ロシア軍によるウクライナ侵攻は、重大な局面をむかえつつあるようです。
ロシア軍は、キーウ周辺からいったん退いた部隊を再配置し、東部に対する総攻撃を準備。包囲戦が続くマリウポリの陥落は間近ともみられています。
いっぽうで、これもうまくいかないのではないかという見方も出ているようです。
ここまでの軍事行動でロシア軍がこれだけ苦戦しているのは、組織のあり方に根本的な問題があるためであり、改善するためには抜本的な組織改革が必要で、それをやるには数か月かかる。したがって、東部の制圧も難しいのではないか……そういう見方もあります。
もちろん、そう決めてかかるのには注意が必要ですが……
ただ、どうあってもこの戦争はロシアの勝利というかたちで終わらせてはいけない。そこは、強調しておきたいと思います。
前にも書きましたが、軍事侵攻が成功裏におわってしまうと、今後それを真似する国が出てくるおそれがあり……逆に失敗に終われば、同じようなことを考えている国を思いとどまらせることになるでしょう。
ただし、必ずしも軍事的にロシアに抵抗し続けるということではありません。
軍事的にはロシアが限定的な目的を達成するとしても、政治的、経済的に大きなダメージを負い、誰の目から見ても失うもののほうが大きかった、というかたちにする必要がある。侵略戦争に報酬があってはならない、ということです。
こういうとウクライナを利用しているというふうに聞こえるかもしれませんが、これはウクライナを支援することが結果としてそういう方向性とも一致するということであり、少なくとも私は、ウクライナの人々に抗戦の意思があるかぎり、それを支援することが道義的に間違っているとは思いません。
ことによると、数か月、数年単位の長期戦になるかもしれないという見方も出てきていますが……ひとまずは、山場とみられている今後数週間の動きを注視したいと思います。