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9月2日(土)にかみさんと連れ立って出かけた先は銀座の歌舞伎座。
秀山祭九月大歌舞伎の初日公演を観るためね。
知り合いからチケットを譲って貰い、数十年振りの歌舞伎観覧となりました。
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秀山祭とは初代中村吉右衛門の生誕120年を記念して2006年から始まった公演だそうで、今年は二代目吉右衛門の三回忌追善となる。
歌舞伎に詳しくない自分でも知っている御歴々が出演されますよ。
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昼の部は3演目。
11:00開演で終了が15:19。
幕間が35分と25分あるも、長丁場だな。
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東銀座で降りると、歌舞伎が目当てだろう年配の方々が多い。
歌舞伎座の開場は10:30。
イヤホンガイド(800円)を借りて、歌舞伎座に入る。
初日公演だからだろう、梨園関係者の方々がお出迎えしている。
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落ち着いた和の趣きがある内装が格式を伺わせる。
観客席は1階から3階まであり、感心したのは、各席の列に対応した出入口があること。
観客の動線がきちんと整理されるから人の流れが滞らない。
館内は決して広くなく、通路に余裕があるわけではないけれど整然と移動ができる。
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(イヤホンガイドはこれ。)
時間どおり11:00にブザーが鳴り、第一演目の「祇園祭礼信仰記 金閣寺」が始まる。
詳細はこちらで。
舞台中央には金閣寺のセットが鎮座。
演者の衣装は彩りに富み、目に鮮やか。
まるで前面に広がる浮世絵を観ているかのようだ。
金閣寺には歌舞伎上の三大姫と言われる雪姫の役があり、演じてる中村米吉の演技は圧巻だった。
常に膝を曲げた中腰で、つま先から指先までを使って全身で感情を機微細やかに表現する技は、美しくも凄味を覚えた。
能面のような顔のメイクで表情を出さない分、全身表現が冴える。
伝統の技は凄いね。
「中村屋!」
などの大向うが生で入るのも臨場感を盛り上げてくれる。
舞台に釘付けで楽しめた。
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幕間。
35分しかないから急いでトイレと昼食を済ます。
幕の内弁当を予約しておきましたよ。
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(美味しくいただきました。)
第二演目は「土蜘」。
土蜘は能が原作の長唄の舞踊劇。
舞台正面奥には長唄とお囃子衆がずらっと並んでる。
前段の源頼光の館での進行は「静」の印象で、後段は土蜘退治の活劇で「動」となる。
その振り幅が大きくて、最後の見せ場に向けて右肩上がりに盛り上っていく。
とりわけ、土蜘討伐を命ぜられた平井保昌と四天王との立廻りや土蜘が発する千筋の糸の演出はお見事。
土蜘役の松本幸四郎が舞台中央で大見得を切る最高潮で幕が下りる。
いやー、痺れたよ。
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幕間。
第三演目は「二條城の清正」。
二條城で徳川家康との会談を終えた帰路の船上での加藤清正と豊臣秀頼の話し。
加藤清正の語りが主で、これまでの演目とは趣きが異なる。
加藤清正を松本白鸚、豊臣秀頼を市川染五郎という実の祖父と孫が演じているのが観る側に更なる味を与えてくれる。
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三演目それぞれ楽しめたし、感動した。
以前観たのがスーパー歌舞伎だったから、これぞ歌舞伎という演目を観たのが初めてだった。
色彩鮮やかな衣装の役者、ナレーションの竹本連中、演奏の長唄囃子連中、効果音のツケ打ち、それぞれの技が舞台上で一体化し、舞台の隅々まで一部の隙もない、長い伝統で磨かれ洗練されたシーンは、美しい浮世絵を観ているようだ。
歌舞伎はライブで進行するけれど、舞台上のどの瞬間を切り取っても一枚の芸術として成立する「コマ」で魅せることに拘っているのだろう。
今、日本の漫画やアニメが世界を席巻しているけれど、歌舞伎の物語をコマで見せる演出は漫画に、ナレーションと効果音、BGM付きの視覚効果はアニメに、それぞれ通じるのではないかと思った。
400年前から歌舞伎という庶民向けの総合芸術を持っている日本だからこそ、そのバックボーンがあるからこそ、ここまで漫画やアニメが発展したのではなかろうか。
伝統の積み重ねがここにも活きているのではなかろうか。
日本の文化に改めて感じ入った。
歌舞伎はまた観たいな。
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