ロック探偵のMY GENERATION

ミステリー作家(?)が、作品の内容や活動を紹介。
『ホテル・カリフォルニアの殺人』(宝島社文庫)発売中です!

SL人吉100周年

2022-11-18 22:57:46 | 日記




SL人吉が、百歳を迎えたそうです。



蒸気機関車58654号機。
1922年の今日造られたということで、100周年記念のイベントが八代で行われています。
残念ながら私はいけませんでしたが……



このSL人吉には、私も一度乗ったことがあります。その際のことをブログ記事にも書きました。
せっかくなので、そのときの画像を再掲しておきましょう。




もう現役では最古の蒸気機関車ということになるんだそうで……老朽化もあり、再来年までで引退するという寂しいニュースも最近ありました。
豪雨被災のことなどもあって近年は乗客数も伸び悩んでいたとか……そうと知っていればもっと乗っていたのにというところです。
せめて、引退する前にもう一度乗りに行きたいと思います。




クラプトンの名曲を振り返る+α

2022-11-16 22:38:18 | 過去記事

Eric Clapton, When This War Is Over

今回は、音楽記事です。このカテゴリーでは、前回ジョージ・ハリスンについて書き、そこで彼の盟友エリック・クラプトンの名前が出てきました。そこで今回は、エリック・クラプトンについ......


過去記事です。

クリームが出てきたついでに、エリック・クラプトンの記事を。


プラスアルファとして、ライブ・エイドにおける「いとしのレイラ」の動画をのせておきます。
これは、デレク&ザ・ドミノスの記事で紹介した曲ですが……

Eric Clapton - Layla (Live Aid 1985)


エリック・クラプトンといえば、コロナ禍において一時期反ワクチン派のシンボルのような存在となっていました。
そのことで、元記事でもちょっと言及した過去の移民排斥発言をまた取り沙汰されたりもしているようです。

そんな状態に陥ったクラプトンに寄ってくるのは、中絶反対派の共和党州知事であったり、トランプ支持者であったり……全米ライフル協会なんかも、クラプトンに秋波を送っているといいます。それはコロナ禍が発生する前の話ですが、いまから見ればクラプトンがそっち側にいってしまう予兆であったのかもしれません。
たとえるならば、モリッシーのような状態でしょうか。
この反ワクチンの姿勢で、長年ツアーをともにしてきたサポートメンバーと衝突して喧嘩別れなんてことも起きているようです。

一応注釈をつけておくと、クラプトン自身はワクチンを打っています。
その際の副反応がひどく、もうギターを弾けなくなるんじゃないかと恐怖を感じるほどだったそうで……そういったこともあって、反ワクチン的姿勢に傾いていったようです。
同じく反ワクチン派であるヴァン・モリスンとコラボした曲を出したりもしました。
This Has Gotta Stop。
「これは止めなければいけない」というタイトルです。このMVのいわんとするところは、コロナ禍におけるロックダウンやワクチンの重要性に関する“洗脳”が世界中で行われている、それを止めなければならない……ということでしょう。

Slowhand & Van - This Has Gotta Stop (Eric Clapton, Van Morrison)


ちなみに、このMVに出てくるJam For Freedom というのは、ワクチンやロックダウンに反対する音楽サークルのようなもので、クラプトンはこの団体に寄付もしたということです。当時のレートで日本円にしておよそ15万円ほど……その金額にも驚きます。天下のエリック・クラプトンがたったそれだけ?



エリック・クラプトンという人は、子供のころに両親から引き離され、祖父母のもとで育てられるという経験をしています。
つまりは、「母のない子」というわけです。


Eric Clapton - Motherless Children (Live In San Diego)


そこからくる、ある種ののけ者感……それが、ひねくれた言動につながるのではないか。そんなふうにも推測されます。
そして、そのひねくれ者という態度は、ロックンロールの重要な資質でもあるでしょう。

このブログでは、different drum という言葉に幾度か言及してきました。
一人だけみんなとは違うリズムで動いている、そんなひねくれ者が、実は来るべき新しい時代を予感している。そしてやがて、世界を変える……それがロックンロールということでしょう。
世界を変える――そう、Change the World です。


Eric Clapton - "Change The World" [Live Video Version]


そんなふうに考えると、反ワクチン的な姿勢もあながちばかにしてはいられないかもしれません。

このブログでは、ワクチンの効果を疑問視する記事を何度か書いてきました。
ワクチンは、実はたいして意味がない、どころかある面ではむしろ逆効果にすらなっているおそれがある……ひょっとしたら、あとから振り返ってみれば、そんな“ひねくれ者”の意見のほうが正しかったということになるかもしれません。


ここからは、クラプトンが他のアーティストとコラボした曲をいくつか。


ルチアーノ・パヴァロッティとともに歌う Holy Mother。

Eric Clapton, Luciano Pavarotti, East London Gospel Choir - Holy Mother (Live)


B.B.キングとともに、Rollin' and Tumblin'

Eric Clapton and B.B. King - Rollin' and Tumblin' (Official Audio)

JJケイルとともに、Anyway the Wind Blows。
クラプトンはJJケイルに強い影響を受けていました。

Eric Clapton with JJ Cale - Anyway The Wind Blows [Official Live In San Diego]


JJケイルの死後、彼を悼んでアルバムを制作。
そのなかの一曲 Don't Wait。ここではジョン・メイヤーが参加しています。

Eric Clapton & Friends - Don't Wait (Official Lyric Video)



最後に、これはコラボではありませんが、ボブ・マーリィのカバー I Shot the Sheriff。
オリジナルに劣らないぐらい有名になったバージョンといえるでしょう。


Eric Clapton - I Shot The Sheriff [Crossroads 2010] (Official Live Video)


これは、圧政と戦う闘争の歌。
クラプトンにしてみれば、ワクチンやロックダウンに反対するのもこの姿勢の延長ということなんでしょう。それが正しいかどうかは、いずれ歴史によって裁定されるということで……



クリームの名曲を振り返る

2022-11-13 18:46:32 | 過去記事

Cream, Sunshine of Your Love

今回は、音楽記事です。前回は、ロバート・ジョンソンについて書きました。そこからのつながりで、ジョンソンの「四辻ブルース」をCrossroads としてカバーしたCre......


過去記事です。

このあいだベーシスト列伝でクリームの話が出てきたので、クリームの記事を。

元記事では動画を載せていませんでしたが、最近Youtubeでこんな動画を見つけました。
ロックンロール栄誉の殿堂における、再結成クリームのパフォーマンス。

Cream performs "Sunshine Of Your Love" at the 1993 Inductions

淡々とやっている感じが、いかにも大物という風格を漂わせています。
まあ、淡々としているのは、この時点でもあまり仲がよくなかったせいだと思いますが……



ベーシスト列伝 60年代ブリティッシュロック編

2022-11-11 18:51:59 | 日記


今日11月11日は「ベースの日」。

このブログでは、毎年ベーシスト列伝というのをやっており、今年もまたそれを踏襲しようと思います。
今回焦点をあてるのは、60年代ブリティッシュロック。例によって、簡単な紹介とともに動画を貼っていきます。


ジャック・ブルース
 エリック・クラプトン、ジンジャー・ベイカーとともにクリームで活動した。
 いわゆる“前に出るベース”の代表的存在で、ベース革命を体現するベーシストの一人といえる。ただ、前に出るベースゆえに他のメンバーと衝突することも多かったらしい。クラプトンは名うてのギタリストであり、ジンジャー・ベイカーは手数の多いドラムの代表格。三人とも自分が主役と思っているので、クリームの活動は長続きしなかった。
曲は、ジャック・ブルースがリードボーカルをとる I Feel Free。この動画を見るかぎりは仲よさそうだけれど……

Cream - I feel free (1967)


ポール・マッカートニー
 いわずとしれたビートルズのベース。
 さまざまな楽器を演奏できるが、ギターがジョージ・ハリスン、ドラムがピート・ベスト……となっていって、最後に残ったポジションがベースだったために、ベースを弾くことになった。この人がベースのポジションについたことが“前に出るベース”スタイルの確立に大きく寄与し、それ以後のロックバンドに多大な影響を与えた……というのが私のロック史観。
 そういう意味ではベースというポジションでロックに革命を起した人物といえるが、ポールがすごいのはそれだけではない。卓越したメロディセンスや、いくつもの発声法を使い分ける七色の声など、数々の才能をあわせもつ。まさにこの人は、ロック史の巨人なのである。
曲は、「ペニー・レイン」。ポールのポップなメロディセンスが光る作品。

The Beatles - Penny Lane


ジョン・エントウィッスル
 The Who のベース。
 ジャック・ブルースと並んで、ベースの革新者として知られる。
 ベースを革新したといわれるベーシストは何人かいるが、“革新”という言葉は、このジョン・エントウィッスルにこそふさわしい。
 独創的なベースサウンドは、フーというバンドの大きな特徴ともなった。この後ろで鳴っている音はベースのようだが、しかし、これ本当にベースなのか……と、ときに戸惑ってしまうような音を出す。
 仄聞するところによれば、彼のエフェクターシステム内にはギター用のエフェクターも含まれているのだとか。革新的なサウンドの秘密は、そのあたりにあるのかもしれない。
曲は、「ピンボールの魔術師」。ジョン・エントウィッスルのベースが躍動している曲の一つといえるだろう。

The Who - Pinball Wizard (Live at the Isle of Wight, 1970)


ティム・ボガート
 ヴァニラ・ファッジの活動で知られる。また、ジェフ・ベックともにベック、ボガート&アピスでも活動。いずれもベースを弾いていたが、ベース以外に何種類もの楽器を演奏するマルチプレイヤーでもある。このあたり、ポール・マッカートニーに通ずる部分があるかもしれない。ゆえに、スタイルとしてはやはり前に出るベースであり、そのあたりでジェフ・ベックとはうまくいかなかったのかもしれない。
曲は、ヴァニラ・ファッジの代表曲 Keep Me Hangin' On。
ドラムを叩いているのは、ベック、ボガート&アピスでも行動をともにするカーマイン・アピス。

Vanilla Fudge "Keep Me Hangin' On" on The Ed Sullivan Show


ポール・サミュエル=スミス
 ヤードバーズのベース。ヤードバーズにおける中心的な存在でもあった。
 彼の脱退後に、ジミー・ペイジがベースとして加入したということで、いわゆる三大ギタリストがヤードバーズに足跡を残すきっかけを作ったともいえる。
曲は、サニー・ボーイ・ウィリアムソンのカバーで Good Morning Little Schoolgirl。このライブバージョンでは、ポール・サミュエル=スミスがエリック・クラプトンとともに歌っている。

Good Morning Little Schoolgirl


チャス・チャンドラー
 アニマルズのベース。
 ベーシストとしてよりも、ジミ・ヘンドリクスを発掘してきた人物としてのほうがその名を知られているだろう。一時、ジミヘンのマネージャーをつとめていたこともある。
曲は、「悲しき願い」。「朝日のあたる家」と並ぶアニマルズの代表曲の一つ。

The Animals "Don't Let Me Be Misunderstood" on The Ed Sullivan Show


アニメ『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』

2022-11-09 23:32:37 | アニメ


今回は、アニメ記事です。

テーマは、『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』

このカテゴリでは、誕生50周年を迎えたレジェンドアニメを2作とりあげましたが、『ダイの大冒険』も、アニバーサリー的な感じ。
旧アニメが終了してから30周年ということになるのです。
終了してからというところが微妙ですが……

もう一つのしりとり要素として、前にとりあげた『ガッチャマン』とのつながりもあります。
というのは、旧アニメで音楽を手がけたのが、『ガッチャマン』の劇場版で音楽を担当していたすぎやまこういちなのです。
この人はゲームのドラゴンクエストで音楽を担当しているわけですが、その延長ということでか『ダイの大冒険』でも音楽を担当していました。



この『ダイの大冒険』、リメイク版が制作されており、つい最近最終回を迎えたことでも話題になりました。
旧アニメは、原作の進行との関係で、中途半端なところで終わってしまっていましたが、リメイク版は、きっちり最後まで描かれています。最後までやると、切り詰めても全100話。およそ二年間にわたる放映となり、アニメが終了した際にはネットのニュース記事になったりもしていました。

この作品、なぜか最近ちょっとマイブームになってて、ひさびさに原作を読み返したりしてたんですが……やはり、なかなか熱い黄金期ジャンプ王道バトル漫画でした。
勇気、正義、友情の世界です。
まあ、この系統の漫画の常で、精神論・根性論でバトルに勝ってしまうみたいな部分も多々あり、今この年齢になって読むと、そんなにうまくはいかんだろうと感じてしまったりもしますが……


ストーリーは、正義の勇者が悪の大魔王を倒すというきわめてシンプルな物語ではあります。

しかし、90年代という時代……私見では、これは“正義”という概念が大きく揺らぎ始めた頃です。『ダイの大冒険』にも、終盤の展開にその影響がかすかに見られるような気はします。
ただやはり、この作品においては、“正義”というところからはずれはしなかったと思います。
「力こそが正義」という大魔王バーン。
強大な力を誇るバーンを、さらに上回る力で圧倒するダイは、こういいます。

  これが正義かっ!!?
  より強い力でぶちのめされればおまえは満足なのかッ!!?
  こんなものがっ…!!!
  こんなものが正義であってたまるかっ!!!!

そうして、最後に「太陽になってみんなを天空(そら)から照らすよ…!!!」と、渾身の一撃を繰り出すのです。このラストバトルから、最後の展開は、しびれました。


おまけで、3DCGを。
今回は、ゴールデンメタルスライムのゴメちゃんを作ってみました。
一見ただのモンスターですが、実は、こいつはすごいやつなんです。






この『ダイの大冒険』、続編の噂というのもかねてからあります。
一応、続きを作ろうと思えば作れる終わり方にはなっていて……まあ30年も経つとさすがにもうないかなという部分はありますが、今回リメイクアニメが好評を博したということもあったので、もしかしたらワンチャンあるんじゃないか、と期待したいところです。