GSOMIA破棄を受けて、日韓の確執がさらに深まっています。
現状はもはや、国交回復以後最悪といっていい状況ではないでしょうか。
いっぽうで、米中貿易摩擦も激化し、また米中ロの間ではINF全廃条約失効に伴い、核軍拡競争の兆しが見えるなど……まるでアマゾンの熱帯雨林火災のように、世界中に争いが広がっているようです。
ここで名曲を一曲。
タイマーズの「争いの河」です。
大人たちが言い争ってる
原発やコメや税金で争ってる
大人たちが言い争ってる
社会や文化、経済で争ってる
その間に目的をもった奴がちゃくちゃくと準備をしてる
政治家はただ選挙で争ってる
宗教の奴らは神さまで争ってる
科学者ときたら特許で争ってる
企業はひたすら利益を争ってる
その間に目的をもった奴がちゃくちゃくと準備をしてる
芸術家が著作権で争ってる
教育者は偏差値を争ってる
芸能人は笑顔で争ってる
スポーツマンは記録を争ってる
その間に目的をもった奴がちゃくちゃくと準備をしてる
男も女も朝から争ってる
親子も他人も強大も争ってる
人殺しもおまわりも争ってる
田舎も都会も海でも山でも空でも
その間に目的をもった奴がちゃくちゃくと準備をしてる
大人たちがまた争ってる
未来や過去や現在を争ってる
いい年こいてまた争ってる
力で言葉で思想で争ってる
その間に目的をもった奴がちゃくちゃくと準備をしてる
一応注釈をくわえておくと、タイマーズは忌野清志郎がやっていたバンドです。
この歌の歌詞を見ていると、やっぱり清志郎は見えている人だったんだなあとあらためて思います。
この歌の「ちゃくちゃく」という部分の後には、チャクチャク、チャクチャクというコーラスがついていて、曲の最後はその繰り返しで終わってるんですが……この歌を聴いていると、そのコーラスがなんだか不気味に響いてくるのです。
今回の日韓の件でいば、お互いの国のヘイトを煽ってほくそ笑んでいるものがいるんじゃないか――そういう冷静な視線を持つ必要があるんじゃないでしょうか。
もう日本政府も我慢比べ、韓国政府も我慢比べ
冷静にこの先がどうなるのか、見越してる人なんか
いないんじゃないでしょうか。
この先、どんなふうに転がるか読めないし、
悪くすれば、どんどん最悪な方向に向かうのでは?
と不安になるばかりです。
一種あきらめの気分で、ただ声に出せるのは、「もうやめてくれ」という気持ちだけ。
今に、なってようやく左卜全の「老人とポルカ」の達観が理解できるような気分です。
私見では、90年代に保守論壇がだんだん強くなり始めていたというのがここに至る伏線だったと思います。
2000年代に入ってからは、言論界において完全に保守のほうが優勢になり……そうなると、中国や韓国との関係が悪化していくことはもう宿命だったのかもしれません。
ただ、あきらめてはいけないんだと思います。
あきらめたらそこで試合終了――と安西先生はいいました。
なんとかして、必死にこの奔流にあらがい、理性の側に踏みとどまろうとする努力が必要なのだと思う次第です。