『鉄腕アトム 青騎士の巻』を観ました。
先月手塚治虫記念館の記事で、アトムが悪役となるエピソードについて書きましたが、その出発点ともいえるのが、この「青騎士」。
アマプラを見ていたら、そのアニメ版があったので、見てみました。
一応劇場版ということで映画記事として書いているんですが……イベントで二本立てで上映された作品の一本ということらしく、わずか10分ぐらいの短い作品となっています。
原作は結構長い話であり、旧アニメシリーズでも前後編にわけて二週にわたって放送されたエピソードです。
原作および旧アニメ版では、アトムが人間と戦う側につきます。
先日書いたように、テコ入れのためにアトムを悪役にするという趣向でそういうストーリーになったのでした。
ただし、このエピソードでは、まだアトムは完全に悪役になってるわけではありません。
人間に反逆する可能性があるロボットを強制的に収容して分解するという魔女狩りのようなことが行なわれ、それに対してアトムは葛藤し、その葛藤の末に、人間と戦うことを決意するのです。
青騎士は、X-MENでいうマグニートーのような存在であり、ロボットに対する非道な扱いに抗し、ロボットの権利を守るために戦っています。人間側がロボットに対して魔女狩りのようなことをやったがために、アトムは青騎士に協力することになるわけです。
この世界史的な視点にたった重厚なストーリーが、まさに手塚漫画の真骨頂でしょう。
この構図は、たとえば、21世紀のいわゆる「対テロ戦争」に重ね合わせることもできます。
魔女狩りのようなことをやったがゆえに、むしろ憎悪をあおり結果としてより激しく敵対するようになるという……
物語の結末がどうなるかということに関しては、漫画原作と旧アニメ版、そして99年版でそれぞれ違っています。
重いテーマをどう扱うかということで三者三様なわけですが……今回視聴した99年版は、もっともやさしい結末とも感じられます。
あるいはそれは、1999年においてはちょっと時代遅れと映るレベルだったかもしれません。そういう意味では、20世紀の終わりにこの物語が作られたのは象徴的なのではないか――そんなことも思いました。
手塚漫画には重層性がありますね。子供のころに読んだ作品を後で読み返すと新たな発見があったり、また、未読の作品を読むと常に新鮮さがあり……それゆえに、漫画史における不朽の存在であり続けているのでしょう。
メンタルな
エレベーターですね!!
読み手に逢わして、、、
共感させるスゴ腕ですね、
読み方が 、
目から鱗で、、、
もう一度,読み直します。
ためになりました。