられました。
番組で語られていたところによると、陸軍において特攻というものが立案されたとき、すんなりとそれが通ったわけではないそうです。
たとえば、安田武雄陸軍中将が異議を唱えました。
厳しい戦況を招いたのは、上層部。そのツケで前線の兵士を死にに行かせるのは、親の責任を子供に押し付けるようなもの――という、実にまっとうな批判です。しかし、東条陸相はその安田を更迭。自身に近い後宮淳をその後任に据えます。そして、戦況悪化で、もう特攻しかないというおかしな方向に話が流れていくのです。
まっとうな反対意見を精神論で封殺してしまうという狂気……こうして、特攻は実際に行われるようになるのです。
当初はそれなりに戦果のあった特攻も、米軍側が対策をとったことで、次第に効果が薄れていました。にもかかわらず、日本側は特攻をやめませんでした。
終盤には、効果が望めないとわかっていながら、ある種の“儀式”として特攻が自己目的化していたといいます。
これは、狂気というほかありません。
「志願」という建前をとったのも、さすがに死が確実である行動を命令するのは問題があると認識されていたためで、その背後にあったのは、同調圧力や“忖度”……
あらためて、特攻というのは、美化してはいけないものだなと思いました。