Scorpions - Wind Of Changeひさびさに音楽記事です。音楽ジャンルでは、前回UFOについて書きました。その関連アーティストということで、今回はスコーピオンズについて書こうと思います。スコーピオンズは、マイ......
過去記事です。
スコーピオンズについて書いています。
最近このブログで何度かスコーピオンズの名前が出てきていたので、ちょっと振り返ってみようかと。
スコーピオンズの名前が出てきたのは、たとえばロバート・フリップの夫婦漫才でとりあげていた Rock You like a Hurricane。
本人たちのバージョンの動画を載せておきましょう。
Scorpions - Rock You Like A Hurricane (Official Music Video)
また、ごく最近の記事で、スコーピオンズがモスクワミュージックピースフェスに出ていたという話がありました。
そのフェスにおけるパフォーマンスの動画がスコーピオンズのYoutubeチャンネルにあります。
Scorpions - Still Loving You (Moscow Music Peace Festival 1989)
東西の融和を象徴するようなフェスですが、その裏では誰がトリをつとめるかという件で大モメになり、ボン・ジョヴィがその大役を担うことにモトリー・クルーが激怒したという……
ちなみに、このときのメンツを中心としてコンピレーションアルバムも作られました。
オジー・オズボーンがザック・ワイルドのギターでジミヘンの「紫の煙」をカバーとか、そういうかなりレアな音源が含まれている一枚ですが、このなかでスコーピオンズはフーの I Can't Explain をカバー。
彼らはこの曲を自分たちのレパートリーにしていて、オフィシャルMVもあります。
Scorpions - I Can't Explain (Official Video)
ここからは、最近のスコーピオンズに関する話題を。
元記事は、スコーピオンズ最大のヒットである Wind of Change について書いていました。
それが2020年の今頃のことですが、ちょうどその頃、Wind of Change は、CIAがソ連崩壊のために作らせたプロパガンダ曲というような話が界隈を騒がせていたそうです。私はそのときは知らなかったんですが……
まあ、よくある都市伝説的な話というか、どうも後付け陰謀論のような臭いが感じられます。
ロックが冷戦を終結させた――というのは後から考えればそんなふうにもいえるかもしれないという話であって、その当時の諜報機関の人間がロックを利用してソ連を崩壊に追いやろうなどと考えるものかどうか。
ちなみに、昨年、ウクライナ戦争がはじまった直後、スコーピオンズがライブでこの曲を披露した動画があります。
Scorpions. Las Vegas, 2022-03-27 Wind of change for Ukraine.
「ウクライナの人々に捧げる」として、ちょっと歌詞を変えて歌いました。
変化への希望を歌ったあのときから三十年あまり……こんな状況で、こんなふうに歌わなければならなかったのです。
タイトルは、Rock Believer。
「ロックを信じる者たち」――およそ半世紀にわたってやってきたレジェンドバンドがこういうタイトルの作品を発表したというだけでも、胸に迫ってくるものがあります。
ボーカルのクラウス・マイネによる全曲解説というのがあって、そこでマイネはタイトル曲についてこう語っています。
長年、大勢の人間がロックは死んだと言うのをくり返し耳にしてきたが、世界には今もロックを信じる者が何百万人もいるという事実が、そんな連中の誤りを証明している。俺たちのファンは世界最高だ。いつかどこかでまた会おう、なんといっても俺たちは、きみらと同じ“ロック・ビリーヴァー”なんだから。
頼もしいではありませんか。
このアルバムは、コロナ禍において制作されたということもあってか、社会に訴えかけるような内容の歌も多くあります。
たとえば、Paecemaker という曲。
Scorpions - Peacemaker (Official Video)
アルバムの発売が3月11日ということなので、ウクライナ戦争を受けて作った曲ではないでしょうが……しかし、そんなふうにとれる歌詞もあります。
邪悪な獣は今でもまだ生きている
わかっていたことさ
永遠の愛を 戦争を止めてくれ
光が差してくる
明日はもうすぐそこまできているんだ
いま未来はお前の手の中にある
おぼえているか
そう、俺たちならできる
この曲に関するクラウス・マイネの解説は、次のようなものです(原文ママ)。
最初はただの言葉遊びだった。Peacemaker bury the undertake ~平和の使者よ、葬儀屋を葬れ。さて、これはどういう意味だ? これほど多くの人々がコロナのせいで、あるいは残忍な戦争他、無意味な犯罪のせいで亡くなり続けている今、葬儀屋は残業して働いていると思われる。パンデミック後の平穏な世界は、そいつらには休んでもらって平和をもたらす者が手綱を握る時代になるだろう。夢のような話だって? 想像するのは勝手だろう…
ロックに世界を変える力があるのなら……泥沼化しつつあるロシアの戦争を止めることもできるでしょうか。「ロックを信じる者」としては、そう願いたいところです。