ロック探偵のMY GENERATION

ミステリー作家(?)が、作品の内容や活動を紹介。
『ホテル・カリフォルニアの殺人』(宝島社文庫)発売中です!

Lady A, Need You Now

2020-06-12 20:30:03 | 音楽批評
 
 
 
Lady Antebellum じゃなくて……?
 
と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
 
しかし、Lady A なのです。
 
Lady Antebellum が、バンド名を Lady A に変更すると発表しました。
 
antebellum というのは「南北戦争以前の」という意味で、南部側の価値観を懐かしむ響きがある。そして、その南部側の価値観のなかには、奴隷制もふくまれているーー昨今の人種差別に対する問題意識の高まりを受けて、この言葉をバンド名に使っているのはよろしくないとメンバーが判断したそうです。
 
すでにアップされている動画のタイトルまでは変更されないようですが、公式YouTubeチャンネルはすでに Lady A 名義に変わっています。
 
これは難しい問題です。
 
これまでこのブログでは、Massive Attack や Anthrax といったバンドのバンド名変更問題を紹介してきました。いずれも同時多発テロ後のアメリカ社会の時勢に関してバンド名が問題になり、前者はバンド名を変更し、後者は変更しませんでした。そもそも一律に論じられることではなく、問題の性質によってケースバイケースで考えられるべきことでしょう。
 
今回の件でいえば、 Lady Antebellum のバンド名変更はやむをえないものだったといえるかもしれません。
 
懐古趣味においては、しばしば「古き良き時代」という幻想が独り歩きし、その時代にあった問題点が忘れられがちです。そうして「昔はよかった」の落とし穴にはまってしまいます。その、見落とされがちな問題点にきちんと目をむけてということでしょう。
 
ただ、Lady A という名前だと、「少女A」とか KID A とか、そういう感じになってしまいますが……
 
 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。