午前中何気なく入れたテレビで、宇野千代が取り上げられていて、生前のインタビューが放送されていた。
結婚して札幌に住み、新聞の懸賞小説に当選、上京し、尾崎士郎、東郷青児、北原武夫たちと結婚、離婚をしながら小説を書いた人です。
話がとても面白かった。結婚は自分から「好きです」といってしたそうです。男の人で「好きです」といわれて嫌な顔をする人はいないという。結婚して4~5年は、雄、雌の関係で上手くいくものです。しかし、それ以後は疎くなる。そんな男を追いかけたい気持は無いことは無いが、諦める。これは「恋の武士道」だというのです。雄、雌の関係が遠くなってからの夫婦間は、いわば友情で結ばれているという。
なるほど、いまや武士道を語る時代でなくなった。だから、追いかけて追いかけて、果てはむごい結末となる。
素晴らしいご夫婦、それは、雄、雌の関係を超えて、信じあえる友情という絆で結ばれている方なのでしょう。
宇野千代さんにとって、四回の結婚、四回の離婚は、人生を豊かにし、小説に厚みをつけるもので、自分を傷つけるものとなっていなかったのだと思う。「恋の引き際に武士道をみる」、何と潔いことか・・・。