近年東京湾や相模湾に限らず、日本各地の沿岸部で危機感を持って叫ばれているのが「磯焼け」です。
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9月23日(金・祝)7:00に鐙摺港に集合、総勢14名のインストラクターを乗せて与兵衛丸さんから7:30に出船しました。
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インストラクターと言えど、専門でアイゴを狙ったことなどないですから釣り方も良く分かりません。
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すると、中層から上層でイナダやソウダガツオが掛かります。
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中層以上だと青物が掛かってしまうので底を中心に狙います。
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するとカサゴやチャリコ(マダイの幼魚)が掛かりますが、アイゴは顔を見せません。
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「アイゴだ!」
良く良く見ると体型やヒレの形状からアイゴだと分かりました。
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時間が経つと見知った体色と模様になり、見紛うことなきアイゴの姿になりました。
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港に戻ったらアイゴを捌いて試食です。
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まずはアイゴの刺身です。
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続いてアイゴの唐揚げ。
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磯焼けとは、沿岸部の海藻が減少して海底が荒涼とした砂漠のようになってしまうこと。
藻場は魚たちの産卵や稚魚の生育に大切な役割を果たしているから、藻場の減少はとりもなおさず魚介類の減少に繋がってしまう問題なのです。
磯焼けの原因は、黒潮蛇行による海水温の上昇や河川からの雨水や排水流入による濁りや汚れなど、複数の要素が揚がっている中で、魚介類による食害が深刻とされています。
食害の当事者として注視されているのが食欲旺盛なウニやアイゴ。
JOFI神奈川ではこれまで、水産多面的機能発揮対策の活動として海底清掃やウニの駆除に取り組んで来ましたが、今般新たにアイゴ退治を開始することになりました。
すなわち、インストラクターたちが集まって藻場を食い荒らすアイゴを釣って駆除しよう。
単に駆除するだけでなく、舌でも味わってみよう。
と第1回目を葉山で実施することになったのです。
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9月23日(金・祝)7:00に鐙摺港に集合、総勢14名のインストラクターを乗せて与兵衛丸さんから7:30に出船しました。
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仕掛けはビシコマセにウイリー。
何せアイゴ釣りなんて初めてなんで船長共々手探りなのですよ。
船長が漁業関係者に確認してくれたところ、ここ最近アイゴは遊漁船のゲストにも定置網にも掛かっていないらしいです。
とりあえず乗り合い船で過去にアイゴが揚がったポイントを攻めてみることになりました。
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インストラクターと言えど、専門でアイゴを狙ったことなどないですから釣り方も良く分かりません。
とりあえずコマセを撒いて誘ってみます。
暫し沈黙後、コマセが効くとサバ祭りに突入。
型は30cm近いものの痩せていて細いのでリリースです。
そもそも本日の本命はアイゴですから。
サバ祭りから逃れるように移動し、今度は根周りを狙います。
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すると、中層から上層でイナダやソウダガツオが掛かります。
引きが良くて楽しめますがゲストです。
本日の本命はアイゴですから。
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中層以上だと青物が掛かってしまうので底を中心に狙います。
海藻を食べるのだからアイゴは根や底にいるのではとの想像です。
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するとカサゴやチャリコ(マダイの幼魚)が掛かりますが、アイゴは顔を見せません。
船中揚がってるのは青物ばかりです。
ここでポンポンと青物を揚げていた隣のインストラクターが「これは引きが違う。アイゴか!?」と巻いています。
注目してるところで揚がったのは、銀色掛かった魚。
何だ?イスズミ?
じっくり見て観察すると、
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「アイゴだ!」
良く良く見ると体型やヒレの形状からアイゴだと分かりました。
アイゴは茶系の体色だと思っていましたが、釣りたては違うのですね。
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時間が経つと見知った体色と模様になり、見紛うことなきアイゴの姿になりました。
アイゴはヒレに毒がありますから、ハサミで切り落とします。
アイゴが釣れたと船中盛り上がっていると、右舷側で置き竿にもう1匹アイゴが掛かりました。
12:30まで頑張りましたが船中で揚がったアイゴはこの2匹だけでした。
どちらも30cm、400gほどでした。
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港に戻ったらアイゴを捌いて試食です。
アイゴは内臓に臭みがあると聞きますし、実際捌いてる最中の内臓の匂いは強烈でした。
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アイゴは西日本では食べる地域があると聞きますが、関東では食の対象として見られない魚です。
食べると臭みが癖になるとも耳にしますし、好き嫌いが別れる魚なのでしょう。
実のところは自分の舌で確かめないと分かりません。
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まずはアイゴの刺身です。
身は綺麗な白身でマダイだと言っても通じそうです。
前評判から皆が尻込みしているところをいただいてみると、ビックリ!
とても美味しいです。
釣りたて下ろしたてですが、1~2日寝かせたような味、食感ともにバランスが良いです。
噛んだ瞬間から旨味が湧いて口内から消えるまでしっかり残り、余韻も楽しめます。
癖など一切なく、これほど旨い白身はなかなかないでしょう。
旨さを知ったら皆さん次から次に箸が出て、飛ぶように売れます。
「これはスズキなんかよりよっぽど旨い!」
役員のインストラクターが太鼓判を押します。
ゲストで釣れたヒラソウダやショゴ(カンパチの幼魚)も刺身にしましたが、その上をいくアイゴの旨さでした。
目からウロコがポロポロ落ちましたよ。
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続いてアイゴの唐揚げ。
唐揚げ粉を着けて揚げ焼きにしましたが、普通に美味しいです。
この身なら好んで食べる地域があるのも頷けます。
釣り味も良いし味も良い、乗り合い船があってもいいレベルの魚だと思います。
これからアイゴが釣れたら必ず持ち帰ろうと決めました。
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藻場の保全のために食害をもたらすアイゴを駆除する試みは、今後定期的に行う予定です。
少しでも磯焼けを食い止める一助になればと思います。
でも、アイゴは自然の営みに従ってただ生きようとしているだけです。
アイゴの生息域の拡大や藻の減少の要因に温暖化が関係しているのであれば、人類のツケをアイゴが払わされているのかもしれません。
活動を通じて考えさせられました。
単に駆除で終わるのではなく、せめて美味しくいただいてあげられればとも思った次第です。
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