今回は、映画記事です。
前回の映画記事ではターミネーターの最新作について書きましたが……以前ターミネーター作品について書いた際に比較対象としてX-MENの話をしたので、今回も
X-MEN について書こうと思います。
ぶっちゃけておくと、この流れはゲオの5本で1000円システムによるものです。
この間、寅さんの日ということで『男はつらいよ50』を借りようと思い、どうせならこの際「新作・準新作5本で1000円」システムを利用して、観ようと思っていた新作映画をまとめて借りてきたという経緯。普段は旧作落ちするのを待ってレンタルというせこいやり方をしている私ですが、今回5本1000円システムを利用したことによって、比較的新しい映画を観ることができているわけです。そのなかの一つが、先日紹介した『ターミネータ:ニュー・フェイト』でした。
そして、X-MENシリーズの最新作である『ダーク・フェニックス』です。
このシリーズでは、4作目でいったん過去に戻って別の世界線が描かれてきたわけですが……6作目にあたる前作『アポカリプス』で、スコット、ジーン、ストームといった旧シリーズを支えたミュータントたちが出そろいました。チャールズも、スキンヘッドで車いすという我々のよく知る“プロフェッサーX”に近づいてきています。そして今作では、舞台となる時代設定も、1992年と第一作の出発点に接近してきました。
下は、そのトレーラー映像。
英語で字幕ナシですが、これしか見つからなかったので……
Dark Phoenix | Official Trailer [HD] | 20th Century FOX
内容は、“ダーク・フェニックス”というタイトルに示されるとおり、全編とおしてだいぶ重い話になっています。
ネタバレになるので詳細は書きませんが、レギュラー陣の一人が殉職。そこから、X-MEN内部に亀裂が生じ、仲間割れのようなかたちになっていきます。
前作でも殉職者は出ましたが……前回はそれがX-MENたちをむしろ団結させたのに対して、今回は分裂の引き金に。もともと綻びが生じ始めていたことが背景にあるわけなんですが、こういう展開はこれまでのシリーズにあまりなかったことで、それがある種の重苦しい感じを生んでいるでしょう。
話の軸となるのは、ジーン・グレイ。
X-MENのなかでも最強クラスの力を持ち、前作ではその力を覚醒させ、シリーズ史上最強の敵を倒しました。
しかし、彼女の力は、強すぎるがゆえに抑制が難しいのです。
旧シリーズでもその強大すぎる力が暴走してすさまじい破壊を引き起こしましたが、今作もそれに近いことになっています。違う世界線になっても、やはりこの展開……これはもう、ジーンという人の運命なんでしょう。
本作の最大の見どころは、もちろんミュータントたちのバトル。
X-MENでおなじみの、敵味方それぞれ4,5人のミュータントがいてミュータント軍団同士での戦いという見所がきちんと用意されています。
詳細は省きますが、今回はハンク・マッコイが敵の側に回るというサプライズも。
ただし、今回はそこに第三の勢力がからんできて、最終的にX-MENたちは団結して戦うことになります。
もちろん、最終的にはX-MENたちが勝利。
この作品の結末は、『フューチャー&パスト』に描かれた未来と矛盾しているようにも思えるんですが……まあ、細かい齟齬は、これまでにもいくつかありました。さすがに、そういうところは割り切ってしまわないと、これだけシリーズを続けることもできなかったんでしょう。
どうやら、X-MENシリーズはこれが最終作ということになるようです。
20年近く続いたシリーズの結末としては、本作はいささか“ダーク”のほうに流れすぎてしまった気がしないでもありません。後味という意味では、決してよいとはいえないでしょう。最後の最後でウルヴァリンは出てこないのかという一抹の寂しさもあります。
正直なところ、これで終わりだといわれると釈然としないものがあり……できうれば、まだ続編があってほしい。
決してありえないことではないと思うので、その辺ちょっと期待しておきたいと思います。