強風で出船中止になったフグ船からマダイ船に乗り換えを決めたあと、暫く健船長と話す。
今年の大貫沖はサバフグの湧きが凄まじく例年の比じゃないそうだ。獰猛なサバフグはショウサイを食べちゃうそうだから、追いやられちゃったのだろう。
先般の一郎丸さんで揚げた竹岡沖のショウサイが痩せてたことを話すと、根周りで貝ばかり食べてるからじゃないか、とのこと。カワハギでも肝の色が違うそうだ。
やはりそうだったのか。
「あっちで何十匹も揚がってても俺は入れないからね。」
漁港によって漁場が決まってるからで、鴨居の船が竹岡沖で出来るのは、竹岡の船が鴨居沖で漁をするため相互に協定を結んでるかららしい。
なるほどね。漁港同志で仁義を切るんだね。
(いざマダイへ。)
出船が近づいて第二忠丸に乗り込む。
釣り座は右舷艫3、4番にT1さんと並んだけど、お客が8名にユキちゃんとSトシくんが左右に分かれて竿を出す、片舷5名づつ。自分の左隣がSトシくんだ。
(こちらは第一忠丸。)
ユキちゃんがテンヤのセッティングからエサ付け、釣り方を丁寧に教えてくれる。
テンヤはいくら?と聞くと、ロストしなければいいよ、と無料でレンタルしてくれた。もちろんT1さんのタイラバも同じ。途中でタイラバに替えたければ言ってね。とまで言ってくれた。
至れり尽くせりのVIP待遇で有り難い。乗り換えて良かったよ。
なぜテンヤを選択したか。
それは、タイラバの方が簡単に釣れるかもしれないけど、タチウオの時のようにアタリを無視して巻き続けるのに苦労するのが目に見えてるから。絶対反応しちゃう自信があるのですよ。
それに、どうせ教わるなら難しそうなテンヤの方が良いしね。
(潮はこんな感じ。)
出船後強風の波にドッタンバッタンと揺られて移動し、第二海堡が見える横須賀沖で釣り開始。
潮はカッ飛びではないものの、それなりにある。水深40m程の流し釣りなんで、仕掛けの落とし方に注意しないと余裕の釣り座でもおまつりしそうだ。
テンヤが着低したら、根掛かりを避けるためにすかさず底を切って、大きくシャクリ上げる。そこから自然に落としこんで着低したらシャクるの繰り返し。
アタリが出たら即、大きくしっかりアワセる。
(うねってるよ。)
ユキちゃんに横で直接指導して貰って何となく要領が飲み込めてきた。
フォールで喰うのが多いそうだから、注意深く竿先とラインを見るけど、貸し竿が胴調子で柔らかく、リールも右巻きだから馴れるのに時間が掛かるよ。
右舷でテンヤは自分一人だけで、Sトシくん含め他の4人はタイラバだ。
一人だけシャクリ続ける「動」に対し、他の方々はリールを巻き続ける「静」のコントラスト。
どちらも、シャクルか巻くかを黙々と続けるのは変わらない。
暫くして大艫の方が40cm弱のマダイを揚げた。船中1番かな。
そのあともポツポツ揚がるようで、勇治船長曰く状況は良いとのこと。
これは期待出来るかな。
(時折大型船が通る。)
シャクったあとのフォールでアタリを取るために、どうしてもフグのように誘い下げをゆっくりして竿先を凝視してしまう。
それを見た勇治船長が、操船コントローラーを持って横に来て熱血指導をくれた。
「着低したら直ぐに鋭くシャクって、ストンと落とす。シュッ!ストン、シュッ!ストンの繰り返しだよ。」
竿を取って実演してくれた。なるほど。
「アタリを取ろうとしなくていいから。シャクリのタイミングで掛かるよ。」
そうか。アタリで掛けようと思わず、マシーンと化すのね。
(相変わらずうねうね。)
このあとピッチを上げてシャクリマシーンとなる。
暫くしてT1さんが掛け、胴調子の竿が良い感じに曲がってる。
船長がSトシくんにタモ入れを指示して、取ったのは型の良いホウボウ。ボウズ脱出で良かったね。
船中ポツポツ型見て、船長の言う通り調子は良さそうだ。
でも小型が中心だからなのか、次の移動先に着くと、
「ここは大型が出るよー。」
と勇治船長から型狙いのアナウンス。
するとT1さんが立て続けにマダイを2匹揚げる。だけど、2匹とも30cmくらいの小型。
「あれっ?おっかしいなー。大型の場所なんだけどなー。」
と都度ボヤく船長が可笑しかった。
さすがT1さんとも言えるか。初のマダイが連チャンで良かったね。
T1さんに先を越されても焦りはない。シャクリマシーンと化し、いつか来るアタリを待つのみ。
すると来ましたよ!アタリが!
えいやっ!と竿を大きく上げてアワセるけど、モヤッとした感触で掛からずエサだけをヤられた。
(やられたー。)
ユキちゃんにワンチャンスと言われてた機会を逃したか。残念。
再びシャクリマシーンと化し、途中ユキちゃんから、タイラバに替えるなら言って。と再確認されようがテンヤを貫く。何だか予感があるのですよ。
午後になって、微妙なアタリで掛けた。Sトシくんがタモを構えて、勇治船長も注目してくれたけど、引きが違う。
揚がったのは孫バリを喰わえたサバフグ。
(これでボウズは回避。)
この後サバフグらしきアタリが出るも掛からず、シャクリ続ける中、刻々と時間が過ぎる。
沖あがりまで15分くらい前だったか。
本日何百回と繰り返したシャクリからのフォールで小さなアタリ。すかさずアワセると、グーンと竿先がお辞儀した。大きく煽って巻きに入る。掛けた‼
「来たー、来たー!」
と勇治船長が声を挙げてくれ、Sトシくんが横でタモを構える。
竿が柔らかいから良く判らないけどそれなりの型のようだ。時々、グンと突っ込むこの引きは間違いなくマダイだろう。
「デカイよー。」
勇治船長が言う。
重みを感じながら巻き揚げつつ、最後の最後に掛けるとはやっぱり持ってるなー。と自分に感心する。
ところが、途中でフッとテンションが抜けた。
あーっ!と声を挙げたのは船長。
テンヤを回収すると、オモリからテンヤ針が消失してた。繋ぎ目が壊れたらしい。
「親バリにしっかり喰ってたのになー。残念だなー。」
と勇治船長の方が悔やしそうだ。
バラした自分はどこかで、やっぱりな。そういうオチか。という思いがあって案外冷静だ。
オニカサゴやトラフグもそうだったけど、一度フラれてリベンジしたら釣れるというパターンだな。と妙に納得する。
このあと例によって勇治船長が残業してくれてサービスタイムに突入。
するとこれまで揚げてない、Sトシくんが大物を掛けた、と竿を曲げた。
でも、根掛かりだ、とか、おまつりだろ、とか、勇治船長にドヤされて相手にされず、左舷のユキちゃんも丁度掛けてたトコのようだから動けない。じゃあ、とタモを取りに行ってあげた。
横に立てておいてくれればいいよ。と勇治船長が言う。
その間も大曲りした竿を抱えてるSトシくん。
「Sトシ!お前の仕掛けはおかしいよ。ラインが明後日に入ってるじゃないかー。」
と更にドヤす勇治船長。
タイを揚げ終えたユキちゃんが様子を見に来て、掛かってる!と声を挙げて騒然となった。
(タモを入れるユキちゃん。)
(この日最大の5.3kg。)
揚がったのはこの日一番の大ダイ。
横で見てて盛り上がったし、ドヤしからのこの展開に爆笑しちゃったよ。
結局タイは獲れなかったけど、テンヤ釣りを教われたし、愉しかったな。
熱血勇治船長と良くしてくれたユキちゃんに感謝だ。
(型を見られず大型をバラす。それは私です。)
またいつかテンヤに挑戦して、大鯛を仕留めてやるぞ。次は獲れる自信がある。
そういう星回りなんですよ。
・サバフグ : 1(リリース)
船中0~3
大潮
🐡
今年の大貫沖はサバフグの湧きが凄まじく例年の比じゃないそうだ。獰猛なサバフグはショウサイを食べちゃうそうだから、追いやられちゃったのだろう。
先般の一郎丸さんで揚げた竹岡沖のショウサイが痩せてたことを話すと、根周りで貝ばかり食べてるからじゃないか、とのこと。カワハギでも肝の色が違うそうだ。
やはりそうだったのか。
「あっちで何十匹も揚がってても俺は入れないからね。」
漁港によって漁場が決まってるからで、鴨居の船が竹岡沖で出来るのは、竹岡の船が鴨居沖で漁をするため相互に協定を結んでるかららしい。
なるほどね。漁港同志で仁義を切るんだね。
(いざマダイへ。)
出船が近づいて第二忠丸に乗り込む。
釣り座は右舷艫3、4番にT1さんと並んだけど、お客が8名にユキちゃんとSトシくんが左右に分かれて竿を出す、片舷5名づつ。自分の左隣がSトシくんだ。
(こちらは第一忠丸。)
ユキちゃんがテンヤのセッティングからエサ付け、釣り方を丁寧に教えてくれる。
テンヤはいくら?と聞くと、ロストしなければいいよ、と無料でレンタルしてくれた。もちろんT1さんのタイラバも同じ。途中でタイラバに替えたければ言ってね。とまで言ってくれた。
至れり尽くせりのVIP待遇で有り難い。乗り換えて良かったよ。
なぜテンヤを選択したか。
それは、タイラバの方が簡単に釣れるかもしれないけど、タチウオの時のようにアタリを無視して巻き続けるのに苦労するのが目に見えてるから。絶対反応しちゃう自信があるのですよ。
それに、どうせ教わるなら難しそうなテンヤの方が良いしね。
(潮はこんな感じ。)
出船後強風の波にドッタンバッタンと揺られて移動し、第二海堡が見える横須賀沖で釣り開始。
潮はカッ飛びではないものの、それなりにある。水深40m程の流し釣りなんで、仕掛けの落とし方に注意しないと余裕の釣り座でもおまつりしそうだ。
テンヤが着低したら、根掛かりを避けるためにすかさず底を切って、大きくシャクリ上げる。そこから自然に落としこんで着低したらシャクるの繰り返し。
アタリが出たら即、大きくしっかりアワセる。
(うねってるよ。)
ユキちゃんに横で直接指導して貰って何となく要領が飲み込めてきた。
フォールで喰うのが多いそうだから、注意深く竿先とラインを見るけど、貸し竿が胴調子で柔らかく、リールも右巻きだから馴れるのに時間が掛かるよ。
右舷でテンヤは自分一人だけで、Sトシくん含め他の4人はタイラバだ。
一人だけシャクリ続ける「動」に対し、他の方々はリールを巻き続ける「静」のコントラスト。
どちらも、シャクルか巻くかを黙々と続けるのは変わらない。
暫くして大艫の方が40cm弱のマダイを揚げた。船中1番かな。
そのあともポツポツ揚がるようで、勇治船長曰く状況は良いとのこと。
これは期待出来るかな。
(時折大型船が通る。)
シャクったあとのフォールでアタリを取るために、どうしてもフグのように誘い下げをゆっくりして竿先を凝視してしまう。
それを見た勇治船長が、操船コントローラーを持って横に来て熱血指導をくれた。
「着低したら直ぐに鋭くシャクって、ストンと落とす。シュッ!ストン、シュッ!ストンの繰り返しだよ。」
竿を取って実演してくれた。なるほど。
「アタリを取ろうとしなくていいから。シャクリのタイミングで掛かるよ。」
そうか。アタリで掛けようと思わず、マシーンと化すのね。
(相変わらずうねうね。)
このあとピッチを上げてシャクリマシーンとなる。
暫くしてT1さんが掛け、胴調子の竿が良い感じに曲がってる。
船長がSトシくんにタモ入れを指示して、取ったのは型の良いホウボウ。ボウズ脱出で良かったね。
船中ポツポツ型見て、船長の言う通り調子は良さそうだ。
でも小型が中心だからなのか、次の移動先に着くと、
「ここは大型が出るよー。」
と勇治船長から型狙いのアナウンス。
するとT1さんが立て続けにマダイを2匹揚げる。だけど、2匹とも30cmくらいの小型。
「あれっ?おっかしいなー。大型の場所なんだけどなー。」
と都度ボヤく船長が可笑しかった。
さすがT1さんとも言えるか。初のマダイが連チャンで良かったね。
T1さんに先を越されても焦りはない。シャクリマシーンと化し、いつか来るアタリを待つのみ。
すると来ましたよ!アタリが!
えいやっ!と竿を大きく上げてアワセるけど、モヤッとした感触で掛からずエサだけをヤられた。
(やられたー。)
ユキちゃんにワンチャンスと言われてた機会を逃したか。残念。
再びシャクリマシーンと化し、途中ユキちゃんから、タイラバに替えるなら言って。と再確認されようがテンヤを貫く。何だか予感があるのですよ。
午後になって、微妙なアタリで掛けた。Sトシくんがタモを構えて、勇治船長も注目してくれたけど、引きが違う。
揚がったのは孫バリを喰わえたサバフグ。
(これでボウズは回避。)
この後サバフグらしきアタリが出るも掛からず、シャクリ続ける中、刻々と時間が過ぎる。
沖あがりまで15分くらい前だったか。
本日何百回と繰り返したシャクリからのフォールで小さなアタリ。すかさずアワセると、グーンと竿先がお辞儀した。大きく煽って巻きに入る。掛けた‼
「来たー、来たー!」
と勇治船長が声を挙げてくれ、Sトシくんが横でタモを構える。
竿が柔らかいから良く判らないけどそれなりの型のようだ。時々、グンと突っ込むこの引きは間違いなくマダイだろう。
「デカイよー。」
勇治船長が言う。
重みを感じながら巻き揚げつつ、最後の最後に掛けるとはやっぱり持ってるなー。と自分に感心する。
ところが、途中でフッとテンションが抜けた。
あーっ!と声を挙げたのは船長。
テンヤを回収すると、オモリからテンヤ針が消失してた。繋ぎ目が壊れたらしい。
「親バリにしっかり喰ってたのになー。残念だなー。」
と勇治船長の方が悔やしそうだ。
バラした自分はどこかで、やっぱりな。そういうオチか。という思いがあって案外冷静だ。
オニカサゴやトラフグもそうだったけど、一度フラれてリベンジしたら釣れるというパターンだな。と妙に納得する。
このあと例によって勇治船長が残業してくれてサービスタイムに突入。
するとこれまで揚げてない、Sトシくんが大物を掛けた、と竿を曲げた。
でも、根掛かりだ、とか、おまつりだろ、とか、勇治船長にドヤされて相手にされず、左舷のユキちゃんも丁度掛けてたトコのようだから動けない。じゃあ、とタモを取りに行ってあげた。
横に立てておいてくれればいいよ。と勇治船長が言う。
その間も大曲りした竿を抱えてるSトシくん。
「Sトシ!お前の仕掛けはおかしいよ。ラインが明後日に入ってるじゃないかー。」
と更にドヤす勇治船長。
タイを揚げ終えたユキちゃんが様子を見に来て、掛かってる!と声を挙げて騒然となった。
(タモを入れるユキちゃん。)
(この日最大の5.3kg。)
揚がったのはこの日一番の大ダイ。
横で見てて盛り上がったし、ドヤしからのこの展開に爆笑しちゃったよ。
結局タイは獲れなかったけど、テンヤ釣りを教われたし、愉しかったな。
熱血勇治船長と良くしてくれたユキちゃんに感謝だ。
(型を見られず大型をバラす。それは私です。)
またいつかテンヤに挑戦して、大鯛を仕留めてやるぞ。次は獲れる自信がある。
そういう星回りなんですよ。
・サバフグ : 1(リリース)
船中0~3
大潮
🐡