11月の声を聞くと急に寒くなった。寒冷地の北海道や東北の寒さとは比べようもないが、朝の冷気が気にかかる。我が家の小さな庭のカエデも少し色づきはじめた。
”ゆきやこんこん、あられやこんこん”の歌を流しながら、今年初めての灯油販売の車が団地の中を回っている。
75歳の時、高齢者の交通事故が多いことから、まだ少し早いと思ったが、早々と運転免許証を返納した。普段、車がなくても困ることはないが、冬、スタンドに灯油を取りに行けないのには困っている。灯油販売の車は週2回ほど巡ってくるが、見過ごすと大変だ。
11月の声を聞き、我が家ではこれからの厳しい冬に備えての準備を始めた。まず最初に、つい先日まで納戸の奥でひと夏を過ごした石油ストーブを掃除して居間へ運ぶ。灯油を注入し、点火用の電池を入れ換える。築40有余年の木造の我が家に床暖房などあるはずがない。古いこたつはずっと以前に捨ててしまった。石油ストーブ2台とエアコンだけが我が家の暖房のすべて。
夏の間、板張りだった居間にじゅうたんを敷いた。毎年恒例のじゅうたん敷換えだが、年とった夫婦にとっては重労働、腰が痛くなってきた。この作業、来年からは娘夫婦に頼まねばなるまい。もう年は取りたくないと思いつつ、老後のことを考えると不安ばかり、心細くなるばかりだ。