ロック探偵のMY GENERATION

ミステリー作家(?)が、作品の内容や活動を紹介。
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Go To トラベル、岐路に

2020-11-27 20:29:16 | 時事



Go Toトラベルが、岐路にさしかかっているようです。

大阪・札幌については、両市を目的地とする分だけではなく、出発分についても利用を控えるよう菅首相が呼びかけました。

感染拡大を目の当たりにして、さすがに見直しの動きが出てきているということのようですが……遅きに失した感は否めません。
やめるならもっと早くやめておけばよかった――というよりも、そもそも最初からやるべきではなかったということでしょう。

すでに多くの人がいっていることだと思いますが、この流れは戦時中の大日本帝国のあり方を彷彿させます。「やめるならもっと早くやめておけばよかった――というよりも、そもそも最初からやるべではなかった」という意味で。

太平洋戦争については、1944年6月のマリアナ沖海戦に敗れた時点で日本の敗北は決定的であり、その後は米軍による“残敵掃蕩戦”に過ぎなかったという人もいます。しかし、日本が実際に降伏するまでには、それから一年以上がかかりました。
一億玉砕などといってみたところで、そんなことは現実的にできない相談なので、結局どこかの時点で降伏となるのはわかりきっているわけです。どうせ降伏するなら、早く降伏しておけば、東京大空襲も沖縄戦も二度の原爆投下もなかったかもしれない。数十万人が死なずにすんだかもしれない。にもかかわらず、ボロボロになるまで白旗をあげることができなかった……
翻って現代、Go Toキャンペーンも結局それと同じことをやってしまっているといっていいでしょう。
一度決めたことはそれ自体が自己目的化して止められなくなる。状況が悪化しても現実を直視せず、従来の方針意地に固執し、そのために一般市民がいくら犠牲になろうとおかまいなし――これは、大日本帝国病とでも呼ぶべきこの国の宿痾です。この死に至る病を克服しなければ、新型コロナとの戦いにも勝機は望めません。いや、実際のところ、惨憺たる無条件降伏に追い込まれるのもそう先のことではない気がしますが……