今回は、音楽評論記事です。
音楽評論シリーズも最近は時事系記事っぽくなっていますが、今回もその流れでいきましょう。
紹介するのは、Green Day のYou Lied という歌です。
隠しきれない問題を抱えたお前
衝動的な癖はなくなりそうもないな
お前の息は空気を腐らせ
歯は腐り落ちて黒い穴になる
なあ 真実からは逃れられないぜ
お前の言うことが本当のはずがない
物語が広がって もうめちゃくちゃになって
いいわけのしようもない
お前はウソをついたんだ
衝動的な癖はなくなりそうもないな
お前の息は空気を腐らせ
歯は腐り落ちて黒い穴になる
なあ 真実からは逃れられないぜ
お前の言うことが本当のはずがない
物語が広がって もうめちゃくちゃになって
いいわけのしようもない
お前はウソをついたんだ
グリーンデイというと、イラク戦争以後ぐらいからは当時のブッシュ政権を批判するような作品を発表していましたが、それ以前はあまり政治的なことを表面に出していないイメージもあります。
この You Lied も決して政治的な歌ではありません。しかし、これがなんだかいまの状況にぴったりのような気がするのです。パンクというのはやっぱり“裸の王様”を撃つ音楽ですから、ことさらに政治的なスタンスをとらなくても、自然とそういうふうになるということなんでしょう。
曲調からすると、ふだんのグリーンデイとはちょっと違うような気もしますが、それはこの曲がシングルのカップリング曲であることと関係があるかもしれません。
“シングルのカップリング曲”といっても、今の若い人にはなんのことかわからないかもしれませんが……かつてレコードが主流だった時代には、レコードに一曲だけ収録すると裏面が余ってしまうので、裏面を埋めるためにもう一曲入れていた名残ですね。おまけみたいな扱いですが、このカップリングが、アーティストにとっては新しい方向性を試してみる実験場のような意味合いも持っていたわけです。
グリーンデイは、そんなカップリング曲ばかりを集めた Shenanigans というアルバムを発表しています。私も、そのアルバムでこの曲を知りました。
邦題は『シェナニガンズ ~スーパー・ウラ・ベスト!』というこのアルバムですが、未発表曲も収録されています。その Ha Ha You're Dead という曲も、ついでに紹介しておきましょう。
どれだけの感情を奪えるんだ
どうせアピールなんだろ
透けて見えるぜ 薄っぺらだからな
またアルミホイルを噛むみたいに
お前の船が沈んで
お前の世界が崩れ落ちるとき
Ha Ha お前はもう死んでいる
ジョークはおしまい
くそったれな奴だったよな
そんなお前も今はもういない
お前の船が沈んでいくとき
そばに立って見ててやるよ
お前が溺れていくのを
Ha Ha お前はもう死んでいる