ロシア経済がデフォルトの危機に直面しています。
ウクライナ侵攻に対する経済制裁による影響が、こういうところにも出始めました。
ちなみに今日3月16日は、「財務の日」とのこと。
316という数字の並びを素直に読めばむしろ「債務の日」じゃないかと思いますが……奇しくもこの3月16日、ロシアのドル建て外債およそ1億1700万ドルが利払いの期限を迎え、デフォルト(債務不履行)の危機に直面しているのです。
経済制裁によって海外資産が凍結されており、ルーブルで返済する意向というんですが、そのルーブルはウクライナ侵攻以後暴落しています。そこを、ロシア側で設定したレートで換算した相当額を支払いにあてる……これは、あまりにも無茶です。
いっぽうで、ロシアから撤退した企業を国有化するなどという話もあります。
ウクライナ侵攻以後これまでにロシアで事業を停止した企業はおよそ350社にものぼるといいますが、それらの資産を接収しようというのです。
これも、無茶苦茶です。
これらは、国家の未来さえも破壊する愚行といわざるをえません。
経済活動を成立させる信認という土台を崩してしまえば、今後外資がロシア進出を躊躇するようになるのは自明です。
通貨に関しても、勝手に約束をたがえて自国設定レートのルーブルで借金返済などということをすれば、ルーブルという通貨を誰も信用しなくなるでしょう。
ロシア経済は、ウクライナ侵攻によって多くを失ったばかりでなく、失ったものを取り戻す機会さえも自ら放棄しているのです。
独裁者の暴走は、国家の未来をさえ奪う……
独裁体制は一時的にうまくいっているようにみえても必ずどこかで行き詰る、とこのブログではたびたび書いてきましたが、今回の騒動はまさにそれを実証しているといえるでしょう。