今回も、ウクライナ戦争に関する記事です。
以前、日本漫画家協会の声明を紹介しましたが……文学界からも、同様の動きがありました。
3月10日、日本ペンクラブ、日本文藝家協会、日本推理作家協会の三団体が、「ロシアによるウクライナ侵攻に関する共同声明」を発表したのです。
時事通信社が公開した共同記者会見の映像を以下にリンクさせておきましょう。
「許し難い暴挙」とロシア非難 ペンクラブなど3団体が共同声明
以下、その全文を引用します。
私たちは、ロシアによるウクライナ侵攻に強く反対します。
これは、完全に侵略であり、核兵器使用に言及した卑怯な恫喝であり、言論の自由を奪い、世界の平和を脅かす許し難い暴挙です。
私たちは表現に携わる者として、人々の苦悩や悲嘆、そして喜びを表してきました。しかし、新たな戦争の愚かさについてなど、書きたくはありません。
ウクライナの人々の命、人々が築いた文化、産業、街や学校、施設などがこれ以上破壊されないように、そしてロシアの人々の自由と命も無用に奪われることのないように、一日も早い戦争の終結を願います。
上の動画にはありませんが、ペンクラブの会長をつとめる桐野夏生さんは、記者会見で次のように語ったそうです。
「声明を発表することしかできないもどかしさも感じるが、決して無駄ではない。みんなで戦争反対の声を上げて、戦時中の文学報国会のようには絶対にならない」
頼もしい言葉です。
この三団体が共同で声明を出すのは今回が初ということですが、それだけ危機感が共有されているということでしょう。
キエフへの総攻撃が間近に迫っているとみられ、状況は予断を許しませんが……しかし、世界中で巻き起こる批判がプーチン政権を相当に追い詰めているということも、諸々の報道からうかがえます。桐野会長がいうように、反戦の声をあげることは決して無駄ではないのです。
剣によってではなく、ペンの力によってこの戦争が止められる……そんな奇蹟を願うばかりです。